テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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アイドライズ

第13話 - 第13話吸血鬼について

623

2024年06月22日

#類愛され

#司類

#冬類

#彰類

#瑞類

#旭類

あかまる🍓🐾໊

ルイ

ふわぁ…

ルイ

ん〜！よく寝た…

ルイ

(あれ、そういえば今日はネネさん起こしに来なかったな…)

ルイ

ま、いいや。広間行こ。

広間

ルイ

(あれっ、なんか皆忙しそう…？)

ネネ

あっ、ルイ様！今朝は起こしにいけなくてすみません！

ルイ

え？あぁ、いえいえ。

ルイ

それより…みんなドタバタしてますが、どうしたんですか？

ツカサ

俺の領地の上空を、悪魔が飛んでいたとの目撃情報が入ってな。

ツカサ

急いで調査に行かなければならなくなったんだ。

ルイ

悪魔？

アキト

兄さーん、荷物先入れとくからなー

ツカサ

ああ、頼む。

ルイ

トウヤさんとアキトさんも行くんですか？

トウヤ

はい。万が一に備えて行かなければなりません。

ツカサ

またルイを置いていくのは気が引けるが…今回は危険で連れて行ってやれないんだ。

ルイ

そうですか……

ツカサ

そんな顔をしないでくれ。行きたくなくなる。

ツカサ

大丈夫。調査が終わり次第、すぐに帰るから。

アキト

でも、場合によっては１ヶ月近く帰れなくなるかもな。

ルイ

え？！

ツカサ

こら！アキト！それは最悪の場合だろう！

アキト

最悪の場合も言っといた方がいいでしょ

ルイ

えっと…どうしても、行かなきゃいけないんですよね？

ツカサ

ああ。

ルイ

…分かりました。皆さん、お気を付けて。

ツカサ

すまんな…すぐ戻る。

アキト

てか、屋敷にルイ置いてって本当に大丈夫なのか？

トウヤ

いくら使用人が優秀だからと…リスクが大きいのでは？

ツカサ

なんだ、お前ら。行きたくないのか？

アキト

ただルイが心配なだけだよ。

ツカサ

ふん、ちゃんと子守り役を呼んでおいたから大丈夫だ。

ツカサ

大っっ変不本意だがな！！奴以外に適任はおらん。

ツカサ

大変不本意だが！！

ルイ

(2回言った…)

ツカサ

だから…ルイ、心配するな。

ルイ

ふふっ、はい。僕は大丈夫ですよ。

ルイ

だから、ツカサさんも心配しないで下さい。

トウヤ

兄様、そろそろ…

ツカサ

あぁ、分かってる。

ルイ

行ってらっしゃいませ。

ルイ

(今日は3人ともいないのか…)

ネネ

ルイ様、朝食はどうしますか？

ルイ

あっ、戴いてもいいですか？

ネネ

かしこまりました。では、食堂へ…

コンコン

ルイ

？

ネネ

あ……

ネネ

どうぞ…

アサヒ

お邪魔しま〜す

ルイ

あっ、アサヒさん？！

アサヒ

ルイくん久しぶり〜

アサヒ

ツカサくんに頼まれて子守りに来たよ。

ルイ

(子守り…)

