/s/[storyId]/_components/heading/assets/back_arrow_icon.4081080bcaba67b8.svg){kind=icon}
/s/[storyId]/_containers/report-container/assets/more-icon.20cfac1b79e24f56.svg){kind=icon}
楓
誰もいないみたい
あかり
じゃあ、今ドアを開けてくれたのは？
楓
さぁ…
楓
とにかく助かった
あかり
もしかしたら
あかり
レイナが助けてくれたのかもしれない
楓
まさか
楓
だったらなぜ姿を見せないの？
あかり
それは…
楓
考え込むのはあとにして
楓
とりあえず
楓
安全な場所に身を隠さなきゃ
あかり
その前に
あかり
ちょっと調べたいことがあるんだ
楓
何を調べるの？
あかり
レイナが撒いたパンくずを辿るの。
楓
？
あかり
あった！
あかり
『ヘンゼルとグレーテル』！
楓
しーっ
楓
声が大きい
あかり
ごめん
楓
レイナさんのロッカーに本があったなんて…
楓
全然気づかなかった…
あかり
あっ！
あかり
やっぱり折り目が付いてる
楓
えっ？
あかり
レイナは大事なところを折るのが癖なの
あかり
このページになのか隠されているのかも
あかり
…あっ！
楓
なになに？
あかり
ヘンゼルとグレーテルが家に帰る場面に書き込みが…
あかり
「私なら絶対に帰らない」
レイナ
もしかしたら
レイナ
主人公の幼い兄妹は
レイナ
あのまま森で暮らす方が幸せだったかもしれない
レイナ
現実という名の不安定なボートに
レイナ
必死でしがみつくより
レイナ
いっそ海の底で眠る方がマシだと思うし
レイナ
あかりも一緒に沈んでみる？
あかり
そっかァ
あかり
そういうことなんだ…
楓
ねぇどういうこと？
あかり
レイナはもう戻らないつもりで
あかり
自分から虚無の世界に堕ちたんだよ
楓
！？
ガチャガチャ
あかり
んっ！あれ？
楓
どうしたの？
あかり
屋上へ出るドアが開かない
あかり
さっきは開いたのに…
楓
学級委員長が新しい鍵をかけ直したかも
あかり
屋上にある箱は
あかり
たぶん、虚無の世界に繋がってる！
あかり
だから何としても入らなきゃ！
楓
諦めるしかないよ。
楓
それに虚無の世界に行ったら
楓
どんな機嫌が待ち受けられているか分からないし
あかり
それでもレイナを
あかり
大切な親友を連れ戻したいから！
楓
うん
あかり
そうだ！
あかり
いいこと思いついた！
楓
？
あかり
サエさんが眠ってる箱の隣に
あかり
もう1つ箱があったよね？
楓
えっ
楓
まさか…
楓
本当にやるの？
あかり
もちろん！
あかり
他に方法は無いんだもん
あかり
さえさんと同じように
あかり
私が理科室の箱に入って
あかり
夢の夢の世界へ送られる
あかり
そこで楓さんが無理に起こしてくれたら
あかり
私は虚無の世界に行ける
あかり
どう？
あかり
名案でしょ？
楓
確かにそうだけど
楓
上手くいくかな？
あかり
一か八か
あかり
やってみる価値はあると思う
楓
もし、あかりさんに何かあったら…
あかり
早くしないと
あかり
学級委員長たちに見つけられたら
あかり
それこそ取り返しがつかなくなる
あかり
レイナを救いには
あかり
楓さんの協力が不可欠なの
あかり
だから…お願い！
楓
分かった
楓
ちゃんと起こしてあげるから
楓
私に任せて。
あかり
じゃあ、入るね
楓
うん
あかり
なんか
あかり
さえさんが言った通り
あかり
すぐに眠気が…
あかり
目が…
あかり
勝手に閉じてく…
楓
あかりさん聞こえる？
あかり
…
楓
…
楓
あなたの親友が見つかりますように
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
