テラーノベル
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⚠ 注意 ⚠
この作品は過激な表現を含みます。
大きなため息をした。
食洗機を起動させ、ともりの母はソファに沈む。
コンビニのラスクの袋を開いた。
一本を三回に分けて食していく。
食べカスがいくつか服の上に落ちていたが、特に気にする様子はない。
テレビリモコンを付けた。
ニュースキャスター
ニュースキャスター
ニュースキャスター
ニュースキャスター
ニュースキャスターが読み上げた。
次に、『チッチッチ』と、舌打ちを繰り返すコメンテーターにカメラが向けられる。
(チャット欄)
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↑(ランドセルのコメントが)
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黙ってテレビを消した。
西空ともり
自室の前、ともりはその扉を開けることを戸惑っている。
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
ドアノブへ向かう左手が震えた。
ともりは手首を掴んで震えを抑え、唾を飲む。
心音が大きく鳴ったその時――
『がちゃ』
扉が開いた。
藤原るる
藤原るる
西空ともり
西空ともり
出てきたのは、ともりと同じくらいの背丈をした女性だった。
スーツを着こなしていて、少し大人っぽく見える。
藤原るる
西空ともり
西空ともり
藤原るる
藤原るる
藤原るる
西空ともり
藤原るる
藤原るる
藤原るる
西空ともり
藤原るる
藤原るる
西空ともり
西空ともり
藤原るる
藤原るる
藤原るる
西空ともり
藤原るる
藤原るる
西空ともり
藤原るる
藤原るる
藤原るる
藤原るる
藤原るる
西空ともり
藤原るる
藤原るる
藤原るる
藤原るる
藤原るる
藤原るる
藤原るる
西空ともり
藤原るる
西空ともり
藤原るる
藤原るる
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
八方を防ぐ壁、闇色の立方体。
天井の檻から微かに光と音がする。
外界と繋がっていることは確か……
しかし、その檻の向こうからここに来るものは険悪な瘴気を放っていた。
それは排水に混ざる泥のような粘度を持っており、檻に張力した後に滴として垂直に落ちる。
西空ともり
場所を同じくして、
西空ともりは仰向けに寝転び、その様子をただ眺めていた。
地面はコンクリートか何かでできているようで、日の当たらないここでは心地よく冷えている。
西空ともり
西空ともりは突然上体を起こし、立方体の隅へと動いた。
左手のひらで口元を覆い、四つん這いでがたがたに動いた。
いや、左手を使っていないのだから三つん這いである。
まあ、そのようなことはどうだっていい。
西空ともりは結局、そうして進んでいる途中に左手を口元から外し、嘔吐した。
涙も流れていた。
それは黒く、光を反射して結晶のようにも見えるが、その動きは確かに涙であり液体である。
檻から垂れているあれを冷やしてジェラートにすれば、おおよそこの涙のようになるだろう。
西空ともりは痰が絡まった時にするように、何度か瞬発的に息を発した。
その度にぽたりと落ちるものがあり、息を発する間隔も早まっていく。
やがて、息がままならなくなろうとも、それは変わらずに続いた。
こちらは涙に反して水っぽい。
桃色をしており、中には桜の花弁も紛れている。稀に花冠も見られる。
西空ともり
西空ともり
西空ともり
自室のベッドに体育座りをして、レースカーテンの向こうの夜を見ていた。
今日も雨が振って、何があるかはよく見えない。
ただ、月が隠れているのだろうということは、そうなのだろう。
西空ともり
ともりは脇に抱えた、五〇センチくらいの大きさのクマのぬいぐるみを見つめた。
