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主
主
主
主
主
青
桃
朝のチャイムが鳴り終わってから五分。 教室の空気がすこし落ち着きはじめたころ、ひとりの転校生が担任に連れられて入ってきた。
てぃーちゃー☆
青髪がさらりと額に落ち 無駄がない立ち姿。
青
青
クラスのあちこちから
モ(使い回し)
モ(使い回し)
なんて声が上がるが威風は 気にもせずクラスを見渡す その時だった
青
一番後ろの窓際。 机に突っ伏したまま、完全に寝落ちしている男子がひとり。
てぃーちゃー☆
担任が苦笑しながら言う
てぃーちゃー☆
クラスが笑いで包まれる中、威風はただその寝顔から目を離せなかった
青
紹介が終わり、自席に向かう途中でも、威風の視線は何度もそちらへ吸い寄せられた。ないこは微動だにしない。
桃
青
青
そう思った自分に、威風は少しだけ驚いた。転校初日、興味を惹かれる相手が“起きてすらいない奴”だなんて、予想していなかったから。
キーン⤵︎ ︎コーン⤵︎ ︎カーン⤵︎ ︎コーン⤴︎⤴︎
青
昼休み。 午前中の授業が終わると同時に、教室はいつも通りの賑やかな空気に包まれた。
ないこは机に突っ伏したままぼんやりと弁当袋を開けていた。寝癖がまだ少し残っていて、彼自身は気付いていない。
桃
青
そんなないこの前で、影が1つ 静かに止まる
青
桃
顔を上げると、転校生?が立っていた。 近くで見ると、思った以上に整った顔立ちで、きちんと結ばれたネクタイが どこか涼しげだ。
桃
ないこが目を瞬かせると、威風は少しだけ困ったように笑った。
青
青
意外なほど丁寧な声。 ないこは慌てて姿勢を直すが、弁当袋が机から落ちそうになり、あわてて両手でキャッチする。
桃
桃
青
桃
青
桃
耳がゆっくり赤くなる。 威風は言ったあと少しだけ目をそらし、乾いた咳をごまかすようにひとつ。
青
青
桃
威風の横顔は昼休みの窓の光を受けて、どこか遠くの世界の人みたいに見えた。
青
桃
初めての会話は、ただそれだけなのに。 昼休みのざわめきよりも、自分の心臓の音の方がずっと大きく響いていた。
廊下の窓から差し込む夕陽で教室が赤く染まる頃、ないこは鞄を肩にかけながら大きく伸びをした。
桃
まだ朝の寝不足が尾を引いているらしい。 すると、教室の後ろで静かにノートを閉じる音がした。
青
振り向けば、威風が片付けをしていた。 その手元には分厚い数学の問題集。ページを開いたまま眉を寄せている。
桃
青
桃
桃
青
桃
青
桃
青
桃
ーーカタン
俺のすぐ隣の席の椅子が音を立てて引かれた。 振り向く前に、視界の端に影が落ちる。
青
桃
さっきまで机の近くにいたはずの威風が、いつの間にか俺のすぐ隣に立っていた。
桃
威風は俺の驚きを楽しむように、わざと机に片手を置き、身体ごと距離を詰めてきた。まるで逃げ道を塞ぐみたいに。
青
桃
青
そう言って、威風は俺の前髪にそっと触れた。 軽く指先で撫でるだけなのに、廊下のざわめきより心臓の音がうるさくなる。
桃
青
一瞬だけ、威風の顔が近づく。 耳元すれすれで囁く声は、思わず背筋が震えるほど低い。
青
桃
桃
まっすぐ向けられた双眸に、胸がきゅっと掴まれる。 逃げたいのに逃げられない、けれど嫌じゃない距離。
青
桃
桃
威風はその一言だけ残して離れた。 けれど離れた後も、頬の熱と心拍だけは全然戻らなかった。
主
主
主
主
主
主
主
主
主