ネネ

ようこそいらっしゃいました、アサヒ様。

ネネ

えっと…今から朝食ですが、どうなさいますか？

アサヒ

えっ、一緒に食べてもいいの？

ネネ

ツカサ様が、好きにして良いと…

アサヒ

わ〜！！本当？やった！

アサヒ

なら是非戴こうかな♪

食堂

アサヒ

相変わらずルイくんって美味しそうに食べるね。

ルイ

えっ、そうですか？

アサヒ

うん！見てて気持ちいいな〜

ルイ

…

ルイ

あの、ツカサさんの事なんですけど…

アサヒ

おっ、なになに？

ルイ

悪魔が領空を飛んでいて調査に行ったんですよね？

アサヒ

うん、そう聞いたよ。

ルイ

吸血鬼と悪魔って、どんな関係なんですか？

アサヒ

…お〜、なるほどね。

アサヒ

つまり、魔界について知りたいんだね。

ルイ

はい、そうです。

ルイ

こっちで生きていくなら、やはり知っておきたいと思いまして…

アサヒ

うん、気持ちは分かるよ。

アサヒ

そっか…ツカサくんは、何も教えてないんだね。

アサヒ

いいよ〜。教えてあげる。

ルイ

本当ですか？！

アサヒ

うん！確かに知っておいた方がいいかもしれないし！

アサヒ

じゃあまず…吸血鬼についての説明からがいいかな？

ルイ

はい、お願いします！

アサヒ

そもそも吸血鬼は、人間と悪魔が契約して生まれた種族なんだ。

ルイ

！！

ルイ

吸血鬼は元人間って事ですか？

アサヒ

うん、そうだよ。

アサヒ

けど、それは何千年も昔の話だから、俺達にはもう人間の血は流れて無いけどね。

ルイ

なるほど…

アサヒ

ここからは、少し魔界の歴史の話になるよ。

アサヒ

6666年前、吸血鬼がいちばん強かった時代に、悪魔と戦争を始めたんだ。

アサヒ

そして、それが終戦したのは66年後。終戦後、魔界は荒れ果てて、復興にさらに6年かかった。

アサヒ

悪魔と吸血鬼の長は、もう二度とこの惨劇を繰り返さないようにと条約を結んだ。

アサヒ

お互いの領地や政治には干渉しないっていう条約だよ。

アサヒ

この条約を無視するって言うのは、即ち宣戦布告だ。

ルイ

あっ、だからツカサさん達は調査に？

アサヒ

そうそう！下手すれば戦争にもなりうる事だからね。

アサヒ

ルイくんを連れていかなかったのはそれが理由だよ。

ルイ

なるほど…

ルイ

もし、戦争になったらどうなるんですか？

アサヒ

まぁ、魔界は荒れるだろうね。

アサヒ

戦争になったら俺も動かなきゃいけないし、面倒臭いな〜

ルイ

あの、質問続きで申し訳ないんですけど…もし戦争になったら、吸血鬼か悪魔、どっちが勝つと思いますか？

アサヒ

う〜ん……

アサヒ

とりあえず、不利なのは吸血鬼だね。でも勝機が無いわけじゃないから、判断が難しいな。

アサヒ

不安？

ルイ

不安…というか、心配です。

アサヒ

大丈夫だよ〜！もし戦争になったら、ルイくんはツカサくんが守ってくれると思うし。

ルイ

なら、ツカサさんの事は誰が守ってくれるんですか…？

アサヒ

……

アサヒ

それは、俺にツカサくんを守ってくれって事かな？

ルイ

僕じゃ、あの人を守れません。

アサヒ

う〜ん…

アサヒ

ま、その時はその時だよ。まだ戦争って決まったわけじゃないし。

ルイ

…それもそうですね。

アサヒ

他に聞きたいことある？何でも聞いていいよ〜

ルイ

えっと…じゃあ、ツカサさんについて…

アサヒ

うんうん、ツカサくんの何が知りたい？

ルイ

えっと…まずは地位ですかね、

アサヒ

ツカサくんの地位？俺の次だから、吸血鬼の中で上から二番目だよ。

ルイ

えっ？！そんなに高いんですか？

アサヒ

うん、かなり高いよ〜

ルイ

あとは…ツカサさんって、どんな人でしたか？

アサヒ

どんな人だったか？

アサヒ

うーん…とにかく無愛想！笑ったところなんて見た事も無かったかな。

アサヒ

あとは他人に興味が無かったな。髪を切ったり、いつもと全く違う服を着てても気づかないくらいだよ。

ルイ

え、えぇ…？？？

アサヒ

ふふっ、ルイくんは知らないだろうけどね。

ルイ

ええ、まぁ…僕が知ってるツカサさんとは別人ですけど、

アサヒ

だからビックリしたんだよね〜。あのツカサくんが他人に興味を示して、ここまで尽くすなんて…

アサヒ

ルイくん、何かの魔術でも使った？？

ルイ

えっ？？！い、いや！僕は本当に何も…

アサヒ

あははっ、冗談だよ。

ルイ

(本当に、ツカサさんは僕のどこが好きなんだろう…)

