やっぱり君が一番 うらたぬきside

俺は今...疲れている

歌ってみたに生放送

とにかく仕事の量がすごい

だから、最近さかたに構ってあげられてない

気をつけなきゃなって、そう思うけど

どうしてもやってしまう...

生返事しか出来ないのか...俺は

また、冷たくしちゃった

ほら、坂田だって気付いてるのに

酷いなぁ、俺

坂田、しょぼくれてるよ

優しい言葉かけてあげなよ

...ダメだな、こりゃ

気持ちのこもってない「ごめん」

自分が酷く醜い

目尻に涙浮かべて

そんなやつに、嘘の言葉さえかけてやれないの？

冷酷だ

俺、どうしたらいいかな

口から出るのは嘘つきの言葉

こんな言い方じゃ、誤解されるのに

...喉に、微かな違和感

それに一瞬気を取られた...

変な回答

こんなんじゃ、いけないのに

もうちょっと、構うべきだった

坂田は何にも悪くない

忙しいのは本当のこと

でも、何故か嘘をついてる気分になる

冷たいなぁ...

俺、どうしちゃったんだろう

最近、忙しすぎてろくに坂田に構ってやれない

はぁ

きっと...いや、絶対

不安にさせてる

それから坂田は...

蚊のような細い声で、言った

バタン

気持ちとは裏腹に...

思ってもいない言葉だけ、溢れ出る

俺はそんな気持ちを塗り替えるように

違うことに意識を向ける

さっき感じた、確かな違和感

喉に、なにか突っかかってるような

突然、吐き気が出てきた

今更

坂田がいなくてよかったと思ってしまう

こんな姿見たら、心配かける...

たとえそれが、ギクシャクしてる彼氏でも

暫く耐えていると、楽になってきた

prrrrrr...

そらると書かれた着信画面

そらるさんも、心配症だから

通話開始と同時に聞こえた

そらるさんの辛そうな声

「俺も同じですよ」そう言おうとしてやめた

言ってしまったら、そらるさんは俺の心配をしてしまうから

必死に、吐き気を押し殺す

説明中...

あ...やば

そろそろ...限界

しまった

そう思った時には遅かったんだ

これ以上隠すのは無理かな

案外あっけない

そらるさんは優しく聞いてくれる...

すげえいい人だなって、そう思う

でも、俺が好きなのは違うんだなぁ...

説明している間に、そらるさんは吐き気が収まったようだ

心地いい空間だなぁ...

なのに、俺は「違う」って...

どれだけ欲張りなんだ

それから俺とそらるさんは

病院の日程や、色んなことを決めた

何故かとても楽しかったのに

心のどこかで、坂田を思い出す

ただ一つ気がかりなのは

坂田にこのメール内容を見て、心配されないか...

まあ...パスワードつけときゃいいだろ

...坂田の誕生日で