弘樹
うっ…ぐずっ
飛鳥
また泣いてるの?
弘樹
うぅ…
みんないじめる…
みんないじめる…
飛鳥
私がいるから大丈夫よ
飛鳥
さぁ、帰るわよ?
弘樹
…うん
僕の幼馴染の飛鳥は
同い年の女の子で
カッコよくてしっかり者
いつもイジメられている僕とは
正反対の性格…
僕はそんな飛鳥を 尊敬していた
大きくなれば
僕だって 飛鳥みたいになれる
そう思っていたけれど…
高校2年生
男子
弘樹ー
これやっといて?
これやっといて?
弘樹
…
男子
おい!聞いてる?
弘樹
…わかった
男子
よろしくー!
竜也
ん?何がよろしく?
男子
げっ!竜也!!
竜也
自分の事は
自分でやるよ…な?
自分でやるよ…な?
男子
も、もちろん!!
自分でやりますっ!
自分でやりますっ!
弘樹
…
飛鳥とは 別の高校に行った僕は
変わらない気弱な性格で…
イジメられている
でも
竜也という友人が出来た
彼は…
いつも僕を助けてくれて
飛鳥に似ている
僕はいつまで経っても
守られている兎だ
弘樹
竜也…ありがとう
竜也
良いって事よ!
さ、帰ろうぜ?
さ、帰ろうぜ?
弘樹
…うん
竜也
どっか寄り道する?
弘樹
良いね…
どこに行こうか?
どこに行こうか?
飛鳥
…弘樹っ!
弘樹
飛鳥…!
飛鳥
久しぶりっ!
あれ?お友達?
あれ?お友達?
弘樹
うん!
竜也
あ、あの!
竜也と言います!!
竜也と言います!!
飛鳥
!!
飛鳥
弘樹の事…
よろしくお願いします!
よろしくお願いします!
弘樹
あ、飛鳥…
親じゃないんだから
親じゃないんだから
竜也
いえいえ!!
俺に任せて下さい!
俺に任せて下さい!
弘樹
竜也まで!!
飛鳥
弘樹に友達かぁ…
なんだか嬉しい…
なんだか嬉しい…
弘樹
…飛鳥
竜也
あの…もうすぐ
夏休みですよね?
夏休みですよね?
飛鳥
え?はい…
竜也
俺達と一緒に…
遊びませんか?
遊びませんか?
弘樹
へっ!?
飛鳥
夏休みは塾しかないし…
そうね!!遊ぼ!
そうね!!遊ぼ!
弘樹
はっ!?
こうして
僕達3人は夏休みに
川や海に行った
すごく楽しかった
3人で一緒にいる事が
自然になって…
そのうちに
竜也が飛鳥を 好きになっていくのも…
目の前で感じた
竜也は良い奴だ
きっと
飛鳥を幸せにしてくれる…
竜也
弘樹…
弘樹
ん?
竜也
俺…さ
竜也
飛鳥に告白しても
良いかな?
良いかな?
弘樹
…
弘樹
何で僕に聞くの?
竜也
え、だって…
弘樹
僕は…
弘樹
竜也を応援…するよ
竜也
…弘樹
竜也
…ありがとうな
数日後
飛鳥
弘樹っ!
弘樹
飛鳥…
弘樹
…塾の帰り?
飛鳥
…うん
飛鳥
…竜也君は?
弘樹
今日はバイトだってさ
飛鳥
…そっか
飛鳥
…
弘樹
もうすぐ…
夏休みも終わりだね
夏休みも終わりだね
飛鳥
うん…
飛鳥
楽しかったな…
弘樹
…そうだね
飛鳥
あのね…弘樹
弘樹
ん?
飛鳥
私…
飛鳥
竜也君に告白された
弘樹
…
弘樹
…そう
飛鳥
それで…
飛鳥
OKしようと…思う
弘樹
…うん
弘樹
…良いと思うよ
弘樹
竜也は…良い奴だし
飛鳥
…
飛鳥
…そうね
弘樹
…ぇ
弘樹
飛鳥?
弘樹
どうして泣いているの?
飛鳥
…
飛鳥
私…ね
飛鳥
弘樹に感謝してる…
飛鳥
私が今まで
強く生きられたのは
強く生きられたのは
飛鳥
弘樹の優しさの
おかげだよ?
おかげだよ?
飛鳥
弘樹が…私に
正しい道を教えてくれた
正しい道を教えてくれた
弘樹
そんな事…
飛鳥
貴方は、私の
飛鳥
飛鳥
好きな人でした
弘樹
…っ!
飛鳥
ごめん…
先に帰るね…
先に帰るね…
弘樹
…
僕は飛鳥に手を伸ばしかけて…
やめた
黙って彼女の後ろ姿を
見送る事しか出来なかった
僕の気持ちなんて
夏の生暖かい空気に溶けて…
無くなってしまえ
そんな事を思いながら
ただ…立ち尽くした
fin







