天気の良い朝。
ベッドのシーツやタンスの中を綺麗にし、出て行く準備をした。
俺は、A国のスパイだ。
2年ほど前にA国の総領から「我々国の情報を手に入れて来い」と言われていた。
そして、今日はA国に情報を渡しに行く日だ。
トントン
我々国の情報が入っているパソコンなどを鞄に詰め、窓から飛び降りようとすると──
???
低く、愛おしい声が聞こえた。
でも、この声は聞きたくなかった。
トントン
グルッペン
我々国の総領、グルッペン・フューラーだ。
グルッペン
グルッペン
トントン
トントン
グルッペン
グルッペン
トントン
グルッペン
グルッペンの言う通りだ。
いつの間にか、窓際にゾムが居た。
グルッペン
トントン
グルッペンは少し考え、ゾムにこう言った。
グルッペン
ゾム
ゾムが部屋から出て、グルッペンがまた口を開いた。
グルッペン
トントン
俺はグルッペンと付き合っていた。
グルッペンに告白され、我々国の情報を手に入れる良い機会だ、と思いOKした。
俺はA国のスパイで、我々国の皆との関係は嘘だった...
いつの間にか、涙が出てきた。
グルッペン
トントン
グルッペンは、優しく俺の頭を撫でてくれた。
“俺は裏切り者なのに”
グルッペン
グルッペンは、俺の頭を撫でながらこう言った。
グルッペン
苦しい?俺が?
トントン
グルッペン
グルッペンは俺が2年間スパイをしている事を知っていた。
トントン
トントン
俺の頭の中を、嫌な記憶が過った。
A国の幹部たちに虐められた事。
ろくな仕事に有り付けなかった事...
皆を裏切るのに、心が痛んだ事。
グルッペン
グルッペンが何を言っているのか、意味が分からなかった。
トントン
グルッペン
グルッペンが言っている事は当たっていた。
俺は、我々国に入ってから“泣けなかった”
A国に居るときは、毎日のように泣いていた。
だが、我々国に来てからは泣けなかった。
我々国の皆が優しすぎた。
トントン
トントン
トントン
グルッペン
トントン
グルッペン
トントン
グルッペン
グルッペン
グルッペン
低く、優しい声でグルッペンは俺の名を呼んだ。
グルッペンは俺がA国のスパイだと知っていて、わざと我々国の幹部にした。
我々国は、他の国と違って平和な国だった。
俺は、この国が好きだった。
いや...この国が大好きだ。
トントン
グルッペン
グルッペン
グルッペン
コメント
18件
ああああああああ好き!(突然の告白)
やっぱりグルちゃんは、優しいな😊 続き待ってます。 あと、沢山投稿していただいてありがとうございます。ストーリー作るの大変かと思いますが、頑張って下さい★応援してます。
ぞっ、続編があるの~(゜ロ゜; えっ、楽しみすぎて夜しか眠れない。てか、二日連続であげてくれて嬉しい\(^^)/ 続編待ってます(^-^ゞ