僕
目まぐるしい夏がすぎて、もう秋が来る。
僕
学校の図書室で借りた本を開く。
教室で読むのは苦手だ。
昼休みに騒がしくなる教室では、ゆっくりと読むことなんて出来ない。
僕は静かな方が好きだから。
僕
今座っているベンチがあるこの場所は学校の中庭で
人目につかない。
近くに生えている紅葉の葉の先が、紅く色づいている。
風で葉がゆれる。
かさかさと心地よい風が、音をならして横切っていく。
僕
その日の昼休みはあっという間に過ぎた。
僕
数週間が過ぎようとしていた頃だった。
僕はいつものようにこのベンチに来て、読書をしていたら
彼女は不意に現れた。
反対側に座っていたため、後ろ姿しか見えなかったけど、
それだけでも綺麗だった。
私
少し前に、木の隙間から見えたのがきっかけだった。
彼はいつも1人で本を読んでいる。
私
しばらくして、私は彼の隣に座るようになった。
彼は相変わらずこっちを見ないけど、いることには気づいてるらしい。
私
今日は私の不注意で、彼の手に触れてしまった。
私
僕
あれから彼女は毎日決まった時間に来るようになって、
ちゃんと隣に座ってくるようになった。
なんだか一緒にいてくれてるみたいで嬉しくて。
ついに声をかけてみることにした。
僕
僕
僕
そう言って撫でると、
黒猫は目を細めて
彼女
と鳴いた。
私
私
私
コメント
4件
オチわかったかな…(;´Д`)
流石っす!
これは読み切りなんだよな〜(*' ▽'*)