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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

アイカラン国王の影を倒し、とぅるーむ国とアイカラン国で手に入れた2つの宝石をクリスタルにはめてくることにした舞夢達

舞夢はクリスタルに緑色の宝石と水色の宝石をはめた

六月 真奈

これであとひとつだね!

真奈は笑顔で舞夢に話しかける

優來 はる

でも、次はどこに行くんだ?

優來 はる

とぅるーむ国とアイカラン国はもう回ったし、国はその2つしかないんだろ?

白町 凪紗

うーん…

凪紗は複雑な顔をした

言った方がいいような、でも言いたくないような…

そんな表情だった

誰も何も言わないのを見て、舞夢は口を開く

吟羽 舞夢

そういえば、アイカラン国で凪紗のことを悪の王って呼んでる人に会ったんだ

六月 真奈

悪の王?それってとぅるーむ国の人も言ってたよね?

優來 はる

でもとぅるーむ国じゃ凪紗がなんでか悪の王って呼ばれてることしか分からなかっただろ?

舞夢は、凪紗の様子を見ながら続ける

吟羽 舞夢

その人ね、凪紗のことを自分の国であった雷火国を滅ぼしたって言ってたの

吟羽 舞夢

その人のお兄さんが雷火国にいて、一緒に殺されたって言ってる

優來 はる

……?!

六月 真奈

え…滅ぼしたって…

吟羽 舞夢

ここまで噂でわかっちゃったんだよ

吟羽 舞夢

ねぇ凪紗、そろそろ教えてくれないかな

凪紗は黙っていた

だけど、しばらく沈黙が続いた後、ようやく口を開いた

白町 凪紗

言わなきゃ、みんな納得しなさそうだね

白町 凪紗

いいよ、話すよ

白町 凪紗

僕だけが知っておけばいいって思ってたんだけどなぁ…

凪紗は、語り出した

僕の両親はね、昔から、宗教にハマってたんだ

その宗教は非人道的というか…

臓器とかを捧げるような宗教だったんだ

僕の両親は、僕のことが嫌いで、僕が子供の頃に手足を切って、神に捧げたんだ

それで、ずっと義手義足の生活

でも、それだけじゃ神が満足しなかったみたいで、50年前、僕は両親に知らない世界に飛ばされた

それがこの世界だった

この世界のこの土地は、僕が来た時から荒れ果てていて、人が暮らせるような状況ではなかった

そんな土地を僕の能力…記録書き換えで住めるような土地に変えた

そして、自分の家も分からない、身寄りのない子達がこの土地にやってきたりすると、保護して一緒に暮らしたりしてたんだ

そんなことを続けているうちに、この土地は国になった

だけど、何がいけなかったのか…

この国は事件事故の耐えない国になってしまった

その時はまだ被害が国内だけで済んでたんだ

だけど、もし国の外にまで被害が及んでしまったら?

迷惑をかけたくなくて、でも僕に国民を止めることなんてできなかった…

だから、僕は…

この国を滅ぼしたんだ

白町 凪紗

そして、雷火国は雷火地域に戻った

白町 凪紗

そして、とぅるーむ国やアイカラン国の人達はこの一連の事件を知らないから、僕がなんの意図もなしに国を滅ぼした悪の王だと思っている

六月 真奈

……酷い、凪紗くんの判断は仕方ないことなのに…

優來 はる

真実を知らないと、凪紗を責めてしまうのは仕方ないんだろうが…

吟羽 舞夢

伝えたりはしなかったの?

白町 凪紗

伝える意味はないと思った

白町 凪紗

伝えようが、伝えなかろうが

白町 凪紗

この国はもう二度と戻らないから

誰も、何も言えなかった

そしてしばらくして、凪紗が口を開いた

白町 凪紗

次の行先のことだったよね?

白町 凪紗

舞夢も、この話題を出すってことは察しが付いたんだよね

吟羽 舞夢

うん

白町 凪紗

それじゃあ行こうか

白町 凪紗

3つ目の国、雷火国へ

4人は、雷火地域へ向かう

雷火地域へ到着し、影を探している間舞夢は凪紗に話しかけた

吟羽 舞夢

そういえばさ、凪紗はかなり話すの渋ってたけど、なんでなの?

