TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

春野 初華

海だ〜!

永野 陽夏

ひっろぉ!私1番のり〜!

橘 翔湊

あー!お前ずるいぞ!待て!

瀬見 英太

お前ら遠く行きすぎんなよ

春野 初華

英太くん保護者みたい笑

瀬見 英太

手のかかる同い年がいるからな

春野 初華

え〜、可愛いじゃんはしゃいでるの笑

瀬見 英太

まぁな

春野 初華

英太くんも行こうよ

瀬見 英太

だな、せっかく来たしはしゃぐか

修学旅行最終日

12月の海は寒いイメージがあるけど、沖縄の海は水温が20度以上あるらしい

濡れてもいいジャンパーの下に厚手のウェットスーツを着て、私たちは海に入る

瀬見 英太

思ってたより割と暖かいな

春野 初華

ね、12月なのに不思議

永野 陽夏

瀬見〜

瀬見 英太

ん?

バシャっ

春野 初華

瀬見 英太

なっ!?

永野 陽夏

いえーい!命中!!

橘 翔湊

英太やられてやんのー!

瀬見 英太

お前らなぁ…!

春野 初華

(すんごい思いっきりかけられてた)

瀬見 英太

覚悟しろ!初華行くぞ!

春野 初華

え!あ!うん!!

永野 陽夏

初華味方に付けるのはずるいー!

瀬見 英太

2対2だからな!覚悟しろ!

橘 翔湊

行くぞ陽夏!

永野 陽夏

手加減しないからねー!

入院していた頃と大違いだ

真っ青な空と海に挟まれて

大好きな友達に囲まれて

この私が笑ってるんだ

作り笑いをして、嘘の仮面をかぶっていた頃の私とは違う

目の前の景色がキラキラと輝いて見える

春野 初華

あははっ、楽しー!笑

橘 翔湊

なーなー!見ろよこれ!

翔湊くんがリュックの中から持ってきたのは、百均とかに売ってる水鉄砲だ

橘 翔湊

今日のために持ってきたんだぜ!

橘 翔湊

みんなでやろうぜ!

永野 陽夏

ないすじゃん!

瀬見 英太

おー!いいなぁ!

瀬見 英太

春野 初華

瀬見 英太

初華、運動あんまり出来ないって言ってたけど大丈夫か?なんか怪我がどうチャラって…(ボソッ)

英太くんはそっと耳打ちをしてきた

春野 初華

あ、それは大丈夫だよ

春野 初華

水遊び程度なら平気!

瀬見 英太

なら良かったわ

耳打ちからの至近距離での笑顔

笑顔が太陽に反射してより綺麗な顔立ちに見える

春野 初華

(好きな人の不意打ち笑顔は…)

春野 初華

し、心臓に悪いっ…!

瀬見 英太

えっ?!

春野 初華

な、なんでもない!!

私は火照った顔を両手で隠して後ずさる

瀬見 英太

(なんだよその反応…かわいい…)

瀬見 英太

……?!

瀬見 英太

(はぁぁぁ?!俺は変態か!)

春野 初華

??

春野 初華

(英太くんが一人で何かを考えて頭振ってる…)

春野 初華

(どうしたんだろ…?)

永野 陽夏

瀬見!初華!何してんのー?!

永野 陽夏

早くやろー!

春野 初華

う、うん!

瀬見 英太

おう!

そして、しばらく水鉄砲やらバケツやらでヒートアップしていって

気づけば水は腰あたりまで来ていた

そんなこと気にも止めず、ひたすらにはしゃいでいた

後ろから迫る大きな波にも気づかずに

ザブンっ

なんの前触れもなく、私は波にさらわれた

びっくりした拍子に口を開けてしまって沢山のあぶくが上へと上がっていく

春野 初華

(やばっ…!)

