シヴァ
シヴァが黙り込んで目を逸らした。
きっと言い訳を探している。
間髪入れずに声を上げた
どぬく
どぬく
どぬく
どぬく
シヴァ
どぬく
シヴァ
どぬく
シヴァ
シヴァ
シヴァ
俺の考えは正解だった。
シヴァは感染してる。
その病状と原点、データを聞き出したくて
どぬく
シヴァ
シヴァがスっと違うところを見た。
\ガシャンッ!/
途端に響き渡ったのは、ものが割れる痛々しく甲高い音だった。
ヒロ
戻ってみてみれば、蹲るヒロの足元に皿の破片が散乱していた。
のあ
ヒロ
ヒロ
ヒロが微笑む姿は見ていられないほど、苦しく無理をしていることが一目瞭然だ。
俺は直ぐに気がついた。
ヒロ君…お前…
たっつん
たっつん
ヒロ
たっつん
たっつん
黙って俯くこと数秒。
たっつん
ッハハ…っと乾いた笑い声を漏らして顔を上げる
ヒロ
ヒロ
ヒロ
伸びてきた手に触れ──
いや、出来ない。
ヒロの手はものすごく遠くから眺めているように朧気で鮮明ではなかった。
うり
ヒロ
顔は引きつったように笑っている。
声はイタズラをして怒られた子供のように泣いている。
もう何も触れられない。苦しくて、悔しくて、今にも叫びたい感情を抑えていることだけがわかった。
一緒にいたうりには言ってあったようで、悲しそうな顔をしていた。
その手は本当にもう触れられなかった
俺を落ち着かせようと抱きしめて撫でてくれる最愛のうりのことすら、この手では感じられない。
音もなく空気のように通り過ぎる手、感情のように爛々と光る赤い瞳
くぐもった嗚咽だけがその部屋に聞こえていた。
コメント
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やっべぇ、、まじで好きです😢
続き気になる!