白町 凪紗

ほんとは、誰にも言う気はなかったんだよ

白町 凪紗

同情を誘ってるみたいで嫌だったからね

白町 凪紗

でも……

凪紗ははるを見つめた

白町 凪紗

はるを見てたら、つい甘えちゃって、話してもいいかな…なんて

吟羽 舞夢

……

凪紗は俯き、すぐに前を向いて、拳を上に突き上げて言った

白町 凪紗

よーし!僕の形した影を探すぞー!

六月 真奈

おー!

いきなりの凪紗の掛け声にノリノリで返事をする真奈

そして凪紗は走り出す

吟羽 舞夢

えっいきなり?!

急に走り出した凪紗に驚いた舞夢と追いかける真奈

六月 真奈

かけっこ?!

優來 はる

……はぁ

全く、と言うようにため息を吐くはる

すると突然凪紗は足を止める

六月 真奈

わぷ!

足を止めた凪紗の背中に真奈はぶつかる

吟羽 舞夢

どうしたの?

舞夢とはるが追いつくと、そこには影がいた

ぐおあー!

白町 凪紗

いやー、僕の模倣がお出ましらしい!

白町 凪紗

僕って人気者なのかなぁ?!

白町 凪紗

【ファイア】!

凪紗は調子のいいことを言いながら影に炎魔法を放つ

六月 真奈

私も!!

六月 真奈

【バブル】!

吟羽 舞夢

【シャイラ】!

3人の攻撃を影は消し去る

六月 真奈

消えた?!

白町 凪紗

僕の能力か…

白町 凪紗

一か八か、僕の能力で…

凪紗は記録の書き換えを開始する

白町 凪紗

[国王の僕は存在してないからさ、消えて]

パチン

凪紗が指を鳴らし、能力を発動するが、効果は無い

白町 凪紗

あれ…?

六月 真奈

能力を防いだの?!

白町 凪紗

(未彩の影のときも能力が発動されなかった…)

白町 凪紗

(影に能力は効かないのか…?)

白町 凪紗

(でも、はるの能力は効いてた…)

白町 凪紗

(ということは、僕の能力は宝石を落とす影には効かない…?)

優來 はる

[止ま──]

優來 はる

うっ…

能力を使おうとしたはるは突如右目を抑えて止まる

白町 凪紗

はる…?!

吟羽 舞夢

【スパークハンマー】!

その隣で舞夢が雷のハンマーを出す魔法を影に向けて放った

六月 真奈

【チェーンバブル】!

影の逃げ場を無くそうと真奈も鎖の形をした泡で足止めする

ぐおおおお!!!!

影は逃げ場をなくし、舞夢の魔法で消滅する

シュウウゥゥゥゥ……

六月 真奈

倒した!

白町 凪紗

ほんと!

舞夢は赤色の宝石を拾いあげる

吟羽 舞夢

宝石、集まったね

優來 はる

そう…だな

はるは右目から手を離して答えた

白町 凪紗

……

白町 凪紗

それじゃ、月影神社へレッツゴー!

凪紗は一瞬はるを心配そうに見つめ、転移魔法の準備をした

そして4人は月影神社へ移動する──

吟羽 舞夢

はめるね

舞夢が宝石をクリスタルにはめると、クリスタルは強く輝き出す

すると、入り口に張られていたクリスタルは綺麗に無くなっていた

六月 真奈

これでこの世界も解決かな!

吟羽 舞夢

そうだね

六月 真奈

ということは、次の世界に行くんだ!

真奈はキラキラとした目で言う

その様子を見たはるは気まずそうに口を開く

優來 はる

俺は…

優來 はる

凪紗を見つけられたし、旅をする理由が無くなったんだが

白町 凪紗

え?

凪紗がぽかんと口を開ける

六月 真奈

えー!はるくんが居なかったら世界回れないよ!

真奈は不満そうに叫ぶ

吟羽 舞夢

私達だけじゃIF魔法が使えないから故郷も探せない…

舞夢は少し悲しそうに言う

白町 凪紗

じゃあ──

凪紗が声をかけようとした時、月影神社に誰かがやってきた

風音 るいの

白町凪紗殿

吹雨希 悠穂

ご無沙汰しております

六月 真奈

……!