慌てて口を両手で抑える

春野 初華

春野 初華

(綺麗…)

水中の中に広がっていたのは、色とりどりのサンゴ礁と小魚たち

泳げないのだから、のんびりに眺めてる暇は無い

けれど、あまりにも見とれてしまって、息が苦しいのも恐怖も吹っ飛んで

英太くんと見たい

なんて呑気に妄想までしてる

水が光に反射してキラキラと輝いて

小魚がその光に反射して不規則に泳ぐ

春野 初華

(カメラ持ってくればよかった)

春野 初華

(いや、でも水の中じゃ壊れちゃうか)

春野 初華

(海の中ってこんなに綺麗なんだなぁ)

海に入ることはもう出来ないと思っていた

私が生きている間に夏はもう来ないから

1秒でも長く、この美しい景色を目に焼き付けたい

視界の端でチッと何かが白く光った

オマケに眠たくなってきて、開けていたはずの瞼が落ちてくる

春野 初華

(あれ…おかしいな…)

体にもだんだん力が入ってこなくなってきて

初めて、危機感を覚えた

春野 初華

(溺れっ死ぬっ…!)

ガシッ

不意に、体を強く引き寄せられて、水面へと向かっていく

ザバっ

春野 初華

( >д<)、;'.・ ゲホゴホ

瀬見 英太

初華大丈夫か?!

突然の事でよく分からなかった私は息を整えながら目をぱちくり

春野 初華

英太くん…?

水中にいたはずの私の体は、英太くんによってガッチリ支えられていた

瀬見 英太

はー、びっくりした…

瀬見 英太

大波が来たと思ったら初華がいなくなってるから…

泳げないって言ってたし…と、付け足した彼は私の事をギュッと抱きしめた

春野 初華

えっ、えっ?!英太くん?!

びっくりした私は目を白黒させる

春野 初華

(英太くんにっ!?抱きしめられてるの?!私が?!)

春野 初華

(待って待って!何この状況?!)

瀬見 英太

心配したんだからな…

春野 初華

ご、ごめん英太くんっ!!

英太くんのしなっと濡れた髪から水滴が落ちてくる

私はさっきからずっとびっくりとドキドキを繰り返す

春野 初華

(それで?!)

春野 初華

(いつまでこの状況なのですか?!)

春野 初華

(そろそろ心臓がもたないですっ!!)

瀬見 英太

無事でよかっt

瀬見 英太

!!!( ゚д゚)ハッ!!!!

瀬見 英太

わ、悪いっ!

ザブっ

春野 初華

ひゃっ!

瀬見 英太

わっ!すまんっ!

英太くんはやっと状況を理解したらしかったけど、手を離した途端私がまた沈んだ

とっさにまた腕を掴んで助けてくれたけど

瀬見 英太

本当悪いっ!

春野 初華

う、ううん!助けてくれてありがとね!

瀬見 英太

お、おう

永野 陽夏

あー!いた!初華達!

橘 翔湊

ホントか!

春野 初華

陽夏!翔湊くん!

永野 陽夏

大丈夫だった?!

永野 陽夏

結構波大きかったよね!

橘 翔湊

マジびっくりしたな

春野 初華

ごめんみんな…

春野 初華

でも聞いて!めっちゃ綺麗だったの!

永野 陽夏

何が?

春野 初華

サンゴ礁!

春野 初華

小魚も沢山泳いでて、太陽の光がキラキラ水に反射して

橘 翔湊

へぇ、そういうの、リアルなの見たことねぇや

橘 翔湊

見てみてぇなぁ

永野 陽夏

私も見たい!

春野 初華

私ももっかい見たい!

瀬見 英太

えっ…

春野 初華

あーでも、私がいると泳げないから迷惑かけちゃうか…

瀬見 英太

手、離さねぇならいいんじゃね…?

春野 初華

えっ…

春野 初華

(あっ!!!そういう事か!!)

瀬見 英太

あっ、いや別に…俺とじゃなくても

瀬見 英太

永野も泳げるから…

別に陽夏と手を繋いで入るのが嫌なわけじゃない

むしろ、ありがたい気持ちでいっぱいだ

けど、英太くんと繋いだこの手を

離したくない

永野 陽夏

ごめ〜ん、私泳げるけどいざって時は男の方が力あるから瀬見のほうがいいんじゃない?