ルイ

あっ、そうだ。トウヤさんとアキトさんなんですが…

アサヒ

あ〜、あの二人ね…

アサヒ

なんか…変な感じするよね。どっちも。

ルイ

変な感じ？？

アサヒ

うん。上手く言えないけど、トウヤくんは禍々しくてアキトくんは薄い…って感じがするんだよね。

ルイ

禍々しくて…薄い…？

アサヒ

本当に、ツカサくんはどこで拾って来たんだろうね？

ルイ

(てことは、吸血鬼じゃないのか…？)

アサヒ

いいや、吸血鬼だと思うよ。

ルイ

！

ルイ

(そうだ、上流貴族は心が読めるんだった)

アサヒ

あっ、ごめんね。聞こえてきちゃったから。

ルイ

あ、いや。慣れてきたので大丈夫です。

ルイ

あの、吸血鬼だと思うって言うのは？

アサヒ

あの二人からはちゃんと吸血鬼の気配がするんだ。

アサヒ

だから、吸血鬼であるのは間違い無いと思う。

ルイ

なら、その禍々しいとか、薄いとかって言うのは不思議ですね…

アサヒ

う〜ん、俺も正直不思議なんだよ。

アサヒ

ツカサくんに聞いてみようと思ったけど…何だか、聞いちゃいけない気がしてね。

ルイ

(トウヤさんとアキトさんは普通の吸血鬼じゃない…ってこと？)

アサヒ

ま、俺の気のせいかもしれないからね。気にしないで。

ルイ

あぁ、はぁ…

ルイ

(また分からないことが増えたな…)

領民

ここです！ここで見たんです！

ツカサ

ふむ…なるほど。案内ありがとう。

領民

えっ？？！あ、はい！

領民

で、では失礼します！！

アキト

さっきの領民驚いてたな。

トウヤ

兄様に礼なんて言われると思って無かったんだろうな。

アキト

ま、誰でも驚くだろうな。

アキト

それにしても…兄さん、いつにも増して仏頂面じゃん。

ツカサ

うるさいな。

トウヤ

はぁ、どうせアサヒさんでしょう？

ツカサ

あぁ……アイツに預けたのはいいが、心配で集中できん…！！！

アキト

仕事くらいしろや

トウヤ

お前が言うな。

ツカサ

やはり奴に預けたのは間違いだった…！！帰りたい…！！

アキト

あーもー！じゃあ早く終わらせて帰りましょ！

トウヤ

そうですよ。ほら、調査しますよ。

ツカサ

あぁ……

ツカサ

(ルイは今頃何してるだろうか…アサヒさんと…グッ、考えれば考えるほど帰りたい…！！！)

ツカサ

はぁ…

アキト

おい、トウヤ。アイツ引っ叩いていいか？

トウヤ

あぁ…好きにしろ。

アキト

よし来た

バチンッ

ツカサ

痛っ

アキト

ルイが心配なのは分かるけど、それはルイだって同じだろ。

アキト

さっさと帰んぞ。

ツカサ

…

ツカサ

それもそうだな。よし、俺は上を調べるからお前らは周りを頼む。

トウヤ

了解です。

アキト

はいはーい。

バサッバサッ

ツカサ

ふむ……

ツカサ

悪魔がここを通ったなら気配が残るはずだが…全く感じんな。

ツカサ

見間違えたのか…？

ツカサ

いや、それとも…

ツカサ

……

ツカサ

…嫌な予感がする、

アキト

ここに来んのも久しぶりだな。

トウヤ

そうか？最後に来たのも30年前だろう？

アキト

あー、そうだっけ？

アキト

つっても、悪魔の気配なんか感じねーぞ。

トウヤ

あぁ、それはさっきから思っていた。

トウヤ

領民が見間違えたのだろうか？

アキト

あー、でっかい魔物と間違えた可能性はあるな。

アキト

ま、何もないに越したことはねーし、早めに帰れそうだな。

トウヤ

そうだな…あ、兄様が降りてきてるな。

アキト

上にも何も無かったんじゃね？

バサッバサッ

トウヤ

兄様！

アキト

こっちは何も感じなかったぞ。

ツカサ

ああ…やはり、そうか。

トウヤ

魔物と見間違えたのかもしれません。

アキト

ま、もう少し確認したら帰りましょ

ツカサ

さっきの領民を連れてこい。

アキト

え？

ツカサ

聞きたい事があるんだ。

トウヤ

わ、分かりました…

トウヤ

連れて来ましたけど…

領民

な、なんですか？

ツカサ

アキト、抑えておけ。

アキト

え？

ツカサ

お前は、ここで悪魔を見たのか？

領民

は、はい！そうです！

領民

確かに見ました！あそこの上空を羽音を立ててバサバサと…！

ツカサ

(酷い焦りと、恐怖と、嘘の匂い…)

