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それから数時間の間…

とにかくどえらい目にあった。

使用人

あら凄い汗…!💦


うら若き乙女が汗まみれでは殿方に笑われますよぉ

保安官…

うはっ?!

お、お待ちください!

どうして身ぐるみはぐんですか!

使用人

お風呂に入るからに決まってるでしょう?

お召し物つけたまんまじゃちゃ〜んと身体が洗えませんよぉ?

ほらこ〜んなブカブカの格好いつまでも着てちゃ行けません!

保安官…

ま、ままま待って!
じ、自分でできますから!

使用人

まぁそうなの!?偉いですねぇ〜♪

ふふ❤ほーんと柔らかくて可愛いわぁ〜✨

使用人

ちょっと見てエレノア!


この子の髪!!


汗で湿ってたけど洗ったらこーんなにツッヤツヤ!✨

保安官…

ウブ!ぶふぅ!!


だ、誰か助け!

使用人

こぉら!

暴れたらいけません!

ほら隅々までちゃんと洗いますよォ!

と… 美形なる使用人の御二方から 風呂場まで担ぎ込まれた挙句 文字通り散々あちこち 洗われてしまった… あとお風呂きもちよかった…

えらい目とはそれだけにとどまらず… 入浴場から担ぎ上げられた後 身体を拭かれ… 見たこともないほど大きな 衣類の保管場所へ… そして…

使用人

コルセットなしでこんなに腰も細い!


羨ましいわねぇ…!


でも身だしなみだからちゃんとしめますよ!

保安官…

いーだーだーだーだぁぁぁ!!!


こ、これ何かの尋問ですか!?

使用人

あら?尋問なんて難しい言葉よく知ってるわね〜偉い偉い♪

保安官…

いや!そんな手放しに褒めて欲しいとかじゃなくて!!

使用人

暴ーれーちゃいけませんっ!

保安官…

ギュウ!!!

使用人

フゥこれでよし!

あとは、ドレスを選んでちょちょいのチョイ!

使用人

まぁぁ✨


ちょっと見てぇミランダ!

この子やっぱりドレス良く似合うわ!

保安官…

へぁ…きゅぅ…🌀

前世ドレスを着る娘達が 苦しんでる理由がここでわかった… 確かにこれは皆して 苦悶の表情をうかべるわけだ… その後諸々の身の回りの世話をされ… 使用人たちが上機嫌な笑みを浮かべて 私を連れ回した訳だが… その間ずっと新しい身体と 環境に終始四苦八苦する羽目になり… 終わった時には もうヘロヘロになってしまった…

その後案内された部屋は 比喩抜きで凄まじく豪華な調度品等が もうけられている…

保安官…

おぉ……凄い……

ヴィクトリア王室か…?

使用人

ヴィクトリア?

保安官…

あぁいえなんでもないです!

使用人

使用人

私たちは近くで控えてますので

何かあったらちゃんとお姉ちゃん達に言うんですよ!

保安官…

あ、ありがとうございます…

ん?お姉ちゃん…?

使用人

はいお姉ちゃんです!!

何かありましたか!

あぁ… 彼女はそういう趣向所持者 というわけか…

それならこういうのはどうだ?

保安官…

あのぉ…

今日はもう…



ゆっくりお休みしたいです〜


エレノアお姉様ぁ〜

ミランダお姉様ぁ〜


おねがい?

両手を胸の前に添えて 2人の使用人を見上げるように 歩み寄った… なぜこんな所作ができるか…? 前世街の酒場で娼婦の娘たちに散々こうしてたかられたからさ… 無論その度貞操を守る為に誘惑に打ち勝ってきた訳だが…

使用人

💘💘💘ーーッ!!!!!

使用人

💘💘💘ーーッ!!!!!

使用人

お姉ちゃん達いつでも待ってますから!!

使用人

何かあったら呼んで!

いやなにか無くても呼んで!!!

そうして手際よく 就寝用の服装に変えてもらったあと ミランダとエレノアと 呼ばれた使用人たちは 大変機嫌良さそうに お部屋からご退場された…

開放されたと同時に どっと疲労に揉まれて ベッドの上に倒れ込んだ…

保安官…

…無゛理゛…もぅ……死゛ぬ゛…

直後、部屋のドアがノックされる。

出来れば今日はもう 『お世話』されたくないのだが…

保安官…

はい…

皆私の為にやって下さった以上 無下にもできずドアの前まで行く…

???

何かお食事はいかがでしょうか?

そういえばこっちに来てから まだ何も食べてないことに気づく…

が、今は空腹を満たすより 一秒でも早く休みたい気分だ…

保安官…

折角ですが…

今は少しばかり休ませていただけると助かります

???

おんや、ふふふそうかァ…

さすがの保安官殿もいきなりの環境の違いに疲労困憊かぁ〜

!!!!!

この独特な話し方に保安官という呼称…!!

間違いない!!

