春野 初華
永野 陽夏
橘 翔湊
瀬見 英太
春野 初華
瀬見 英太
春野 初華
瀬見 英太
春野 初華
瀬見 英太
修学旅行最終日
12月の海は寒いイメージがあるけど、沖縄の海は水温が20度以上あるらしい
濡れてもいいジャンパーの下に厚手のウェットスーツを着て、私たちは海に入る
瀬見 英太
春野 初華
永野 陽夏
瀬見 英太
バシャっ
春野 初華
瀬見 英太
永野 陽夏
橘 翔湊
瀬見 英太
春野 初華
瀬見 英太
春野 初華
永野 陽夏
瀬見 英太
橘 翔湊
永野 陽夏
入院していた頃と大違いだ
真っ青な空と海に挟まれて
大好きな友達に囲まれて
この私が笑ってるんだ
作り笑いをして、嘘の仮面をかぶっていた頃の私とは違う
目の前の景色がキラキラと輝いて見える
春野 初華
橘 翔湊
翔湊くんがリュックの中から持ってきたのは、百均とかに売ってる水鉄砲だ
橘 翔湊
橘 翔湊
永野 陽夏
瀬見 英太
瀬見 英太
春野 初華
瀬見 英太
英太くんはそっと耳打ちをしてきた
春野 初華
春野 初華
瀬見 英太
耳打ちからの至近距離での笑顔
笑顔が太陽に反射してより綺麗な顔立ちに見える
春野 初華
春野 初華
瀬見 英太
春野 初華
私は火照った顔を両手で隠して後ずさる
瀬見 英太
瀬見 英太
瀬見 英太
春野 初華
春野 初華
春野 初華
永野 陽夏
永野 陽夏
春野 初華
瀬見 英太
そして、しばらく水鉄砲やらバケツやらでヒートアップしていって
気づけば水は腰あたりまで来ていた
そんなこと気にも止めず、ひたすらにはしゃいでいた
後ろから迫る大きな波にも気づかずに
ザブンっ
なんの前触れもなく、私は波にさらわれた
びっくりした拍子に口を開けてしまって沢山のあぶくが上へと上がっていく
春野 初華
慌てて口を両手で抑える
春野 初華
春野 初華
水中の中に広がっていたのは、色とりどりのサンゴ礁と小魚たち
泳げないのだから、のんびりに眺めてる暇は無い
けれど、あまりにも見とれてしまって、息が苦しいのも恐怖も吹っ飛んで
英太くんと見たい
なんて呑気に妄想までしてる
水が光に反射してキラキラと輝いて
小魚がその光に反射して不規則に泳ぐ
春野 初華
春野 初華
春野 初華
海に入ることはもう出来ないと思っていた
私が生きている間に夏はもう来ないから
1秒でも長く、この美しい景色を目に焼き付けたい
視界の端でチッと何かが白く光った
オマケに眠たくなってきて、開けていたはずの瞼が落ちてくる
春野 初華
体にもだんだん力が入ってこなくなってきて
初めて、危機感を覚えた
春野 初華
ガシッ
不意に、体を強く引き寄せられて、水面へと向かっていく
ザバっ
春野 初華
瀬見 英太
突然の事でよく分からなかった私は息を整えながら目をぱちくり
春野 初華
水中にいたはずの私の体は、英太くんによってガッチリ支えられていた
瀬見 英太
瀬見 英太
泳げないって言ってたし…と、付け足した彼は私の事をギュッと抱きしめた
春野 初華
びっくりした私は目を白黒させる
春野 初華
春野 初華
瀬見 英太
春野 初華
英太くんのしなっと濡れた髪から水滴が落ちてくる
私はさっきからずっとびっくりとドキドキを繰り返す
春野 初華
春野 初華
春野 初華
瀬見 英太
瀬見 英太
瀬見 英太
ザブっ
春野 初華
瀬見 英太
英太くんはやっと状況を理解したらしかったけど、手を離した途端私がまた沈んだ
とっさにまた腕を掴んで助けてくれたけど
瀬見 英太
春野 初華
瀬見 英太
永野 陽夏
橘 翔湊
春野 初華
永野 陽夏
永野 陽夏
橘 翔湊
春野 初華
春野 初華
永野 陽夏
春野 初華
春野 初華
橘 翔湊
橘 翔湊
永野 陽夏
春野 初華
瀬見 英太