とぅるーむ国王とアイカラン国王だった

2人を見て凪紗はスっと跪く

白町 凪紗

ど、どうしてお2人がこちらへ?

吹雨希 悠穂

とある方から、凪紗殿の知人である異世界者様が、この世界の解決のために動いてくださっているとお聞きしました

吟羽 舞夢

とある方?

風音 るいの

そちらはプライバシーの関係で秘密にさせていただきます

るいのは人差し指を口に当てながら言った

吹雨希 悠穂

この世界は解決に向かって進んでいるのでしょうか?

悠穂は少し心配そうに言った

吟羽 舞夢

それは、丁度解決した所

六月 真奈

もう影は出ないはずです!

舞夢と真奈が言うと、悠穂とるいのはほっとした表情になった

吹雨希 悠穂

良かった…!

風音 るいの

皆様に感謝申し上げます

優來 はる

わざわざそれを伝えるために?

はるが警戒しながら言う

するとるいのが口を開いた

風音 るいの

実は、本題は別でありまして…

吹雨希 悠穂

これはるいのと俺とで話し合った事なのですが…

風音 るいの

凪紗殿は過去に犯してしまった国滅ぼしでとぅるーむ国とアイカラン国の国民からは不安の対象とされています

吹雨希 悠穂

もちろん、我々含め全員が全員そう思ってる訳では無いでしょうが…

吹雨希 悠穂

いつか不満に思う国民が凪紗殿を暗殺などを試みないよう、凪紗殿にはこの世界を離れていただいた方がよろしいかと思いまして、ご提案に参りました

風音 るいの

聞いた話によればそこの御三方は世界を旅する異世界者

風音 るいの

彼女らに着いていくのもひとつかと思われます

吹雨希 悠穂

もちろん、この世界で暮らしたいとおっしゃるのであれば我々も力を尽くしますが…

風音 るいの

幸い、僕達は先代みたいに凪紗殿を悪と決めつけている訳では無いので

吹雨希 悠穂

いかが…でしょうか?

2人の提案に凪紗はしばらく考えた

白町 凪紗

……

白町 凪紗

ご提案ありがとうございます

白町 凪紗

確かに、僕はここにいない方がお互いのためなのかもしれません

そして凪紗は舞夢達の方を向いた

白町 凪紗

舞夢、真奈、はる

白町 凪紗

僕を、旅の仲間にしてくれない?

優來 はる

え…

六月 真奈

大っ!歓っ!迎っ!

吟羽 舞夢

いいよ、仲間は多いほどいいし

優來 はる

でも…

はるは少々渋っている様子だったが、すぐにため息をついた

優來 はる

はぁ、舞夢が故郷を見つけるまでだからな

六月 真奈

やったー!

六月 真奈

まだまだみんなと旅できる!!

白町 凪紗

ありがとう!みんなよろしくね!

その様子を見てるいのはふっと笑う

風音 るいの

決断は出たようですね

吹雨希 悠穂

では、皆さんのご幸運をお祈りしております

凪紗は2人の前に跪いた

白町 凪紗

今まで、数々のご迷惑をかけたことをお詫び申し上げます

白町 凪紗

お2人はまだ若いですが、僕なんかよりとても立派な国王だと存じております

白町 凪紗

お互い、頑張りましょう

風音 るいの

……!

吹雨希 悠穂

風音 るいの

えぇ、頑張りましょう

吹雨希 悠穂

ありがとうございます!

凪紗とるいの、悠穂は握手をした

するとはるが声をかける

優來 はる

お別れは済んだか?

優來 はる

もう行くぞ

白町 凪紗

もう大丈夫!

優來 はる

わかった

優來 はる

【олрбй】

はるはIF魔法を唱え、世界の出口を開く

そして、次の世界へと旅立つ──

──続く

異世界旅路〜失われゆく世界を旅する少女〜

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サムネイルの正面にいる月影未彩が居ない第1章…ぐす…うぅ…

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