そして抱きしめ、布団の下に隠れた。
並んで立ち、月を眺める二人。
その高台からでも、水平線は遠く続いているように見える。
女は柔く微笑む。
目を覚ます、ともりの母。
コンビニのラスクをつまんだまま寝ていたものだから、思わず笑ってしまった。
大きなあくびを一度。
時計の針はまだ、二四時までは回っていない。
テレビの横に置かれた写真立て――アクリルが照明で少し光った。
二人の男女と赤子の写真。
山本紅里夢
山本紅里夢
ライオンのぬいぐるみを抱きしめる。
山本紅里夢
山本紅里夢
一瞬、その紅里夢の姿が幼く見えた。
もうすぐ十八を迎えるようには思えない、
まだすべての乳歯は失っていないであろう、そんな幼い少女に。
西空ともり
西空ともり
西空ともり
涙を流す。
西空ともり
西空ともり
西空ともり
一瞬、ともりの姿も幼く見えた。
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
ぽたんと音がする。
檻からまた一粒、液が垂れた。
排水に混ざる泥のような粘度を持った、黒く穢れた液である。
…………ばりん、ごん、ちゃらりん。
檻が壊れた。
上から落ちてきた"ガラクタ"。
セーラー服の白骨死骸、星にデコられたスマートフォン。
ラムネ瓶に突き刺さった棒、溶けたバニラアイスがビー玉に絡まっている。
テスト、答案用紙、愛の傘の刻まれた机、小便器とキャラメル。
黒マスクと太陽の塔、局部露出銅像の腐敗、リボンロールに首を絞められたチワワ。
灰皿と化した肺胞、心が欠けた人体模型、紙コップ、月刊保健体育教材付録。
西空ともり
天を仰ぐ。
壊れた天井の上にあったのは、巨大な何か。
目を細めてしばらく凝視して、それが植物の根――おそらくは大木の根であると気づいた。
西空ともりは服を脱ぎ、裸体を晒す。
足元のスカートを探ると、カッターナイフを拾い上げた。
手を掲げる。
桜が舞う。踊る。空を飛ぶ。
花吹雪がともりを濡らしいていく。
さらさらと水っぽく、桃色をしたその液体が。
西空ともり
「あははははははっ!!」
浴室から声が聞こえる。
「太陽が……落ちるのが……」
「あまりに……遅いから……」
「僕は叫んだ浴室、数平方メートル正方形。」
「シャワーヘッドで歯を砕いた♪」
「シャワーヘッドで歯を砕いた♪」
「…………」
「シャワーヘッドで歯を砕いた!!」
「シャワーヘッドで歯を砕いた!!!」
「シャワーヘッドで歯を砕いた!!!!」
「砕いた砕いた砕いた砕いた!!!!」
「だ!! だ!! だ!! だ!!」
「だーーーー!!!!」
西空ともり
「あははははははっ!!!!」
特別苦しいわけでも……
特別死にたいわけでもない……。
ただ生きていると、ふとした時に何かが溢れそうになる。
私は空っぽだから、
何かを持っていそうな、みんなを貰って生きている。
けど、たまにやりすぎちゃって、水面に大きな波ができるんだ。
波は大きくなって……なって、
溢れる。
吐き出したいけど、吐き出したくなくなる。
西空ともり
特別苦しいわけでも……
特別死にたいわけでもない……。
ただ、最近は失うことが怖くなった。
『幸福が満ちる』……だなんてよく言うけれど、
これまでの私の人生、満ちるのはいつだって不幸だった。
幸福なんて所詮どこか偽物……
対して、不幸には脈がある。
それも偽物と言えばそれまでだけど、そんなことを言うのは死体ぐらい。
私には、幸福なんて、いらなかったんだ。
なのに…………
山本紅里夢
コメント
3件
この不穏な語彙の羅列が好きすぎて白飯にかけたい
読了したわ。この24話、シーン切り替えのたびにともりの内面がひしひしと伝わってきて、読んでて胸がぎゅっとなった。特にラストの「幸福なんて、いらなかったんだ」からの紅里夢の呼びかけ、この対比がすごく刺さる。花吹雪の中で笑うともりとクマのぬいぐるみ抱える姿、どっちも彼女のリアルだなって思った。次がどう転ぶか、本当に気になる🔥