テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

魔法使いは何を唱う?

一覧ページ

「魔法使いは何を唱う?」のメインビジュアル

魔法使いは何を唱う?

18 - 助けてなんて

♥

150

2023年03月06日

シェアするシェアする
報告する

警戒しつつ、さらに 公園の奥へ進んでいく

そういえば、以前ここに出現した 闇生物とは、この近くで戦ったような

ちょうど、この先の開けた場所で……

真冬

……っ!? そらるさん……!

突然、さっきまでとは比べ物に ならない魔力を感じて、足を止める

真冬

ここに、闇の……

???

あれ、2人とも来たの?

僕の声を遮って、 誰かに話しかけられる

でも、この声って……

真冬

天ちゃん!

声のした方を向くと、 そこには天ちゃんがいた

いつもの黄色目で、 何故かにこにこと笑っている

真冬

ねぇ、さっきのってどういう意味だったの? 『助けて』って……

駆け寄って、つい数十分前の 話について聞く

翔太?

え?

すると、不思議そうな顔をされた

翔太?

そんなこと言ったっけ、俺

真冬

えっ? いやだって、さっき魔法界で……

そんなこと言ったっけって、 どういうこと?

それに、一人称もいつもと 違うような……

翔太?

……あぁ、そういうことか

彼方

……っ!! まふ逃げろ!!

真冬

えっ?

真冬

……うわっ!?

そらるさんがそう叫んだと思ったら、 突然天ちゃんが無詠唱で 魔法技を打ってきた

真冬

くっ……!?

間一髪のところで、何とか避ける

あ、危ない、そらるさんが教えて くれなかったら、直撃してた……!

……って、違う! なんで 天ちゃんは僕に攻撃を!?

真冬

あ、天ちゃん、なんで……!?

翔太?

じゃあ逆に聞くけど、2人は何の目的でここに来たの?

何の目的で来たのか……?

翔太?

ただの公園散策? そんなわけないよね、今魔法界が大変なんだから。

翔太?

じゃあ、まふくんが言ってる、『助けて』って言った“僕”を探す為?

翔太?

ううん、これはあり得ない。まず俺は、助けてほしいことなんてないから

真冬

あ、天ちゃ……

翔太?

じゃあ他に、ここに来た理由があるでしょ?

翔太?

そんな警戒心剥き出しなくせに、特に意味はない、なんてことないよね

僕の声に耳を貸してくれず、 言葉を遮られる

彼方

……闇のトップを討つ為

天ちゃんの問いに、 そらるさんが答えた

そうだ。僕らはここに、 闇のトップを倒す為に来た

そこで、こうして偶々 天ちゃんと会って……

翔太?

……ねぇまふ君。もしかして、今俺と会ったのはただの偶然だと思ってる?

真冬

え……?

今僕らがここで会ったのは、 どう考えても偶然なんじゃ……

翔太?

2人のここまでの道筋は、こうじゃない?

翔太?

まず2人は、浄化した闇使いの中から、闇のトップがどこにいるかのヒントを聞いた。

翔太?

どこかの公園にいる、とか、雰囲気はそんな感じ?

真冬

な、何でそれを……

翔太?

それをもとに、2人で魔法界から戻って、その公園とやらに行くことにした。

翔太?

……いや、多分誰かの指示で、だよね。“僕”もそうだったみたいだし

“僕も”……天ちゃんも、 ノアさんの指示で来たってこと?

でもそれじゃあ、指示した ノアさんのことを、“誰か”とは 言わないよね……?

真冬

(それに自分のことを話してるはずなのに、まるで他人のことを話してるような……)

翔太?

この公園にいると思ったのは、そらるさんの方かな。

翔太?

……俺のこと、粗方もう知ってるでしょ?

彼方

…………

真冬

そらるさん……どういうことですか……?

全く話が見えてこない

そらるさんは、闇のトップがここに いると知っていたから来たってこと?

それとも、天ちゃんがいるのを 知っていたから?

彼方

っ……こいつが……。

彼方

──天月が、闇のトップなんだよ

真冬

……は?

そらるさんの言っている意味が 分からず、言葉を理解するまでに、 しばらく時間がかかってしまった

真冬

天ちゃんが……闇の、トップ……?

彼方

前、ここに闇生物が現れただろ。

彼方

……その時、こいつを見たんだよ

真冬

え……?

