※百合
※この物語はフィクションです
私は幸せだ
かれん
はぁ、はぁ…っ
だってドアを開けるといつもそこに
かれん
おはよう!♡
最愛の人が居るから!
タヒ体
…
♡
かれん
あのね…今日はね…卵焼き作ってみたんだ!♡
かれん
ちょっと上手に巻けなかったけど…
タヒ体
…
かれん
…
かれん
ご飯、ここに置いとくね…!♡
たとえそれがタヒ体でも
かれん
それじゃあ…いってきます
愛であることに変わりはない
かれん
いい子で待っててね…♡
かれん
みーちゃん…♡
私は幸せだ
だから絶対に
ゆの
えへへ…急に呼び出してごめんね
絶対に絶対に
かれん
…何?
この幸せを
ゆの
この写真見て?
かれん
…えっ…?…
守らなきゃいけないの
ゆの
あー、その反応!
ゆの
やっぱりそうなんだ!
守らなきゃいけないの
ゆの
みのりさんが行方不明になった原因って…
守らなきゃいけないの
ゆの
かれんちゃんなんだ!
守らなきゃいけないの!!
かれん
(どうにかしないと…)
かれん
(じゃないと無くなっちゃう…!)
私の愛が無くなっちゃう!
♡
かれん
(ここで殺すと確実にバレる…)
かれん
(この状況での最善策は…)
私は酷く冷静にポケットからカッターを取り出した
ゆの
いやーまさかこんな身近なところに犯罪者がいるなんて
彼女は柵にもたれながら話を続けた
かれん
…
私は彼女の喉に向かって鋭い刃を向けた
ゆの
…
彼女は一瞬びっくりしたような顔をした
ゆの
へー…意外と冷静だね。すぐにカッとなって手を上げてくるかと思ったのに
目線を少し落として、呟くように話すその姿は夕焼けによく溶け込んでいた
かれん
…あなたこそ随分冷静ね
彼女はゆったりと顔を上げた
ゆの
ねぇ、かれんちゃん。私はね殺し合いをしたいわけじゃないの
夕日と彼女の顔が重なる
かれん
…
彼女はゆっくりと微笑んだ
ゆの
私ね…
君と協力したいの
かれん
…は?
私は動揺してカッターを落としそうになった
それでも彼女は構わず話続けた
ゆの
私ね…大好きな人がいるの!
ゆの
かれんちゃんならこの気持ち分かるでしょ?
大好きな人を自分だけのものにしたい気持ち
かれん
…
私は感じた
彼女の邪悪な純愛を
私はカッターの刃を閉まった