カレシの浮気日記

今日は記念日だから早く帰って来たのに

ほそがは出迎えてくれなかった

静かに背中を叩いて起こそうとする

だが一向に起きる気配がない

寝顔可愛いなと思ったのも束の間、机に散乱している物を見て手が止まった

無数の錠剤シートと錆びたカッターが散乱して挙句の果てに大量のガーゼや包帯が置いてあった

気になって寝てるほそがの腕を見ると

沢山の傷が残っていた

日記帳の紙は血まみれになっていて字も読めなくなっている

俺は急いで止血をして包帯で巻いた

俺はただ抱き締める事しか出来なかった

しばらく見ないうちに痩せこけた身体

そして目の下にある酷いクマ

俺は愛する人が追い詰められているのを理解するのが遅かったと後悔した

そう言って半ば強引に俺の部屋に連れていった

俺はずっと溜めてた思いを全て吐き出した

真剣に話を聞いてくれた恋人はその後すぐに俺の事を抱きしめてくれた

かたかたと震えるほそがの手はとても冷たかった

俺はお前に酷い事をしたのにそれでも許してくれるのか？

そんな考えが巡った

そう言って俺達は深く長い口付けをした

それからあいつは浮気をする事は無くなった

今はずっと俺のそばに居てくれてる

お陰で体重もクマも無くなったし

食べる事もできた

やっぱり俺の体はお前に支配されてんだな

これからも

この先も

ずっと愛してね

"なむじゅな"

カレシの浮気日記

ℯ𝓃𝒹