声を聞いた瞬間 扉を勢いよく開いて 外にいる小憎たらしい声の主を 引っ張り込む!

???

えっ!?ちょ、なになに!?

いきなり豹変したようにどしたん貴殿ーーー!!!

めちゃ重い! だがそれ以上にこんのロクデナシに 問いたださねばならない!

強引に引き込んだあと、扉を閉めて鍵をかける!

保安官…

とんでも無いことしでかしましたね…

そうして目の前の 『天の主の同胞』発言した奴の方へ… ジリジリと近づく。

異様な事態を悟った奴も 一歩一歩と後ろに後退りして…

カミサマモドキ野郎

…あ、あははは…

オレ何かやっちゃいました?

保安官…

ふざけるなドッ畜生💢!

右の腕で目の前の奴の胸ぐらを掴み 左腕は片脚を掴む… そのまま肩でタックルし転倒を狙う!

が!

屈辱的かな 今の体格差によって狙い通りに 事は運ばず… 私は変な体勢で 目の前の野郎に寄りかかるだけに 納まっている!

保安官…

ぐぅぅ!!

おのれ幼いからだとは
これ程まで不便かぁぁ💢

カミサマモドキ野郎

ふっふふふ…!
残念だが以前と同じ力加減は出せない!


それゆえ貴殿の攻撃も
大して痛くないのだよぉ!

こんの面の皮💢💢

ほんと腹立たつ💢

と、ここで私は作戦を切りかえた…

野郎の肩まで登ると同時に 私の二本指を奴の鼻の穴奥深くまで 勢いよく突っ込む…

カミサマモドキ野郎

ぐげっ!?

なぁ!いぎなり何を!

そのまま思い切り 奥へ奥へ指をねじ込み 乱暴に爪を立てて中を引っ掻く💢💢

カミサマモドキ野郎

ちょ…!
ちょっとそれ聞いてな…!

イダダダダ!!

な、なんでそんな発想
できるんだ貴殿!!!

保安官…

やかましい💢💢

仕事上、相手をどう大人しくさせるかはあらかた知ってるんですよこちとら!

本当忌々しい真似してくれましたねぇ…!

これみよがしに整った外見で顔出しやがってぇ💢!

そのまま鼻に突っ込んだ指に力を入れ、ギリギリと締め上げる…!

今は幼い身体だがこれは相当痛いはずだぁぁ…!

カミサマモドキ野郎

いぃぃぃ!

イヒャイイヒャイ!! 


待っへ!ワタヒの話ひを聞いへふへぇ!


痛ぃぃや゛や゛や゛や゛!

保安官…

なんでこんな姿にした?
なんで性別変えた?
ここは一体なんだ?
なんで魔法なんて代物出てくる?


全部納得のいく説明をしろぉぉ💢!

思わず私のお手手が…

怒りの巻き起こり具合に 答えるかのように ドンドンと力が籠っていく…

カミサマモドキ野郎

わぁぁぁ!

分はった分はったぢゃんど話ふ!!


話ふがら指いぃ!

指抜いへふれぇぇぇ!!!

その後強引に引き抜いた結果…

目の前の使用人姿のクソッタレが、

鼻を抑えて地面にかがみ込む…

フフフ、人の身体を弄ぶ輩めいい気味だ…

カミサマモドキ野郎

き…貴殿…

生前の悪党退治してる所も見せてもらったけど…

子どもの姿でも強いって一体何ぃ……


どこんぞの小学生探偵だってこうはならないよぉ…!

また訳の分からん能書きタレやがる…

保安官…

全部話してもらいましょうか…?


ここはどこで…

今の私がどういう状況かまで…

そうして鼻の苦痛が収まったのか、擦りながら立ち上がった。

カミサマモドキ野郎

ふぅぇ…

解った解った…

一からちゃんと丁寧に話すからさ。

そっちの丸テーブル席座って話聞いてくれ。


順番通り説明するとかなり時間食うと思うから…

保安官…

…分かりました。


その前にひとつ、なんでここにいるんですか?

カミサマモドキ野郎

貴殿の事が気になったからちょっと顔出したんだよぉ〜


正直私も、そんな姿になるのは想定外だったから困ってるだろうとも思ってね

保安官…

あ……

…ごめんなさいありがとうございます。

カミサマモドキ野郎

…ブっフw

尋問なんて難しい言葉知ってるの褒められて良かったでちゅね保安官殿www

……

💢💢💢💢💢 コイツ腹立つ 💢💢💢💢💢

カミサマモドキ野郎

さぁさぁ座った座った。

これから神様によるこちらの世界講座始めますよォ〜?

と、一度怒りを収めて野郎の座る席と反対側に腰を下ろす

カミサマモドキ野郎

さて…まずはこの世界の大まかなところから話してこう

それから少しの間…

私はあらゆる説明を耳にしていく…

ガンマンフール・リンカーネーション

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