テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
⚠ 注意 ⚠
この作品は過激な表現を含みます。
梅雨入りの、重たい空気を覚えている。
山本紅里夢
山本紅里夢
小物が置かれすぎてすっかり狭くなっている玄関を抜け、私はリビングへ足を踏み入れた。
山本紅里夢
普段はこの時間、料理をしている母が一人、食卓に腰を掛けていた。
窓から差し込む斜陽で影が伸び、異様な気配が滞在している。
少し痩せ細った印象も受けた。
私はすぐに鞄をおろし、母の隣に座った。
山本紅里夢
母はじっと正面を見つめ、「っぱ」と四度ほど唇を鳴らす。
山本紅里夢
思わず、大きな声で聞き返した。
山本紅里夢
発狂するように母さんは叫んだ。
山本紅里夢
山本紅里夢
頭を抱える母さんの背中をゆする。
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
西空ともり
山本紅里夢
西空ともり
西空ともり
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
西空ともり
西空ともり
山本紅里夢
山本紅里夢
西空ともり
山本紅里夢
山本紅里夢
西空ともり
山本紅里夢
山本紅里夢
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
山本紅里夢
山本紅里夢
西空ともり
西空ともり
山本紅里夢
西空ともり
西空ともり
西空ともり
山本紅里夢
山本紅里夢
西空ともり
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
ギャル美
毛利先生
山本紅里夢
山本紅里夢
ヲタク君
ギャル美
毛利先生
毛利先生
ヲタク君
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
西空ともり
西空ともり
西空ともり
山本紅里夢
山本紅里夢
西空ともり
山本紅里夢
山本紅里夢
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
山本紅里夢
山本紅里夢
西空ともり
山本紅里夢
西空ともり
西空ともり
西空ともり
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
西空ともり
西空ともり
山本紅里夢
山本紅里夢
西空ともり
山本紅里夢
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
山本紅里夢
山本紅里夢
四回ノックした。
山本紅里夢
山本紅里夢
あの日から、もう二週間が経過した。
雨ばかりで天気が変わっていないこともあるのだろう、
私にはそれほどの時間が経ったような実感はなかった。
ただ、静かに奥のほうから、
水風船が割れるように、鉄が錆びるように、胃液が食道を上るように――
それがそこまで来ている……みたいな感覚だけが、たまにある。
それは父さんが家にいることだったり、母さんの目の下にクマがあることだったり、
私でも簡単に作れるということで、冷蔵庫に食パンや袋麺の焼きそばが増えた事だったり。
日常が蝕まれていることを強く感じる。
「ラッツラッツ♪ ラッツラ♪」
「ラッツラッツ♪ ラッラッラッ♪」
「シューー♪ シューー♪」
「ジャムジャムジャムジャム♪♪」
「ジャムジャム♪ ジャムジャム♪」
「ジャーーーーン♪♪」
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
半端に小さな声量で歌った。
ボディーソープを手に取る。
シャワーが止まると急に静かになって、少しすると学生らしき笑い声も聞こえた。
ともりは顔を赤く染めた。
西空ともり
黙って体を洗い、それを流す。
ため息をつきながら、湯船に浸かった。
西空ともり
『ともちゃーん?』
西空ともり
西空ともり
西空ともり
浴室の扉の前に浮かぶ影。ともりの母である。
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
ともりは一度、ため息をつく。
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
『ピンポーン』
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
母の影が消えていった。
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
浴槽から左腕をぶら下げ、呟いた。
ぽつぽつと、その腕を伝って水滴が落ちていく。
ともりは呼吸をしながら天井を見た。
ぼーっと、その濁った白を見た。
しばらくそうしていると音が聞こえ始める。かちかちという、なにかが軽く弾ける音である。
それが自身の顎が震え、歯が弾けぶつかった音であると気づくのは、さらにしばらくしてからだった。
西空ともり
ともりは上体を起こす。そしてふと、ぶら下げた左腕のほうに目をやった。
ともりはとっさに身を引いた。立ち上がった。
西空ともり
ぽつぽつと垂れていたものがつくった水たまり――それが赤かったからである。
息が荒くなる。荒くなる。
『ひー』が『はー』になって、『ふー』が浅くせき止まる。
両手で口元をすぐに覆った。
その時、なにか粘度を持ったものがそこに張り付く。咳を数回、気管が痛む。
ともりは妖精が花びらを空に送る時のように、救った手のひらを唇のそばに広げた。
そこには赤いそれがあった。
左の手首に見える傷口が開いて、そこからあふれていたのだった。
今も、指と指の隙間からどろどろと垂れて、この浴槽の底へと溺れる滴がある。
螺旋みたいな渦を作って広がるそれを、ともりは眺めた。
気づけばそこに、カッターナイフがあったのだ。
刃の大きく出た状態で、決して沈み切ることなくそこにある。
ヘンゼルとグレーテルが魔女の家を訪れた時のような、奇妙と呼べる多幸感をともりは覚えていた。
湯気に浮かんだ砂糖の香りと鉄の苦みが、前頭葉の上の遊園地で着ぐるみをかぶっている。
クマさんとライオンさんの歌うエンヴィーが、相対性理論の流れ星とともに果てた。
その姿、まさにメリーゴーランド。
電線に縛られた王子様は、彼女より黒い馬に乗って現れた。
ともりは言う。
西空ともり
王子さまは優しく微笑む。
馬から降りて、ひらりとマントをなびかせた。
震えるともりを抱きしめる。涙を流すともりを柔く包む。
西空ともり
ともりは王子様の衣装を強く握った。王子様は寂しげな瞳を見せる。
二人は見つめ合った。
王子様は最後に、ともりの頭に手を回す。二人はキスをした。
ともりの瞼がようやく開いた。
西空ともり
まだ、この浴槽の中は温かい。
どうやら少し眠っていたようだ。
ともりは立ち上がり、浴室を出た。血は流れていなかった。
コメント
9件
アニメ化したら絶対bgmないやろなぁこのシーン
第23話「開演」読んだよ…!😭💦 シーン1の紅里夢の「大学に行かない」って決断、胸がぎゅっとなった…。 家族のために自分の未来を犠牲にする覚悟、重すぎて切ないよ…。 シーン5でお父さんにお昼を置くシーン、何も言わずにドアの前に置くだけの距離感がリアルで苦しかった。 でも、シーン6のともりのお風呂場の心理描写が一番衝撃的だった…。 「嫌だ嫌だ」って抵抗しながらも、幻の王子様にキスされる描写、すごく美しくて狂気的で、読み終わった後もしばらく放心しちゃったよ…。 カッターナイフと水たまりの血、解離的な多幸感…文章の生々しさが心臓に刺さった。 紅里夢の日常の笑顔の裏で、ともりがこんな闇を抱えてるなんて…続きが気になりすぎる…!🌸