君の涙を拭うのは

花火大会当日

(着ました)

夜

ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ

ｶﾞﾁｬ

桃ちゃん浴衣着てきたん!?

カッコええ…///

反応かわよ…

着てきてよかった…

橙side

(ベランダから見てると思ってください)

この時間がずっと続けばいいのに

でも、この花火と一緒で

楽しい時間は一瞬で消えてしまう

花火を見上げる桃ちゃんも綺麗…

しっかり目に焼き付けておこう

間近で見れるのもあと少しだから…

桃side

花火を見上げながら

最近の橙のことを思い出す

夏休みになってから

いつもより涙脆くなったし

力なく寂しげに笑う顔にも

少し違和感を覚えていた

まるで何かを隠しているかのように

その違和感に触れようともしたけれど

橙の性格からして

よっぽどの事がない限り

隠し事はしないっていう

あの約束を破るなんて思えないから

どうしても言えないことなんじゃ ないかって

そう考えると聞くのが怖くて

何も言えずにいた

ふと横を見ると目が合って

恥ずかしいのか花火に視線を移す橙

その横顔には やっぱりどこか影があって

もう逃げるのはやめようと

本音でぶつかり合おうと

そう思った

照れてる橙が

笑ってる橙が

1番可愛くて好きだ

ｸﾞｲｯ

ｷﾞｭｯ