春野 初華
瀬見 英太
春野 初華
春野 初華
瀬見 英太
瀬見 英太
別に陽夏と手を繋いで入るのが嫌なわけじゃない
むしろ、ありがたい気持ちでいっぱいだ
けど、英太くんと繋いだこの手を
離したくない
永野 陽夏
春野 初華
瀬見 英太
瀬見 英太
春野 初華
チラッと陽夏を見るとパチッとウインクで返された
春野 初華
飛行機内
海で沢山泳いではしゃいで
連日の疲れが出たのか、飛行機の中は静まり返っていた
ほとんどの人が寝ていて、たまに寝言や寝息が聞こえる
隣の陽夏もぐっすり眠っていて、夜中に撮られた仕返しに1枚写真を撮る
春野 初華
そっと後ろを覗くと、英太くんと翔湊くんもお互いに頭を預け合いながら寝ていた
春野 初華
春野 初華
春野 初華
春野 初華
春野 初華
春野 初華
担任の先生から次の登校日までに修学旅行の感想をしおりに書くように課題が出ていたのを思い出して、私はリュックの中からしおりを取り出す
春野 初華
春野 初華
春野 初華
春野 初華
思い出せば思い出すほど
心外にも悲しくなってしまう
春野 初華
悲しくないって思ったばっかりなのに
皆に好かれてる私はちゃんと幸せなのに
今にも涙が溢れだしそうで
皆を起こさないように静かに鼻をすするしかない
春野 初華
春野 初華
1人が寂しい事は知ってる
楽しかった後の帰り道が切ないのも知ってる
だからこそ
悲しいのな
どんなに一緒にいたって、最期は皆1人だ
1人で死んでいく
周りに看取られようが、同じ時刻に死のうが
死ぬのは自分だ
死ぬことを共有することは出来ない
死んだあとは何も出来ない
感じることも出来ない
私は死ぬ事が1番怖かった
でも
春野 初華
私が怖いのは、死んだ後だ
死んだ後、皆のことを思い出せなくなることの方がよっぽど怖い
楽しかった思い出も、一緒に共有した時間も
全部思い出せなくなってしまうのが怖い
まだ、残された時間はあるのに
お別れはまだだよ
いつもはポジティブに考えることが出来る方だと思う
落ち込んだり、ショックを受けたりしても、少しすれば前向きに考えることが出来る
ただごく稀に
悲しくて悲しくてしょうがない時
どうしようもなくなって思いっきり泣いてしまうことがある
でも、それは今である必要は無い
でも涙のダムは決壊しかけで、一筋、二筋と涙が伝う
やだ、死にたくない
ダメだよ、これ考え出したら負のループになっちゃうじゃん
大丈夫、私は生きる
最後まで楽しく笑顔で
春野 初華
瀬見 英太
瀬見 英太
ビクッ
春野 初華
私は慌てて涙を拭って笑顔を作る
春野 初華
瀬見 英太
瀬見 英太
瀬見 英太
英太くんは肩に頭を預けたままの翔湊くんを起こさないように小声で問いかけてくる
春野 初華
春野 初華
瀬見 英太
春野 初華
春野 初華
春野 初華
瀬見 英太
瀬見 英太
春野 初華
瀬見 英太
瀬見 英太
翔湊くんはまだ気持ちよさそうに眠ったままだ
瀬見 英太
春野 初華
瀬見 英太
春野 初華
瀬見 英太
春野 初華
春野 初華
瀬見 英太
瀬見 英太
春野 初華
瀬見 英太
春野 初華
瀬見 英太
春野 初華
春野 初華
私が泣いていたことには気づいていたのかな
それが分かっていたのかいなかったのか分からないけど
君の理由も聞かずに励ましてくれるそんなところ
春野 初華
春野 初華
瀬見 英太
君の笑顔1つで
悲しい気持ちもネガティブな思考も
全部吹っ飛んで
心の中が温かくなる
𝐍𝐞𝐱𝐭…♡200
ぬっし
ぬっし
春野 初華
ぬっし
ぬっし
春野 初華
ぬっし
春野 初華
ぬっし
春野 初華
ぬっし
ぬっし
春野 初華
ぬっし
ぬっし
押してくれると嬉しいな…
ぬっし
主は手作りするか非常に迷ってます😅
ぬっし
ぬっし