テラーノベル
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雨はまだ止まなかった。 ミナトの言葉が、 重く部屋に残っている。 ⸻ 『ハルが死んだ日、ジンもそこにいた』 ⸻ ノアはレイを見る。 レイは窓際に立ったまま、 静かに煙草へ火をつけた。 その横顔は暗い。 まるで、 昔の傷を無理やり開かれたみたいだった。
ノア
ノアの声が低い。 レイは答えない。 代わりに煙を吐く。 ミナトが小さく息を吐いた。
ミナト
レイ
レイは冷たい。 でも、 止めなかった。 それがもう、 肯定みたいなものだった。 ミナトはソファに腰掛け、 濡れた髪をかき上げる。
ミナト
ミナト
ノアは黙って聞いている
ミナト
レイは目を閉じた ミナトは続ける
ミナト
ノアは少し眉を寄せる それは初耳だった
ミナト
静かな声。 雨音。 煙草の火。 全部が妙に遠い。
ミナト
ミナト
レイ
レイが小さく呟く ミナトは頷いた
ミナト
ノアは笑わない ミナトは視線を落とす。
ミナト
ミナト
空気が止まる。 レイの指先が、 少しだけ震えた。 ノアは見逃さない。
ノア
ミナト
レイ
レイの声は静かだった。 静かすぎて、 逆に痛かった。
レイ
ミナトは苦笑いする
ミナト
レイは何も言わない。 ノアの胸の奥がざわつく。 嫌な予感がしていた。 たぶん、 この先を聞いたら戻れない。 それでも、 聞かずにはいられなかった。
ノア
長い沈黙。 レイは煙草を灰皿へ押し潰す。 その音だけが、 妙に大きく響いた。 そして、 レイはゆっくり口を開く。
レイ
ノアの目が揺れる
レイ
レイは壁へ視線を向けたまま続ける
レイ
脳裏に焼き付いている。 血。 雨。 赤いサイレン。 ハルの背中。 レイは少し目を伏せた。
レイ
ミナトが静かにいう。
ミナト
その瞬間。 レイの呼吸が、 ほんの少し乱れた。 ノアは初めて見る。 この男が、 こんな顔をするのを。
レイ
低い声。 ミナトは黙る。 レイは目を閉じた。 そして、 ほとんど掠れた声で言った。
レイ
ノアの息が止まる レイは続けた
レイ
そこで言葉が切れた。 窓の外。 紫色のネオンが、 濡れた街へ滲んでいる。 レイは小さく笑った。 壊れたみたいに。
レイ
レイ
ノアは何も言えなかった。 雨音だけが、 静かに部屋を満たしている。 レイは窓際に立ったまま、 どこも見ていない目をしていた。
レイ
掠れた声。 ノアの眉が寄る。
ノア
ミナトが目を伏せる
レイは続けた
レイ
レイ
脳裏に焼き付いて離れない。 雨の匂い。 赤い血。 崩れ落ちる身体。 それなのに、 ハルは最後までレイを見て笑っていた。 ⸻ 『お前、生きろよ』 ⸻ レイの喉が小さく震える。
レイ
レイ
静かな告白。 誰も動けなかった。 ノアは知らなかった。 レイが組織を抜けた理由。 ハルの死。 そして、 ずっと自分を責め続けていたこと。 ノアはゆっくり立ち上がる。
ノア
レイは反応しない ノアは近づく
ノア
その声は、少し怒っていた
ノア
レイの目が揺れる ノアは続ける。
ノア
レイ
ノア
レイは答えない ノアは舌打ちをする。
ノア
静かな部屋 ミナトも黙って聞いている
ノア
ノア
ノア
レイの呼吸が少し乱れる。 その顔が、 痛いほど苦しそうで。 ノアはたまらなくなる。
ノア
少しだけ声が小さくなる
ノア
レイが目を伏せる その沈黙が、答えだった ノアは笑う。 困ったみたいに
ノア
ノア
その瞬間。 レイがほんの少しだけ吹き出した。 本当に少しだけ。 でも、 ノアは初めて見た。 この男が、 過去を話したあとに笑うのを。 ミナトは静かに目を細める。
ミナト
ミナト
ノアは眉を寄せる
ノア
ミナト
ミナトは立ち上がる。 濡れたサングラスをかけ直し、 玄関へ向かう。
ミナト
ノア
ミナト
ドアを開ける直前、 ミナトは振り返った。 その目が、 少しだけ真面目になる。
ミナト
部屋の空気が変わる
ミナト
レイの目が細くなる ミナトは小さく笑った
ミナト
ミナト
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コメント
1件
うわ……第5話、読ませていただきました。レイの過去がついに明かされる形、すごく重くて苦しかったです。「生かされたんだろ」ってノアが言ったところ、じんと来ましたね。あの台詞で初めてレイが少しだけ吹き出すところ、絶妙でした。最後のミナトの「次は誰か死ぬよ」でまた空気が一変して、続きが気になって仕方ないです…。レイが一人で抱え込む癖、憎たらしいけど愛おしいです。良かったです。