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美咲

サラ、次の講義ごめんけど代返頼まれてくれない?

美咲

午後からカレシが会いたいって聞かなくて…

白井 紗良

うん、全然いいよ!

白井 紗良

私だってノートたまに見せてもらってるし!

ねえねえサラ、ちょっと相談なんだけど…

今日の授業終わったら、彼女に渡すプレゼントの買い物に一緒についてきてもらっていい?

白井 紗良

大丈夫大丈夫!

白井 紗良

付き合って1年記念だし、バレンタイン近いもんね!

白井 紗良

協力するよ!

美咲

ありがとう!!

本当にサラは俺たちの天使だ!

ああ、サラの白いコートから、だんだん白い羽が生えて来てる気がする…!

白井 紗良

律、そんな大袈裟なーw

黒瀬 美月

黒瀬 美月

…ねえ、通れないんだけど

美咲

ひっ…!

美咲

黒瀬さん…

悪かったよ…

2人が塞いでいた通路を空けると会釈して美月は通り過ぎて行った。

美咲

…あまり大きな声で言えないけどさ

美咲

黒瀬さんって話しかけづらいよね

…ああ…

いつも黒尽くめのパンクスタイル?で

口数も少ないしなんだかいつも不機嫌そうだし

危ない連中と付き合ってるって聞いたことあるぞ俺

噂によると、言い寄ってきた男がどんどん行方不明になってるんだろ?

美咲

うわー何それ

美咲

絶対ヤバいやつじゃん!

白井 紗良

…あまり人の事を悪く言っちゃダメだよ?

美咲

サラってばお人好しなんだから…

…ま、人を差別しないところがサラのいいところなんだけどね

白井 紗良

ほら、そんなことより次の講義の移動するよ!

黒瀬 美月

ねえ沙良

黒瀬 美月

明日の放課後、いつもの店にいい?

白井 紗良

うんわかった!

白井 紗良

いつもの時間ね!

白井 紗良

あー、今日も疲れたー!

白井 紗良

美月もお疲れ様!

私がドリンクバーのグラスを掲げると美月もそれに続いて

チン、と二つのグラスがぶつかる。

黒瀬 美月

…うん、ありがとう

白井 紗良

んじゃ、これグループ学習のノートね!

お気に入りのアイスコーヒーを飲み干し、傍のノートを渡す。

黒瀬 美月

…いつもごめんね

白井 紗良

全く、美月の人見知りは昔から変わらないんだから…

白井 紗良

単位に関わるって言うのに、教室の隅で地蔵になってるんだから重症だよねー

白井 紗良

両親が居ないとはいえ、成績が落ちちゃうと奨学金が貰えるかも危なくなっちゃうんだよ?

黒瀬 美月

美月は申し訳なさそうにうな垂れてしまった。

白井 紗良

ま、私の勧め、というかわがままで私と同じ大学に通うことになったんだから

白井 紗良

だから協力できることは協力するって決めてるんだから、気にしないでよ!

向かいに座る友達の肩を元気付ける為にバンバンと叩いた。

黒瀬 美月

ごめんね、すぐに書き写すから

白井 紗良

ほら、また謝るー

黒瀬 美月

…ごめ、あ…

気まずそうにいつものメロンソーダを一口すすって、ノートを写す作業を始めた。

私はそれを微笑ましく見守ることにする。

…ああそうだ、ここで夕ご飯も済ませてしまおう。

白井 紗良

ご飯頼むけど、パスタで良かったよね?

黒瀬 美月

うん、ありがとう!

ノートを写す友の代わりに店員を呼び、注文をした。

白井 紗良

…そういえばさ

白井 紗良

この前言ってた人とはどうなった?

黒瀬 美月

…っ!!?

急に話を振られて驚いたようで、口に含んだパスタを目を白黒させて飲み込む。

黒瀬 美月

いきなりびっくりさせないでよ…

白井 紗良

いやー、久しぶりにいい人に出会えた!って言ってたから気になってさー

白井 紗良

どう?調子!

黒瀬 美月

うーん…

黒瀬 美月

黒瀬 美月

紗良にだから言えることなんだけど、ね

黒瀬 美月

…しつこくホテルに誘われて困ってるの

白井 紗良

…そうなんだ…

悪い虫がなるべく付かないように、パンク系の辛めのファッションを美月に勧めているせいか

たまにこんな輩が湧いてくるから目が離せない。

白井 紗良

うーん…

白井 紗良

嫌な時ははっきり「嫌」って言った方がいいと思うよ?

黒瀬 美月

…でも…

黒瀬 美月

デート自体、断ると向こうは不機嫌になるんだよね…

白井 紗良

…そりゃあねー

白井 紗良

罪悪感を感じさせて「嫌」って言わせないなんてよくある手段だし

白井 紗良

そもそも遊び慣れてる人って、断られても「こんなひどいやつなんてモノにできなくても別に構わない」って開き直るとか

白井 紗良

自分のプライドを守る方法はたくさん知ってるんだから、不機嫌になることなんて気にしなくてもいいよ

黒瀬 美月

白井 紗良

ま、美月優しいもんね

白井 紗良

気にするなって言う方が無理があるか

白井 紗良

大丈夫大丈夫!

白井 紗良

毅然とした態度をとってれば!

…そう、美月は綺麗で優しい心を持ったままでいい。

…後は私がやる。

適当なことを言って美月の彼氏に近づいて

相手のポッケにドラッグでも忍ばせた後に警察に通報すれば

あとは勝手に警察達が社会的に抹殺してくれるもの。

社交的で品行方正な私を警察が疑った試しはないし、これからも支障なく暮らしていける自信はある。

黒瀬 美月

…うん…

黒瀬 美月

わかった、話聞いてくれてありがとう!

黒瀬 美月

さすが私の親友!

白井 紗良

うんうん、これからもなんでも相談して!

白井 紗良

白井 紗良

あ、そうだこれ友チョコ!

白井 紗良

…じゃーん!美月の分は特別にマカロン焼いて来たんだ!

黒瀬 美月

うわー…ありがとう!

黒瀬 美月

これからもずっと友達だよ!

ああ、周囲に美月の噂を吹聴して孤立させているおかげで

美月は今でも私だけを信用し、慕ってくれている。

…でも安心して。

あなたを傷つけようとする人間、立ち塞がる障壁は全部、私が排除してあげる。

あなたは私だけを見ていればいいの。

いつまでも私だけの天使で居てくれればいいの。

美月がずっと私の元にいてくれるのなら…

私は「悪魔」と罵られても構わないのだから。

#TELLER文芸部

テーマ:白黒

お題:冬にまつわるタグを一つ以上入れること

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コメント

22

ユーザー
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白井さんの束縛度合いがヤバイですね。 黒瀬さんはマインドコントロール下に置かれていますね。 花音さんはこの手の作品が本当にお上手👏👏👏👏

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