ビビビッビビビッ
一発で音の発信源を押さえつける
カチッ
この2種類の音が鳴ると僕の1日が始まる
もう憂鬱なんて日々はどこかへ消えた
今日だってるぅとくんに会える
それだけで面倒な寝癖直しも楽しくなる
今日は祝日だ
学校も無いので朝からるぅとくんに会いに行く
ころん
ひしゃげたかかとも直さないまま家を駆け出そうとした その時母に呼び止められた
母親
ころん
ギリギリ閉まりきってない扉の向こう側で叫び出た
9時15分
病院の面会開始時間まであと15分もある
るぅとくんの入院している病院は家から10分もしない距離にあった
日本でも有数の有名な大学病院だった
ころん
駆け足だったのを少し遅くして向かう
僕が病院に通い始めてから初めての休日
ころん
何も知らない方が幸せ
本当はそうなのかもしれない
この時の何も知らない僕は幸せ以外の感情は無かっただろう
ころん
病室の扉を静かに勢いよく開けた
僕の目にすぐ映るるぅとくんは母親のような優しい目で僕を見つめてきた
るぅと
るぅと
”ころちゃん”
初めは照れくさかったがこう呼ばれるのももう慣れた
いつものように取ってつけたような謝罪をしておく
ころん
ころん
るぅと
ころん
るぅと
るぅと
ころん
ガラガラ
看護師
僕達の終わらない言い争いに釘を刺すように看護師が部屋に入って朝食を届けに来た
看護師
ころん
世間一般で言う痴話喧嘩をしていたので会話を聞かれていたかと思うと少し恥ずかしい
ころん
るぅと
いただきまーす!
るぅとくんの箸があまり進まないのを横目に菓子パンを夢中で食べた
ころん
ころん
るぅと
ころん
るぅと
僕は言われるがまま食べかけの菓子パンを机に置き病室を出た
最後の一言は少し息切れしているように思えた
るぅとくんの病室に1番近いベンチに座った
るぅとくんがナースコールをしたのか看護師が2、3人病室へ入って行くのが見えた
僕には何も分からない
病室で何が起こってるのかも
るぅとくんに何があったのかも
なぜ僕を部屋から出したのかも
ころん
頭の端から不安が溢れ出てくる
莉犬
何故か知らない人に名前を呼ばれ そこで初めて自分が過呼吸になっている事に気づいた
ころん
ころん
莉犬
莉犬
少し冷たい指先を力の限り握る
莉犬
莉犬
ころん
莉犬
ころん
ころん
莉犬
過呼吸というものには初めてなった
莉犬
ころん
ころん
莉犬
ころん
ころん
本当に苦しかった
莉犬
莉犬
だけどるぅとくんはもっと辛い苦しみみを耐え続けてるのかもしれない
莉犬
ころん
莉犬
莉犬
莉犬
莉犬
るぅとくんのお兄さん
お兄さんの顔をよく見ると鼻の上がり方がよく似ていた
莉犬
ころん
莉犬
莉犬
莉犬
莉犬
心臓病
初めて知ったるぅとくんの病気
さらに副作用の強い薬で治療をしなければいけないようだ
ここで僕は今更ながらここが大きな病院である事を思い出した
莉犬
莉犬
莉犬
莉犬
莉犬
ころん
ころん
莉犬
莉犬
ころん
コンコンコン
ころん
るぅとくんの病室から看護師が出ていったのを確認してから部屋をノックした
るぅと
ころん
るぅとくんの目は少し赤くなっていた
ころん
るぅと
るぅと
ころん
ころん
るぅと
ころん
ころん
ころん
痩せた君の身体をそっと抱き寄せながら
少しでも不安を取り除いてあげようと声をかけた
ころん
ころん
抱き寄せた身体の力が抜けていくのが伝わる
少し震えていたと思うと僕の身体を離した
るぅと
るぅと
ころん
ころん
るぅと
それからは元気に笑う君とは裏腹に病状は悪化した
コメント
4件
ついでに1000まであげときました‼️ 私前の名前がBL大好きのキラなんですけどよろしければフォローおねがいします 今のアカウントの作品も見てください‼️ 長文失礼しました
面白いですよ❗ 続き待ってます❗頑張ってください