……そうだ、そういえば、あの時……

真冬

そらるさん?

彼方

……あ、何?

真冬

何か気になるものでもありました?

彼方

……いや、なんでもない。そろそろ行こ

あの時そらるさんが見ていたのは、 天ちゃんだった……?

彼方

その時はまだ、特に気にはしてなかった。

彼方

……でも、お前が仲間になった時からは、ずっと疑ってた。

彼方

その眼の色も、僅かだけど、お前の使う魔法に黒い物が混じってたのも

あの眼色は、僕も少し 気にはなっていた

魔法のことは気づけなかったけど…… たしかに、どちらも闇使いの 特徴と一致してる

あの時は、気のせいだと 思ってたけど……

彼方

それに、まふまふの家でミーティングをした日、ピンポイントに闇生物が現れたのもおかしかった。

彼方

……この公園の時も含め、お前が呼び寄せてたんだろ

翔太?

あはっ、流石現世使い最強。勘がいいですね

頰に汗が伝っているそらるさんに 対し、にこにこと笑みを 保ったままの天ちゃん

彼方

3年前使いになったってのも嘘だよな。

彼方

……お前、ノアさんどころか、アデルさんすら知らないだろ

真冬

え……?

アデル・オルコットさんは、 ノアさんの父親で、魔法界の 16代目統治者

そらるさんが使いになった6年前、 彼が魔法空間で出会った人でもある

それから2年後、ノアさんが 地位を継いで、17代目として 魔法界を統治している

そらるさんの話じゃ、ノアさんも アデルさんも知らない……つまり、 その2人が統治者を継ぐよりも前に、 天ちゃんは使いだったってことになる

闇のトップだからって、闇使い なんだから、天ちゃんだって 元は僕らと同じ使いだったはず

使いになった時は、魔法空間で オルコットの誰かに必ず会って、 自分の属性もそこで教えられるはず だから、知らないのはおかしい

世界間では時間がズレてるから、 2人を知らないとなると、天ちゃんが 使いだった時期は……下手したら、 100年以上前の話になりかねない

彼方

お前が知ってるのは、グレン・オルコット。アデルさんの父親で、ノアさんの祖父。

彼方

その耳飾りも、グレンさんにもらったものなんだろ?

グレンさん……ノアさんの、 お祖父さん……?

翔太?

っ……!!

今まで顔色ひとつ変えなかった 天ちゃんの表情が、少し 歪んだように見えた

翔太

っ……最後に、これだけ教えてあげる。まふ君が闇魔法を使える理由

僕が闇魔法を使える理由……?

翔太

2年前の事件の後。明らかに様子が変だったから、まふ君達が使いなんだってことは、すぐに分かったよ。

翔太

そこで、そらるさんに何かあったんだろうなっていうのも

途端に表情が暗くなった天ちゃんが、 淡々と2年前のことを話し出す

翔太

あの時のまふくんって、いつも病んだりする時の比じゃないくらい落ち込んでたよね

それは、そらるさんが死んだと 思い込んでたから……

もしかして、それが原因で 僕に闇が溜まっていったから、 闇魔法を使えるの?

翔太

もちろんまふ君の精神の問題でもあった。けど、それに拍車をかけたのは“俺”だよ。

翔太

まふ君を元気付ける為なんかじゃない。

翔太

……闇使いに堕とす為に、僕はずっと一緒にいた

真冬

え……?

あの時、誰よりもそばに いてくれたのは天ちゃんだった

当時は本当に心の支えになったし、 そのおかげで今があると、 ずっと思っていた

なのに天ちゃんは、僕を堕とす為に、 ずっとそばにいたの?

あの時、僕を励まそうとかけてくれた 言葉は……全部、嘘だったの?

真冬

っ……なんで今、そのことを話したの……?

翔太

……話はおしまい。ほら、2人は僕を倒しに来たんでしょ?

真冬

天ちゃん答えて!

翔太

っ、もう話すことはない!!

そう叫ぶと同時に、 天ちゃんの姿が消える

これは……瞬間移動!?

真冬

っ!!

キィン!!

わずかに背後に気配を感じて、 無詠唱で桃雪華を顕現させて、 視界に映っていない何かを勘で受ける

真冬

天ちゃん……!

