テラーノベル
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サラサラサラ、と慣れた手つきでペンを動かす。 何年も使ってきた万年筆は、癖のあるものだがしっかり使いこなして、今では愛着も湧いてきている。
スイス
スイス
すると目の前にいる患者は少し安堵の表情を浮かべる。
イギリス
アメリカ
アメリカ
スイス
アメリカ
はあ、...とため息を一つついてから、真剣なまなざしで彼に語り掛ける。
スイス
スイス
怪我の部分を指さしながら言うと、アメリカは気まずそうに「わあったよ」とだけ言った。
スイス
アメリカ
スイス
その名前を発した瞬間、 空気が一瞬にして冷え切った。
イギリス
イギリスは懐かしいものを見るかのように目を逸らして虚空を眺める。 医者としての仕事が忙しく、引き取らせた後のソ連とナチスを中々ケア出来ていなかった。
アメリカ
アメリカ
アメリカ
アメリカ
イギリス
イギリスは目線を僕たちに合わせないまま口を開いた。
イギリス
イギリス
イギリス
僕はとりあえず「上手く行っていない」という事実だけを汲み取って、「そうか」とつぶやいた。
アメリカ
アメリカ
また、空気が冷えつく。 僕は黙って耳を傾けた。アメリカもそれに気づいて、僕の返事を待たない儘話を続ける。イギリスはやはり目線を僕たちに合わせず、ただ虚空を見ながら聴き耳だけを立てていた。
アメリカ
アメリカ
アメリカ
アメリカは懐に手を突っ込んだ。 手を突っ込んだ先に、銃がしまわれているのを、僕は知っていた。
アメリカ
アメリカ
「国際裁判」
それが、僕の耳によぎった。
スイス
スイス
スイス
アメリカ
アメリカ
スイス
スイス
ナチスは間違いなくソ連に怒り狂い、 ...ナチスの指揮する枢軸国がソビエトに襲い掛かり ”悪夢”が始まるだろう。
スイス
アメリカ
軽く睨んでやると、アメリカも負けじと睨みつけてくる。
スイス
スイス
スイス
スイス
少し声を張ってみると、アメリカは黙り込んだ。 だけどその目は確実に僕を見下ろして下に見ていた。
イギリス
アメリカは珍しくイギリスにおとなしく従った。 少し荒く診察室のドアを開き、閉める。
僕は書いた紙を切り取り、その紙をなんとなく両手で持つと、斜め上を見上げる。
そして、ずっと昔の事、そしてあの時の”ソ連の顔”を思い浮かべる。
スイス
僕は一旦、そう言い訳をして逃げることにした。
コメント
4件
スイスさんがどう頑張っても、他の国々がどう足掻いても、運命がどう転んでも地獄のような日々が始まるのが目に見える世界なの最高(最低)
ナチスを壊したクソ野郎で笑った
この作品に出てくるアメさんが、とにかく、好きで。 鋭い発言がやたら人の心に土足で入り込むことにはなっちゃってるけど、一言一言がとても刺さる。ありがとうございます。