【参加型】Phantom thieves of The world

カジノVIPエリア

停電より少し前

実業家里見に変装する悠穂は 目の前の状況に冷汗を流していた

同じくディーラーとしてカジノに潜入する 紅愛にポーカーでボロボロにされていた

彼等は停電後まで特にする事が無いので 時間まで普通に遊んでいる事にした

3人の無線機にレイトからの連絡が入る

そう言いながら悠穂が軽く手を振った時 カジノ一帯の全ての電気が遮断された

突然の停電にフロア内は大騒ぎになる

他の客の不安を煽る様に悠穂と紅愛は 声を上げる

その間に1人暗視ゴーグルを付けたベアは 慌てふためく客の間をすり抜け 展示されている景品の中から事前に 本物と判別してた物を鞄へ詰め込んでいく

携帯の明かりで周囲を確認しようとする人 月明かりに目を凝らそうとする人 それぞれが混乱する中、自家発電に切替り 電力が回復する

客達は自分達のチップが 消え失せているのに気付いて

悲鳴をあげる者 掴み合って言い争いをする者 スタッフに言い掛かりをつける者 停電時よりフロア内は混乱し始める

混乱を大きくした原因の3人は 人々の間を縫う様に カジノから一旦外に出た

電力が回復した同時刻

地下3階 金庫室専用通路

何かに気付いた警備スタッフの 視線の先にいたのは 一匹のハムスターだった

そのハムスターは体に合う様に作られた 深緑のサバイバルベストを着ている

その愛らしい姿のハムスターの肩には 小型のカメラが付いている

警備スタッフ達がそのカメラに気付き 無線で連絡をするために 無線機に手を当てようとした瞬間

もちろんハムスターが話す訳も無く ベストに取り付けられた 小型のスピーカーから 音声が出ているだけだが

その声に合わせてハムスターは 器用に口を動かしているので 話している様に見えなくも無い

再びスタッフ達が連絡を取ろうとした瞬間 ガコン！！

天井の通風口の柵が蹴破られ 1人の少女が降りてきた その少女の両手には スタンガンが握られている

警備スタッフを2人に任せ 玲奈は金庫室の一つ目の扉の開錠に 向かう事にした