凪斗に初めて会ったのは俺が初めて 本家に来た時だった
母親と はぐれて迷子になっていると 凪斗は声をかけてくれた
凪斗
凪斗
由希
俺が泣いて うずくまってる所に凪斗は来て 手を差し伸べてくれた
凪斗
凪斗の差し伸べる手を掴むと俺を 引っ張って本家まで連れて行ってくれた
凪斗
凪斗
由希
凪斗
その言葉を余り気にしてはいなかったけど また会えるなんて思ってもなかった
凪斗さん慊人さん お連れしました
そこには優しい笑みを浮かべた 助けてくれた少年の姿が見えた
ぇ、まぁ 何!?
何泣いてるの由希!! 失礼でしょ!?
自分でも気づかぬうちに涙を流していた
周りの声は聞こえなくて なんとも言えない気持ちが襲ってきた
慊人
今 思えば凪斗の笑顔は 少し苦しそうにも見えた
慊人
慊人
その話を聞いてる時 凪斗は空を 見上げながら鼻歌を歌っていたのを 今でも鮮明に覚えている
昔から慊人は怒り出すことがあった
慊人
慊人
どうやっても咳は止まらなかった
凪斗
その時 小さく首を横に振った
凪斗
凪斗の優しい対応で落ち着いたのか 咳は徐々に止まっていった
慊人
凪斗
凪斗は小さく笑いながら茶碗を拾い 落ちた米を丁寧に一つ一つ拾った
慊人
凪斗
慊人
何時も慊人を落ち着かせてくれて 俺を助けてくれた
時には悲しんでいる慊人を 慰めている時もあった
幼いながらも その時に思った。 俺と同い年とは思えないほど大人びていて 気品があると。
慊人が壊れた時もあった。 俺に沢山の暴言を吐いて部屋を 真っ黒に塗りつぶした
その時も凪斗は慊人を落ち着かせてくれて 慊人が出ていった時に俺を 抱きしめてくれた
凪斗
凪斗
その時に初めて気がついた。凪斗が 慊人の傍に居るのは俺達を守る為だと
でなきゃ凪斗は こんな苦しそうな顔をして 俺を抱きしめない
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