若井
ねーえー、ごめんってー。
大森
…ウルサイ。ワカイキライ。
若井
なんでカタコト!
Playが終わって正気に戻るこの時間がぼくは苦手だ。 またもや、若井の前で醜態を晒したぼくは布団を被って羞恥心に震えていた。 若井は布団ごとぼくを抱きしめながら、少しふざけながら謝ってくる。
大森
…えっちな事は駄目って言ったのに!
若井
大丈夫!あれはえっちな事じゃないから!
若井
生理的な現象だから!
トイレ行くみたいなもんだから!
トイレ行くみたいなもんだから!
そんな訳あるか!と反論しようとして、慌てて口を噤む。 そんな訳はないけど、そんな訳ないならじゃあ一体なんなんだと言う事になってしまう。
大森
てか、若井は…嫌じゃないの…?
若井
なにが?
大森
その…ぼくの触ったり…
若井
全然?おれは元貴のえっちは姿が見れてめちゃくちゃ満足してる!
大森
…やっぱりえっちな事なんじゃんか!
若井
間違えた!今のなし!
若井はぼくが怒ってると思ってるけど、本当は怒ってる訳じゃない。 布団に潜ってるのは、若井と顔を合わせるのが恥ずかしいからで、怒ったふりをしてるのは、恥ずかしいのを誤魔化す為。 そして今は、若井の口からPlayに満足出来ていると聞けて、嬉しい気持ちでいっぱいだった。
…若井が満足してくれるなら、少しだけならえっちな事してもいいよ。
と、思った事は、調子に乗りそうだから絶対に言わないけどね。
若井
元貴ってばー。
若井
そろそろ機嫌直して出て来てよー。
若井
出てこないとキスしちゃうよー!
キスってなんだよ! 陽キャめ…!
大森
…なにその脅し。
ぼくは不機嫌そうな顔を作って、布団から顔を出す。
若井
お!出てきた!
若井
元貴、今日頑張ってくれてありがとうね。
そう言って、若井はぼくの目を見ながら優しく頭を撫でてきた。
若井
うぇ?!なんで!
ぼくはまた布団に潜った。
いつもの若井のようでいつもの若井じゃない。 Playの時とも違う、甘い雰囲気の若井とのこの時間が…
ぼくはすごく苦手だ。