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➰ ✿ nrkr
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りおん
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みかんのかんずめ
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コメント
1件
ふぅ…読み終わりました。 この重い空気が、じわじわ来る感じ、すごく好きです。 こさめが「まにき、怒ってないかな」って言うところ、すごく切なかった。 自分が置いて行かれた側なのに、相手を気遣うって、優しすぎるよ…。 一方で、いるまが「先生になる側」って言葉を聞いて俯くシーン、胸が痛かった。 「昨日までそっちにいたのに」って、その一言に全部が詰まってる。 それでも、こさめがいるまの気配を感じるシーンは、ちゃんと二人が繋がってるんだなって思わせてくれて、 その距離がもう戻れないものになり始めてるのが、すごく怖くて、でも美しいと思いました。 すち先生の「今はこれしか守る方法がない」って言葉も、重すぎる…。 #35、本当に良い話ですね。 更新、待ってます。
朝。
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いるまがいなくなってから二日目。
病室に残された二人の間には、ぽっかりとあいた場所があった。
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こさめはベットに座ったまま、膝を抱える。
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その時、扉が開いた。
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すちは二人の顔を見てから、視線を逸らす。
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それ以上、こさめは聞かなかった。
けれど、すちは気づいていた。
その「そっか」の奥に、疑いが少しずつ積もっていることを。
一方。
研究区域。
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机の上には、沢山の薬品の資料。
実験器具の扱い方。
身体データの記録方法。
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すちは資料を一枚めくる。
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いるまの手が止まった。
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いるまは資料を閉じた。
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すちは小さく頷く。
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その言葉に、いるまは少しだけ顔を上げた。
けれど____
研究室の奥から、別の研究員が声をかける。
研究員
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研究員
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その言葉に、いるまの表情が固まった。
研究員
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研究員
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すちを見る。
すちは何も言わない。
研究員
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研究員
その、言葉が、妙に重く響いた。
研究員
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その呼び名に、いるまは俯いた。
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研究員
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研究員
研究員が離れていく。
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すちは答えられなかった。
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小さく笑う。
けれど、その笑顔はどこか寂しかった。
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すちは目を伏せる。
その言葉を聞いて、胸が痛んだ。
昔の自分と同じだった。
何もわからないまま白衣を着て。
なにが正解かもわからないまま、研究を覚えて。
気付けば、戻れない立場になっていた。
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すちは言葉を止める。
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いるまには、その意味がわからなかった。
そして____
その日の午後。
研究区域の扉が開く。
研究員
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研究員
渡されたカードには、
『研究者見習い』
その文字があった。
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いるまはカードを受け取る。
それを見つめながら、小さく呟いた。
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その瞬間。
遠く離れた患者区域で、こさめがふと顔を上げた。
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白い壁を挟んで。
二人の世界は、少しずつ離れていった。
そしてその距離は_____
もう、簡単には戻せないものになり始めていた。