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2件

きんにくまんです! ごめんなさい! 赤葦の方はちょっとまとまり切らなかったので!次!!出させてください🙏 こっちは完結済みなので 毎日投稿出来ればしようと思います!
五月の光は
春ほど柔らかくもなく
夏ほど強くもなく
教室の窓際に座る3人の机を
ちょうどいい温度で照らしていた
パンの袋が破れる音
ペットボトルの炭酸が弾ける音
昼休の教室は
騒がしいのにどこか眠たい
矢野透華は購買のあんパンを頬張り言った
矢野
矢野
永井○○はストローを咥えたまま
あっさり答える
○○
○○
○○
1拍
戸塚夜々が顔をしかめる
夜々
夜々
夜々
夜々
矢野
透華が即座にツッコむ
夜々は眉を寄せたまま続ける
夜々
夜々
夜々
矢野
透華は冷静にもう一口パンをかじる
矢野
矢野
視線だけ○○へ向ける
矢野
○○
○○はストローを離し
窓の外を見た
まるで他人事みたいに
別れた理由も
後悔も
そこに置いてない顔だった
夜々が透華のパンを睨む
矢野
矢野
夜々
○○は矢野に視線をやった
○○
○○
○○
矢野
夜々
夜々
夜々
言い合いながらも
夜々の手にあるのはチョコレートだった
○○は見ないフリをしてスマホをいじる
この時間が
1番静かだと思った
その時
教室のドアが控えめに開いた
見知らぬ男子生徒が
ドアのところから顔だけ覗かせる
教室の数人が
ニヤついた空気を共有する
男子生徒が顔を引っ込めた瞬間
○○はストローをくわえ直しえ言った
○○
○○
夜々が即答する
夜々
夜々
夜々
夜々
透華はため息混じりに言う
矢野
○○は立ち上がり
スカートの裾を払った
○○
まるでコンビニに行くみたいな足取りで
教室を出た
昼の中庭
新緑の香り
風に揺れる草の音
男子は緊張で肩を強ばらせていた
あぁ、やっぱり
○○は思う
春の終わりは告白の季節だ
その言葉を聞いた瞬間
OK、と口にしかけた
━━そのとき。
茂みの奥で何かが揺れる
柔らかい銀色の髪がぴょこぴょこ動いている
…は?
見慣れた
ちょっと明るい髪の毛
そしてもうひとつ
低い影
胸奥がスッと冷める
なぜだろう
理由は分からないのに
「違う」と思った
○○は男子に向き直る
○○
○○
少しだけ笑う
○○
○○
○○
男子は驚き
そして小さく頷いた
去っていく背中は
思ったよりまっすぐだった
案外、悪くない人だったかも
少しだけそう思い
○○は腕を組んで茂みを睨む
○○
○○
がさっと草が揺れる
そして顔がでる
澤村
澤村
澤村大地が苦笑する
その横からもう一人
菅原孝支がバツの悪そうな顔をした
菅原
菅原
少し照れたように言う
菅原
菅原
菅原
○○は眉を寄せる
○○
菅原
菅原
○○
菅原
○○は肩を竦める
○○
○○
菅原は笑いながら頭を搔く
菅原
菅原
その言い方が
少しだけ優しくて
少しだけずるい。
○○
間。
菅原は目を丸くし
それから口角を上げた
菅原
菅原
○○
菅原
菅原
菅原
○○
菅原
○○
横で聞いていた澤村が肩を震わせる
澤村
菅原は悪びれせず続ける
菅原
菅原
菅原
菅原
○○
○○
菅原
○○
○○は小さく息を吐いた
笑いそうになるのを
飲み込むみたいに
それからわざとらしく大きなため息
○○
軽く手を振る
○○
澤村は苦笑する
澤村
○○
澤村
○○はもう振り返らない
中庭の石畳を
一定のリズムで歩いていく
五月の風が
スカートの風を揺らす
後ろから菅原の声
菅原
○○
菅原
菅原
○○
少し間を置いて
菅原
○○は手だけあげて
ひらひらと振った
振り返らないまま
その背中を見送りながら
菅原は小さく言った
菅原
菅原
澤村は静かに言った
澤村
澤村
菅原は少しだけ視線を外した
菅原
五月の光が中庭に落ちていた