億泰
おはよー…
康一
おはよう億泰くん!……えっ?!
仗助
おー億泰、おはよ…って
仗助
どうしたんだその頬?!真っ赤じゃあねーか、誰かにやられたのか?
康一
結構赤く腫れてるけど、何かあったの?!
億泰
(…こんなに優しく心配してくれる奴が、自分だけのために頑張ってるなんて思えねぇ)
仗助
どこのどいつかは知らねーが、ぶっ飛ばさなきゃな…
康一
お、落ち着いて仗助くん!
康一
……ねぇ、億泰くんはその頬、誰にやられたの?言いたくないなら言わなくてもいいよ
億泰
……兄貴にやられた
仗助
兄貴って……
康一
形兆さんと?まさか大喧嘩したの?
億泰
ならもっと傷が多いはずだぜ
仗助
えーっと、ならどうしたんだ?
億泰
まぁ話せば少し長くなるんだけどよ…
仗助
はぁ?!形兆の野郎そんな事言いやがったのかッ!?
億泰
おう…けど、俺バンドやめたくねぇ
康一
形兆さん、やっぱりバンドで何かあったのかな
仗助
んー…よく分からねぇが、億泰の兄貴をどうするかも考えねぇとな
康一
とりあえず頬のは後で保健室に行ったらいいと思うよ
億泰
おう…ありがとうよ
放課後
鈴美の音楽スタジオ
仗助
とりあえず、億泰はバンドをやめたって嘘をついてくれ
億泰
う、嘘?
仗助
んー……でもやっぱりダメかもな
康一
バンドをやめたと言っても、信じられるかなぁ
露伴
確かに、何か証明しなければならないぞ
仗助
証明……か
シーザー
ならいい方法があるぞ
仗助
シーザーさん!
億泰
兄貴…
形兆
なんだ、億泰
億泰
あの……これ
億泰は自分のギターを折ったのを形兆に見せた
形兆
…まだ新しいが、使い慣れてる……お前の使っていたギターか
億泰
俺…兄貴の言う通りバンドやめてきた
億泰
こ、これでいいんだよな?
形兆
あぁ……それでいい、それがいいんだ
形兆
馬鹿なお前でもやればできるじゃあないか
形兆
後でそのギターは捨てておく、今日はテメーの好きな甘口カレーだ
億泰
やったぁ!兄貴ありがとー!
億泰
……………………
億泰
(これでいいんだよな…シーザーさん)
数時間前
億泰
え、ギターを折る?!
シーザー
とは言っても、偽装のな
シーザー
今日は俺のギターを友人に点検してもらっていてな、だからあまり使ってないギターを持ってきた
シーザー
とりあえずこれを、折れ
億泰
え、えぇ?!それは流石に迷惑かけちゃいますって!
仗助
何万するんだ……このギター
億泰
やめろ仗助ッ!考えさせるな!
康一
で、でもシーザーさんいいんですか?
露伴
これは面白い……漫画のネタになりそうだ
仗助
するな馬鹿野郎ッ!!!
シーザー
とりあえずいいんだ、他にもギターは何本かあるし
シーザー
これくらい気にする事はない、ほら、思いっきり折れ!
億泰
え、えぇー……
億泰
(ほんと……シーザーさんには申し訳ねぇぜ)
形兆
億泰、手が止まってるが…食わねぇのか?
億泰
え?あ、食べるぜ…ごめん
形兆
一々謝るな
億泰
分かった……あ、そうだ兄貴
億泰
代わりに俺、部活やろうと思ってるんだよ
形兆
部活?
億泰
おう、前から誘われていてさ
億泰
野球部なんだけどよ
形兆
野球か、確かにそれなら良さそうだな
形兆
それなら帰りは遅くなりそうだし…また晩御飯の時間を遅らせておこう
億泰
ありがとう兄貴!
億泰
(ごめん…兄貴、全部嘘で)
億泰
(初めて俺、兄貴にこんな嘘ついたかもしれねぇ)
康一の部屋
康一
んー!勉強終わった〜!
康一
えーと今何時……え?!もう9時?!
康一
ま、まずいッ!今日花京院さんと久しぶりのリモートだった〜ッ!
パソコンを開き、急いでリモートを表示した
花京院
『あ、康一くんこんばんは』
康一
こ、こんばんは…!すみません勉強に熱中しちゃってて
花京院
『ふふ、勉強熱心なのはいい事だよ』
花京院
『それに僕もついさっきinしたんだ、ゲームに熱中しててね』
康一
あ、もしかして前呟いていた『吸血鬼の運命』ですか?
花京院
『そうそう、ストーリーが凝っていて面白いんだ、昔ながらのゲームなんだけどやっぱり名作はやってみるとハマっちゃうからね』
康一
確かバトル系ですよね?吸血鬼を倒していく…あれBGM僕好きなんですよ!
花京院
『分かってくれるかい康一くん!ふふ、こうやって語れる子は中々居ないから楽しいなぁ』
花京院
『って、ゲームの話になっちゃったね』
康一
あははー、でも僕花京院さんとゲームの話とかするの楽しいです!
康一
共感し合えるのはとても素敵だと思いますし
花京院
『確かにその通りだ、なのに僕の友人と来たら…』
康一
それって、承太郎さんですか?
花京院
『ん?あぁ、…そっか、バンドやってるしもう知られてるか』
花京院
『こっちのアカウントはあまり承太郎の事というか、名前は伏せてたからね』
花京院
『向こうは隠しても隠しきれないから…もちろん個人情報を調べる輩はなぎ倒してるけど』
康一
(あ、相変わらずおっかないなぁ……)
花京院
『にしても、康一くんはバンド組まないのかい?』
康一
へっ?!い、いや僕は…
花京院
『康一はドラム上手いし、高校生とは思えないほどだ、実力はあるし』
花京院
『せっかくだから僕の知り合いに頼んで良さそうなところとか…』
康一
だ、大丈夫…です!
花京院
『そうかい?なら良いが』
康一
はい、僕にも…大切な仲間ができたんで
花京院
『………そうか、康一くんにも出来たんだな』
花京院
『なら、楽しみにしてるよ、ライブはいつだい?僕も同行する』
康一
は、はやいですよそんな、まだバンドは少ししか経ってないんで!
花京院
『あははっ、少しからかっただけだよ』
康一
んもー……!
花京院
『けど、バンドを組んだのなら大変だと思うよ…僕もそうだった』
花京院
『自分は完璧だと思っても、何かが実際足りなかったりする』
花京院
『大変だと思うけど、頑張って』
康一
ありがとうございます!
そしてこの後1時間ほど話は弾んだ
康一
……完璧だと思っても…何かが足りない、か
康一
(確かに今の僕は上出来だと思ってる、皆にも合わせられるし、シーザーさんも褒めてくれる…)
康一
(けど、シーザーさんはドラムじゃあないから実際細かいところは分からないかもしれない)
康一
………………それなら
シーザー
康一
シーザーさん、夜遅くに失礼します
少し相談があるのですがよろしいでしょうか?、明日でも構いません
少し相談があるのですがよろしいでしょうか?、明日でも構いません
シーザー
大丈夫だ、相談はなんだ?
康一
相談なんですが、僕のドラムの演奏を鍛えてくれませんか
続く