春野 初華

陽夏…?

瀬見 英太

それもそうだよな…

瀬見 英太

俺でもいいか?初華

春野 初華

うん!全然っ!むしろありがとう!!

チラッと陽夏を見るとパチッとウインクで返された

春野 初華

(やっぱりわざとだったんだ…!)

飛行機内

海で沢山泳いではしゃいで

連日の疲れが出たのか、飛行機の中は静まり返っていた

ほとんどの人が寝ていて、たまに寝言や寝息が聞こえる

隣の陽夏もぐっすり眠っていて、夜中に撮られた仕返しに1枚写真を撮る

春野 初華

(陽夏の寝顔可愛い……)

そっと後ろを覗くと、英太くんと翔湊くんもお互いに頭を預け合いながら寝ていた

春野 初華

(めっちゃ仲良しだ…笑)

春野 初華

(こっちも撮っとこ…)

春野 初華

✧p📷qω•,,´)パシャ✧

春野 初華

(英太くんも翔湊くんも、やっぱり綺麗な顔立ちしてるなぁ)

春野 初華

(寝顔までイケメンとかずるい…)

春野 初華

(私はしおり書いちゃうおうかな!)

担任の先生から次の登校日までに修学旅行の感想をしおりに書くように課題が出ていたのを思い出して、私はリュックの中からしおりを取り出す

春野 初華

(私も3泊4日疲れたけど、もう終わっちゃうのは少し寂しいなぁ)

春野 初華

(思えば修学旅行中、結構色んなことあったし…)

春野 初華

(陽夏と翔湊くんが付き合ったキッカケをしれたり、英太くんに対して恋してることもしれた)

春野 初華

(お揃いのオルゴールも作れたし、キャンプファイヤーで初めて告白されちゃったり)

思い出せば思い出すほど

心外にも悲しくなってしまう

春野 初華

(あれっ…おかしいな)

悲しくないって思ったばっかりなのに

皆に好かれてる私はちゃんと幸せなのに

今にも涙が溢れだしそうで

皆を起こさないように静かに鼻をすするしかない

春野 初華

(いやいやいや…)

春野 初華

(今泣くような事ないよっ…)

1人が寂しい事は知ってる

楽しかった後の帰り道が切ないのも知ってる

だからこそ

悲しいのな

どんなに一緒にいたって、最期は皆1人だ

1人で死んでいく

周りに看取られようが、同じ時刻に死のうが

死ぬのは自分だ

死ぬことを共有することは出来ない

死んだあとは何も出来ない

感じることも出来ない

私は死ぬ事が1番怖かった

でも

春野 初華

(…私、死ぬことよりも怖いこと、分かった…)

私が怖いのは、死んだ後だ

死んだ後、皆のことを思い出せなくなることの方がよっぽど怖い

楽しかった思い出も、一緒に共有した時間も

全部思い出せなくなってしまうのが怖い

まだ、残された時間はあるのに

お別れはまだだよ

いつもはポジティブに考えることが出来る方だと思う

落ち込んだり、ショックを受けたりしても、少しすれば前向きに考えることが出来る

ただごく稀に

悲しくて悲しくてしょうがない時

どうしようもなくなって思いっきり泣いてしまうことがある

でも、それは今である必要は無い

でも涙のダムは決壊しかけで、一筋、二筋と涙が伝う

やだ、死にたくない

ダメだよ、これ考え出したら負のループになっちゃうじゃん

大丈夫、私は生きる

最後まで楽しく笑顔で

春野 初華

無理だよっ…!

瀬見 英太

……………ん

瀬見 英太

初華…?

ビクッ

春野 初華

(やばいっ)

私は慌てて涙を拭って笑顔を作る

春野 初華

あ、英太くん起きた?

