1年前
病気の症状が出たのはこの時からだった
でも、私はバスケ部の練習で忙しく
それに伴ってなった風邪だと思って 病院には行かなかった
中学初めてのバスケの試合中
これまで体験したことのない ひどい頭痛に襲われた
バスケ部員(女子)
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体に力が入らなくなり 試合中なのに立てなくなった
バスケ部員(女子)
どんどん周りの声が聞こえなくなって
ズキズキしているのか
ガンガンしているのか
どうやって表したら いいかわからなかった
痛い
苦しい
ぼうっとする意識の中 力を振り絞って叫んだ
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それを聞いた部員の子達は急いで男バスの方に行ってお兄ちゃんを呼んできた
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私の兄、夕日hrは男バスで 違うコートで試合をしていた
私が倒れたのを聞いて急いで走ってきた
だけど、どんどん遠くなっていく意識の中で返事をすることはできなかった
遠くで聞こえるサイレンの音をもとに
私の手にパスされた ボールは手をすり抜けた
再び目を覚ました時一番早く 目に入るのは白い天井だった
まだ意識が朦朧としている中視線を ずらすと私を見る兄の姿があった
今度はhrくんだけじゃなく 大学2年生のもう1人の兄
夕日nokrこと、no兄もいた
兄2人の苦しそうな顔は小さい時に 両親を失って以来で嫌な予感がする
そしてその予感は的中してしまった
医者
医者から告げられた診断結果
医者
信じられなかった
だって昨日まで普通に生活していた
現実を受け入れない間にも どんどん話は進んでいき
入院するという流れになっていた
当たり前のように知らない ベッドに自分がいて
そしてその上で朝を迎える
そんな事実が信じられなかった
数ヶ月後
「先生と話をするから明日は早くいく」
そう言っていたno兄は翌日の朝 全く病室に来なかった
何かあったのか心配で病室を出て 廊下を歩いていた
そうすると、エレベーターの奥で 泣いている兄2人を見つけた
hr
nokr
hr
2人の涙交じりの声は 私の心を容赦なく貫いた
そこでようやく気づいた
私、病気だったんだって
フラフラしたり
頭が痛くなったり
気持ちが悪かったり
そうなるのも風邪ではなく 病気のせいだった
だから家には帰れないし
めんどくさいと思っていた 学校にも行けない
バスケ部の部員と バカみたいな話をすることも
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そう思うと、自分の頬が 濡れてることに気づいた
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信じられないでいた現実が
今更私の心に重くのしかかる
ねぇ、どうして?
なんで私じゃないといけなかったの?
ねぇ、神様いるなら叶えてよ
私の日常を返してくださいッ.......!!
あの後病室に戻り泣いた
シーツはたくさんシミができた
ひとしきり泣いた後
no兄とhrくんがきて
先生が来て
今後の方針と治療の説明を受けた
そして始まった治療は想像するより とても辛い治療だった
長く伸ばしていた髪の毛は抜け
ご飯は全く食べられない
食べたとしてもすぐに吐く
私のクラスメイトが私のお見舞いに来たいと言っているのはhrくんから聞いた
でも私は弱った私を 見せれなくてそれを拒んだ
治療の効果をあまり感じられないでいると夏が過ぎて秋も過ぎた
病室の窓から見る山が 白く色づいた頃、出た診断結果は 決して良いものではなかった
医者
兄2人が息を呑んだ気配がした
医者
振り払ったはずの予想は
先生の声に乗って 結果として突きつけられた
来年の夏
はっきり言い渡された命の期限
隣でhrくんが泣き崩れた
余命宣告なんてドラマや、漫画の中に 存在するものだと思ってた
でもこれはフィクションなんかじゃない
現実なんだ
追加登場人物
hr
nokr
コメント
5件
見るの遅れました…(泣) no兄達が泣き崩れているシーンがすごい伝わってきて泣きそうになりました! 昔を見ると物語をもっと広くして見れるので嬉しいです🤗❤