僕が受けたのは、天ちゃんの “月光剣(ルアルソード)”

真冬

……え……?

天ちゃん、何で……

彼方

天月やめろ!!

僕らの横にいたそらるさんが、 天ちゃんに“アクアナイフ”を打った

だけど、また瞬間移動で 逃げられてしまう

真冬

天ちゃんやめて! 僕は戦いたくな……

翔太

甘いこと言わないで!!

声を遮られて、そう叫ばれる

翔太

戦いたいとか戦いたくないとかそういう問題じゃない! 僕らは敵同士! 戦わなきゃいけないんだよ!!

立て続けにそう言われてしまう

戦わなきゃいけないって……

真冬

じゃあ、何でそんな顔してるの?

翔太

は……?

真冬

なんでそんな泣きそうな顔してるのって言ってんの!

翔太

っ……!?

さっき、剣を受けた時に気がついた

真冬

本当は、天ちゃんも嫌なんでしょ? ならもう戦わなくていいよ。ねっ……?

今の天ちゃんは、あの時見た表情と 全く同じなんだ

辛い、苦しい、助けてって訴えている ような、涙を溜めたあの目

そんな人と……何より、仲間と、 親友と……戦えるわけないでしょ

翔太

っ……そんなに戦いたくないなら、2人とも死んで。それが嫌なら、僕を殺して

真冬

な……

僕らが死ぬか、天ちゃんを殺す……?

真冬

そんなの……

彼方

どっちも断固拒否

僕が答える直前、 そらるさんがそう言った

彼方

俺らは死なないし、お前のことも殺さない。もちろん、ここから逃げも隠れもしない

……そうだ。僕も、 できるのならそれがいい

僕らが死なずに天ちゃんを 浄化できれば、きっと……

翔太

……僕を浄化できるなんて思わないで

真冬

そんなの、やってみなきゃ分からないでしょ?

さっき受けた一撃は、かなり重かった

相手は闇のトップなんだから、 僕らより強いのは確実

だけど僕らにとっては、 友達だから、仲間だから

何より、放っておくなんて 出来っこない……

翔太

まふ君、僕が言いたいのはそういうことじゃない

真冬

……?

翔太

僕を浄化するのは、僕を殺すのと同じこと。

翔太

……これじゃあ、2人にはできないよね?

真冬

は……?

浄化は、殺すことと同じ……?

翔太

別に僕は、殺してもらって構わないよ。殺してくれるなら、寧ろそうして欲しい。

翔太

だってほら、トップの僕を殺せば、世界は平和になるんだよ??

翔太

僕一人の命と何十億人の命なら、答えは一択。こうして自ら犠牲を買って出てるんだからさ。

翔太

……それに、もう生きるのもつまんない。散々なことばっかで疲れたから。

翔太

お願いだから、殺すなら殺して。そうじゃないなら、今ここで僕に殺されてよ

こんなの、死にたがってる ようにしか聞こえない

どうして天ちゃんは、 こんなことを……

彼方

……そんなに辛いんだな、不老不死って

翔太

っ……!?

真冬

え……?

ふ、不老不死?

そらるさん、急に何の話を……?

翔太

な、なんで……?

彼方

俺は全部知ってる。お前が使いだった時のことも

真冬

そ、そらるさん、どういうことですか?

天ちゃんのことを全部知ってるって、 何でそらるさんが?

彼方

今日の事件が起きる直前まで、天月の……“天宮翔太”のことを、ノアさんと調べてたんだよ
loading

この作品はいかがでしたか?

150

コメント

4

ユーザー

闇のトップはこの前で分かっt((殴 やっぱ友達を倒すなんてそらるさんもあまちゃんもまふくんもしたく無いよね… てかあまちゃん『不老不死』なの!? そらるさん詳し〜٩(ˊᗜˋ*)و⤴︎︎(空気読め)

ユーザー

やっぱり…闇のトップはあまちゃんで アランが言ってた『ショウタ様』も 今までのことも全部あまちゃんが… あまちゃんの正体が明らかに… でも…戦ってるあまちゃんはとても苦しそう… そうだよね…敵同士ではあってもやっぱり これまで一緒に戦ってきた仲間であり… 友達だもんね…そんなことできないし 戦いたくないよね…うぅ…辛い、苦しい…😭 誰も傷つかずに救われて欲しい… 続き楽しみにしています!!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