惺蘭
来てくれてありがとう。
惺蘭
俿珠(じず)。
俿珠
河炉が噛まれたって?
蘭葵
昨日の夜、一人であいつが出掛けたんだ。
俿珠
一人で?
俿珠
河炉が?
俿珠
珍しいね。
俿珠
で、河炉は何処?
惺蘭
こっちよ。
俿珠
そんなに深く噛まれてない
俿珠
それに、毒が弱かったから自我を完全に失う心配は
ないな。
ないな。
俿珠
でも、どうなるかわからない。
俿珠
気を抜くな。
惺蘭
わかった。
惺蘭
ありがとう。
俿珠
念の為、泊まっていくよ。
惺蘭
ありがとう。
蘭葵
俺、監視行ってきます。
惺蘭
行ってらっしゃい。
惺蘭
気をつけて。
蘭葵
はい。
翌日
蘭葵は訓練中
惺蘭
朝から偉いわね。
蘭葵
...。
惺蘭
蘭葵?
惺蘭
蘭葵が無視なんて、珍しいわね。(心)
惺蘭
蘭葵!
蘭葵は木刀を振り続ける
惺蘭
蘭葵!
惺蘭
蘭葵!!
惺蘭が蘭葵の手を止める
蘭葵
ッ?!!
惺蘭
さっきからずっと呼んでたのよ。
蘭葵
すみません。
惺蘭
大丈夫?
蘭葵
はい。
惺蘭
何かあったらすぐに言うのよ。
惺蘭
一人で抱えないで。
蘭葵
ありがとうございます。
数ヶ月後
河炉
蘭葵...。
蘭葵
河炉。
蘭葵
どうだ?
蘭葵
良くなったか?
河炉
お前は、我慢をできるか?
蘭葵
我慢?
蘭葵
まぁ、できるけど。
河炉
俺、どうしたらいい。
蘭葵
どうした?
蘭葵
何かあるのか?
河炉
俺がもし、自我を保てなくなったら。
河炉
お前はどうする。
蘭葵
お前を拘束する。
河炉
殺さないのか?
蘭葵
まだ希望のある者を殺すのはいやだ。
蘭葵
それに、そうはさせない。
惺蘭
2人とも、もう遅いわよ。
惺蘭
今日は寝なさい。
河炉
惺蘭様。
河炉
貴女は、俺をどうしますか
惺蘭
どうするって?
河炉
ヴッ
河炉
ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ア゙ア゙ッッ!
惺蘭
ッ?!
蘭葵
惺蘭様!!!
河炉
ヴゥ゙ゥ゙...
蘭葵
河炉...ッ
蘭葵
やめろッ...
河炉は蘭葵の首を噛んでいる
河炉
ヴゥ゙ゥ゙ゥ゙...
蘭葵
河炉...
惺蘭
蘭葵!!!
惺蘭
河炉!やめなさい!!
惺蘭
河炉!
プツッ
惺蘭
俿珠!?
俿珠
今すぐ蘭葵の傷口を濡れた布で強く抑えるんだ!
惺蘭
蘭葵!
惺蘭
聞こえる?
蘭葵
惺ッ...惺蘭ッ...さッ...様ッ...
惺蘭
大丈夫よ。
惺蘭
何とかなるから大丈夫。
蘭葵
河ッ...河炉ッ...はッ...
惺蘭
俿珠が何とかしてくれる。
蘭葵
ガハッ...
惺蘭
俿珠!!
惺蘭
毒の回りが早い!
俿珠
ッ...深く噛まれたか。
俿珠
蘭葵、自分で毒の回りを遅められるか?
蘭葵
ヴッ...
蘭葵
ヴゥ゙...
蘭葵
ア゙ァ゙ァ゙ァ゙...
俿珠
蘭葵、聞こえるか?
蘭葵
ヴッ...
俿珠
俺がわかるか?
蘭葵
俿...珠...
蘭葵
河炉...は...
俿珠
もう大丈夫。
俿珠
だが。
俿珠
あいつの毒が、全部お前の体内に移った。
蘭葵
俺の...体に...
俿珠
悪いが、しばらくはッ
蘭葵
俺の刀は。
俿珠
刀?
俿珠
なんで刀を?
蘭葵
どこにある。
俿珠
お前、まさか。
蘭葵
だったら何。