いつしかの少女
思い出したい?
その一言に深く傷ついた
僕は何か大切なことを忘れたのだ
それがあなたを悲しませるのだと気づいた
私
思い出したい
いつしかの少女
…わかった
いつしかの少女
あれはね…
少し緊張した面持ちであなたは話し始める
いつしかの少女
人類が滅んだ日の朝だったかな
いつしかの少女
私はあそこにいたの
あなたは遠くに見える山を指さす
あの大きな山には見覚えがあった
いつしかの少女
そう、思い出した?
いつしかの少女
あの日噴火した山よ
私
あぁ…
記憶が徐々に蘇る
目の裏に写っているのは火を噴く荒い山肌だ
確かこの山が噴火したことによって人類は途絶えたのだ
いつしかの少女
私はここにいて
いつしかの少女
全世界の誰よりも早く異変に気が付いた
いつしかの少女
私は人類が滅ぶのを阻止したかったの
私
……
頭が痛い
いつしかの少女
だから
いつしかの少女
使える電子機器をありったけ使って避難を呼びかけた
いつしかの少女
どう?
心拍数が跳ね上がった
いつしかの少女
私は必死だった
いつしかの少女
なのに……
私
もういい
それ以上あなたの口からは語らなくていい
僕はもう全て思い出した
続々