瀬見 英太

おう…

瀬見 英太

なんかお前目の周り赤くね?

瀬見 英太

泣いたのか…?

英太くんは肩に頭を預けたままの翔湊くんを起こさないように小声で問いかけてくる

春野 初華

えっ、違う違う!

春野 初華

眠たくて目こすったせいかな?

瀬見 英太

まだ着くまでに時間あるし、寝たらどうだ?

春野 初華

んー、どうしようかな〜

春野 初華

英太くんと話してたらちょっと目冴えたかも

春野 初華

英太くんももう1回寝る?

瀬見 英太

んぁ、どうしよっかな

瀬見 英太

しおりに感想書かないといけないだろ?

春野 初華

あっ、うん!私も今書いてたところなんだった

瀬見 英太

あれ、帰ってからやるのめんどいからやっちまおうかな

瀬見 英太

あーでも翔湊この状態じゃ動かせねぇか

翔湊くんはまだ気持ちよさそうに眠ったままだ

瀬見 英太

起こすのも可哀想だし、しばらく待ってるわ

春野 初華

そっか

瀬見 英太

な、初華

春野 初華

?なに?

瀬見 英太

修学旅行楽しかったか?

春野 初華

うん!すっごく!

春野 初華

皆と過ごせて楽しかったよ!

瀬見 英太

だよな〜

瀬見 英太

だからこそ、帰り道ってちょっと寂しくなるよな

春野 初華

!……うん…

瀬見 英太

だから、初華さえ良ければ…

春野 初華

瀬見 英太

学校着くまでの残りの時間、一緒に話してくれねぇ?

春野 初華

…!

春野 初華

(英太くんは本当、優しいな…)

私が泣いていたことには気づいていたのかな

それが分かっていたのかいなかったのか分からないけど

君の理由も聞かずに励ましてくれるそんなところ

春野 初華

(私、大好きだな)

春野 初華

うん!私も話したい!

瀬見 英太

サンキュな!

君の笑顔1つで

悲しい気持ちもネガティブな思考も

全部吹っ飛んで

心の中が温かくなる

𝐍𝐞𝐱𝐭…♡200

ぬっし

タップお疲れ様です!

ぬっし

修学旅行編無事終わりました!!

春野 初華

楽しかった!

ぬっし

それは良かった!!

ぬっし

ぬっしも修学旅行12月の頭に行ったんですけど、本当疲れてバスとか新幹線爆睡でしたよ‪🤣‬

春野 初華

修学旅行楽しいけど疲れるよね〜

ぬっし

うんうん、しおりの感想も見開き1ページ書かされて地獄でしたね😇

春野 初華

見開き1ページ…!!

ぬっし

そんで今日さ、瀬見さんがメインの夢見ちゃってさ〜、色んな世界線混ざっててめちゃくちゃだったんだけどね

春野 初華

えー!

ぬっし

白鳥沢の皆も出てきたんだよね〜!しかも修学旅行中!微妙に怖いシーンもあったんだけど凄かった!

ぬっし

だからもうこれはこっちのお話書けってことだよな〜って思って頑張った😋

春野 初華

こっちの投稿しばらく滞ってたもんね

ぬっし

うっ、ごめん…、なんかこっちずっとスランプハマったまんまでさ😭

ぬっし

だから今回モチベのためにハートを少し欲張ってしまった…
押してくれると嬉しいな…

ぬっし

次回はクリスマスです!現実世界ではもうすぐバレンタインですかね、皆さんあげる相手は決まってますか?
主は手作りするか非常に迷ってます😅‪‪

ぬっし

まぁそんなこんなで今回はここまで

ぬっし

それではまた次回!

君と春を迎えられたなら

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

20,196

コメント

23

ユーザー

初見です!! 一気見させていただきました!! まじで語彙力ハンパねえし内容神ってて面白いです!! 大好きです😢←え?

ユーザー

1話から読みました!最高 ♡の数凄い👏

ユーザー
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