高一の夏Aという転校生がやって来た
彼は変わっていた。
自己紹介の時に自分の事は一切話さずクラスメートの顔を見ながら
「家……公園……車…… 病院……エレベーター……」
などと意味不明な事を言い続けた。
当然、教室の空気は最悪… そこでムードメーカーの K美が手鏡を持ちながら
「あたしと付き合ってみない?アンタの運命を変えて差し上げてよ?」
教室はドッと笑いに包まれた。
しかし、Aは
「僕ですら変えられない 運命をお前ごときが…」
せっかくの良い雰囲気を つまらない皮肉でねじ伏せた。
Aはふと窓の方に目を向けた。
すると急に様子が おかしくなり震えだした。
「む、向こうの人達は?一体…」
「B棟のこと?あそこいるのは 全員二年だけど、 それがどうしたの?」
「飛行機………飛行機……飛行機…飛行機飛行機飛行機飛行機飛行機… ヴああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
Aの急変にみんな戸惑った。
K美は持っていた 手鏡をAに投げつけて
「いい加減にしてよ! あんたマジなんなのよ!」
それでもAは、 ただうずくまり震え続けていた。 そして一言
「学校…」
一週間後、Aは学校の踊場から 足を滑らせて死んでしまった。
皆さん…意味がわかりましたか?
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転校生のAはその人物がどこで死ぬのかが分かる。 『飛行機……飛行機…飛行機飛行機飛行機飛行機飛行機飛行機…』 とのことなので、 二年生は修学旅行の飛行機が墜落し、 みんな死んでしまうのだろう。 そして、AはK美が投げた手鏡で 自分の顔を見て、自分の死に場所が『学校』であるとわかってしまった。