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柏木 桜子

私だけ違う部屋なんて…

柏木 桜子

気になって眠れない…

柏木 桜子

あの2人…
どんな会話するのかな?

柏木 桜子

柏木 桜子

隣の部屋から
こっそり聞いちゃお!

北野 照彦

〜〜〜

日比野 楓

〜〜〜

柏木 桜子

よく聞こえないなぁ…

北野 照彦

桜子ちゃんの
どこが好きなんだ?

北野 照彦

俺は〜

柏木 桜子

!?

北野君!?なんて話題を…!!

日比野 楓

うーん

北野 照彦

ほら、出て来ないだろ?

柏木 桜子

そうよね…

日比野が私の事…

好きな訳ないし…

日比野 楓

人間味がある所かな?

え?

日比野 楓

柏木さんは…
怒ったり、笑ったり

日比野 楓

情が厚かったり、
拗ねたり、尖ったり…

日比野 楓

傷付いたり…

日比野 楓

とても…人間らしくて

日比野 楓

日比野 楓

好きだな

柏木 桜子

っっっー!!

えっ?えっ?

今の何?

好き?

好きって?へ?

ほ、ほほ、本当に?

北野 照彦

〜〜!!

日比野 楓

〜!

柏木 桜子

ん?騒がしい…

北野 照彦

ぎゃあああ!!
出たぁぁ!!

日比野 楓

確保!!

ドダンッ!!

柏木 桜子

!?

柏木 桜子

日比野っ!!

柏木 桜子

今の音は何!!!?

日比野 楓

彼女が…幽霊の正体

柏木 桜子

柏木 桜子

…ぇ

日比野 楓

話して下さい…

日比野 楓

由香里さん…

柏木 由香里

柏木 桜子

う、嘘…
何で由香里ちゃんが?

北野 照彦

信じられん…!

柏木 由香里

柏木 由香里

何で…分かったの?

日比野 楓

最初にこの部屋を
見せてくれた時…

日比野 楓

『物音がした』と
言いましたよね?

日比野 楓

俺が『どんな音』か
尋ねたら…

日比野 楓

由香里さんは…
『足音』と答えた

柏木 由香里

柏木 桜子

それの…
どこが変なの?

日比野 楓

足音なら最初から
『足音』と言うだろ?

日比野 楓

わざわざ遠回しに
『物音』なんて
言わないよ…

柏木 桜子

日比野 楓

そこまで詳しく
聞かれると思わなかった

日比野 楓

だから、その場で
咄嗟に答えた…

日比野 楓

違いますか?

柏木 由香里

柏木 由香里

理由はそれだけ?

日比野 楓

試してみたんです…

日比野 楓

だから

日比野 楓

今日は
北野君を連れて来ました

北野 照彦

!?へ?

日比野 楓

北野君が来れば…
必ず幹也さんに伝わるから

柏木 桜子

柏木 桜子

どういう事?

日比野 楓

由香里さんが
幽霊のフリまでして

日比野 楓

叶えたかった事…

日比野 楓

それは

日比野 楓

自分がこの家から
出る事…だよ

柏木 桜子

!?

柏木 由香里

お願い…

柏木 由香里

幹也さんには言わないで

柏木 桜子

由香里ちゃん…?

柏木 由香里

柏木 由香里

嫌だったの…
この家で終わる事が…

柏木 桜子

っ…!

柏木 由香里

将来…幹也さんは
この家の婿養子になる…

柏木 由香里

そしたら私っ…!

柏木 由香里

ずっとこの家から
出られない…!!

柏木 由香里

外の世界を
何も知らないまま…

柏木 由香里

この家で
平凡に暮していく…

柏木 由香里

そんなの
嫌だったのよ!!

柏木 桜子

柏木 桜子

日比野 楓

心霊現象を起こせば…

日比野 楓

幹也さんは
婿に来ないと思った…?

柏木 由香里

柏木 由香里

幹也さんに…

柏木 由香里

連れ出して欲しかった

柏木 由香里

『こんな不吉な家には
婿には行けない』って…

柏木 由香里

『君がお嫁に来て欲しい』
って…

柏木 由香里

言って貰いたかった…

北野 照彦

なんだよ…それ

柏木 桜子

…北野君

日比野 楓

北野 照彦

…この件は

北野 照彦

兄には秘密にしておきます

北野 照彦

兄は…

北野 照彦

由香里さんを…
本気で愛しているから

柏木 由香里

北野 照彦

それじゃあ…
僕は帰るよ

それから

北野君は迎えの車を呼んで 家に帰った…

日比野と私は

遅い時間と 次の日が土曜日という事もあり

由香里ちゃんの家に 泊まる事にした…。

次の日の朝

由香里ちゃんは

何事も無かったかのように

一緒に朝ごはんを食べて

雑談をして

終始…笑顔だった 。

日比野 楓

朝ごはん…
美味しかったね

日比野 楓

白飯、焼き魚
味噌汁、お漬物…

日比野 楓

まさに、
理想の朝ごはん…

日比野 楓

丼物じゃなくて
感動したよ

柏木 桜子

なんで?

日比野 楓

ん?

柏木 桜子

何で由香里ちゃんも
日比野も…

柏木 桜子

普通にして
いられるの?

日比野 楓

…うーん

日比野 楓

そんなに考え込む程の
事件じゃないから

柏木 桜子

は!?

日比野 楓

俺が思うに…

日比野 楓

由香里さんは
そういう人…なんだよ

柏木 桜子

そういう…人?

日比野 楓

もし、今…

日比野 楓

由香里さんを嫁に貰いたい
男性が現れたら…

日比野 楓

彼女はすぐに
幹也さんを捨てて

日比野 楓

その男性と結婚するよ

柏木 桜子

!?

柏木 桜子

由香里ちゃんは
そんな子じゃない!

日比野 楓

うん…

日比野 楓

きっと、悪気は無いんだ…

日比野 楓

由香里さんは
お城に閉じ込められた
お姫様みたいに…

日比野 楓

「ときめき」が
欲しかっただけ

柏木 桜子

柏木 桜子

柏木 桜子

私…

柏木 桜子

この階段が好きだった…

日比野 楓

え?

柏木 桜子

登るのは苦しいけど

柏木 桜子

登れば街が見渡せて…
気持ちが良くて…

柏木 桜子

それに

柏木 桜子

由香里ちゃんは
一人っ子だから

柏木 桜子

将来は家を継いで、
幹也さんと一緒に
仕事が出来る…

柏木 桜子

でも、私は末っ子だから

柏木 桜子

いつかは家を出て、
お嫁に行くの…

日比野 楓

柏木 桜子

柏木 桜子

由香里ちゃんが
『平凡』と言った日常は

柏木 桜子

私が欲しかった日常よ

日比野 楓

『どうやら
幸福というものは
ひどく平凡な事の
中にある』

柏木 桜子

日比野…?

日比野 楓

平穏…平凡…
それが一番の幸せだよ

日比野 楓

無い物ねだり…だけど

柏木 桜子

柏木 桜子

もしかして
慰めてくれてる?

日比野 楓

さてね

柏木 桜子

私…

柏木 桜子

柏木 桜子

日比野が好きよ

日比野 楓

えっ!?

柏木 桜子

なーんてね!

日比野 楓

柏木 桜子

あ!驚いた顔っ!

柏木 桜子

あははっ

日比野 楓

驚いた…

日比野 楓

すごく驚いたよ…

日比野 楓

急に冗談を言うのは
やめてくれよ…

柏木 桜子

ふふっ

柏木 桜子

ばーかっ!

でも

ありがとう

fin

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