ツカサ

お前、俺を誰だと思ってる？俺に嘘がつけると思ったのか？

領民

ﾋｯ

ツカサ

悪魔を見たのは嘘だろう。目的はなんだ？吐けば命くらいは許してやろう。

トウヤ

嘘…？

領民

ﾋｯ、ﾋｪｯ…！！

領民

はっ、離せ！！！

アキト

うおっ！？急に暴れんな！！

ツカサ

無駄だ。力の差を考えろ。

ツカサ

言えば命は助けてやると言ってるんだ。

領民

いっ、言えない…ｯ！！！

領民

処刑でも何でもして下さい！ただ、私は絶対に何も言いません！！

(言ったらアイツらに家族が殺される…！！)

(だったら、ここで私一人が死んだ方がマシだ！！)

ツカサ

…

ツカサ

お前は、俺よりその『アイツら』の方が強いと思っているのか？

領民

えっ？

ツカサ

大丈夫、俺の方が『アイツら』より強い。教えてくれれば、お前の家族は俺が守ろう。

領民

ぁ……あぁ…

ツカサ

嘘をついて俺たちを呼んだ理由はなんだ？

領民

う"っ……うぅ"ｯ…

領民

も"っ、申し訳ありませんでした…！！

領民

急に…私の家に、野盗がやって来たんです。

領民

それも10人で…私達は為す術なく、捕まってしまいました。

領民

しかし、狙いはどうやら私達では無かったようで…私に、『家族を殺されたくなければ領主をおびき出せ』と…命令して来たんです、

ツカサ

(悲しみと申し訳なさ、後悔の匂い…)

ツカサ

どうやら、今の話は嘘では無いみたいだな。

領民

はい…！本当に、申し訳ありません…！！

領民

きっとアイツらは領主様の屋敷へ向かっているだけでなく、人質までとっているかもしれません。

トウヤ

人質？

領民

奴らは言ってました。『領主は最近新しいお気に入りを連れているらしい』と。

ツカサ

む、ルイの事か…？

アキト

どこでそんな情報…

トウヤ

まぁ、何にせよ屋敷に帰った方がいいですね。

ツカサ

あぁ、そうだな。

領民

……あの、私が言うのも何ですが、もっと焦るものじゃないんですか？野盗が自分の屋敷にいて、人質をとってるかもしれないなど…

ツカサ

焦るも何もな…

アキト

屋敷には護衛もいることだし。

トウヤ

むしろ野盗が心配です。

領民

え、えぇ？？

ツカサ

そうだ。お前の家族はどこにいる？

領民

あっ、わ、私の家に…野盗と一緒にいます。

ツカサ

なら、アキトとトウヤで行ってやれ。

ツカサ

片付いたら屋敷に戻ってこい。俺は先に戻ってる。

トウヤ

分かりました。

アキト

了解ー

トウヤ

家まで案内お願いします。

領民

はｯ、はい！こちらです…！！

ツカサ

(さて、先に屋敷に帰るとするか。)

一方その頃

アサヒ

チェスって面白いね〜！

ルイ

ふふ、でしょう？

アサヒ

いいなぁ〜、これ自分でも作って家でもやろっかな。

アサヒ

次ルイくんに会う時には勝てるくらい練習しとくよ！

ルイ

ふふっ、楽しみにしてます。

𝐍𝐞𝐱𝐭

アイドライズ

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今回アサヒさんとルイくんの会話シーン多くて好きだ…😌😌そして可愛い🫰

野盗さん君はコンクリートで私に殴られるかアン◯ンチされるかどちらがいいかね…？（殺意Max）あさひさんと類の話してる場面とっても好きです〜😊今回も面白かったです！

あかまる🍓🐾໊

プロフィール

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