パチッ
目が覚めた。
“ まだ”生きてた。
息が出来る。
心臓も…動いてる。
なのに…何やろ?
雨乃
( 怖 い 、、、 )
手の震えは止まらない。
暗くて小さな部屋、 一人きり。
やっぱり… まだ、死にたくない
雨乃
……嫌や…
ピロン♪
雨乃
わ、ッ
途端に、スマホの通知が なった。
星からの通知。
「今から屋上 来てくれない?」 と、メッセージが 届いた。
雨乃
…星
雨乃
ウチが死んでたら、………。
雨乃
……ま、良いか
貰った腕時計をつけて。
私は外に出る。
雨乃
もう…
この家とも、サヨナラか
この家とも、サヨナラか
二度と戻らない家。
ウチだけの部屋。
____後ろを 振り返らずに、ウチは歩いた
雨乃
来たよ、星。
ウチが屋上に向かうと。
フェンスに背を向けて、 星が座っていた
水川 星
あ、雨乃。
水川 星
遅かったね
雨乃
ごめん、歩いて来たから。
水川 星
まあ良いよ、座って座って。
そう言って星は、 自分の隣をポンポンと叩く
星の隣に座ったウチ。
少しして、星は 話し始めた。
水川 星
…いよいよ、今日だね
水川 星
どう?
私と三日間過ごしてみて。
私と三日間過ごしてみて。
雨乃
…楽しかった。
雨乃
昨日も言ったばい…
水川 星
あっはは、そうだね!
水川 星
……ねぇ?
水川 星
死ぬの、怖い?
雨乃
…勿論怖いとよ
水川 星
そっかぁ~…
水川 星
雨乃は幸せだね。
雨乃
え?
水川 星
…いーや、何でも__
水川 星
……無くないか。
水川 星
どうせ最後なんだし…
話しちゃうね。
話しちゃうね。
水川 星
僕…死にたいんだ
雨乃
え、っ?
水川 星
10年前ね、姉さんと兄さんが交通事故で死んだんだ
水川 星
優しい人達だった。
水川 星
でもね
水川 星
そこからは地獄だった
水川 星
“男の子”なのに“女の子”の口調で喋って
水川 星
__“気持ち悪い”って…
いじめられて
雨乃
…男の子、?
水川 星
そ。
水川 星
僕ね、男の子なの。
笑夏
笑夏(エカ)。
それが僕の名前。
それが僕の名前。
雨乃
笑、夏…
笑夏
そ、笑夏くん。
笑夏
…でね?
笑夏
生きるのが辛くなって…
ここから飛び降りた。
ここから飛び降りた。
笑夏
でも、生きてた。
笑夏
…何でだろーね、?w
笑夏
何回死のうとしても、
死ねないんだもん。
死ねないんだもん。
笑夏
飛び降りようとしても
刺そうてしても
溺れようとしても
潰れようとしても
刺そうてしても
溺れようとしても
潰れようとしても
笑夏
死ねない…
死ねないんだよ!
死ねないんだよ!
笑夏
見えない何かが
僕を邪魔する…
僕を邪魔する…
笑夏
僕は早く、姉さん達の所に
逝きたいのに……!!
逝きたいのに……!!
雨乃
…笑夏
笑夏
だから…君を利用させて
貰ったの
貰ったの
笑夏
雨乃、僕の時計、見て
雨乃
…時計?
笑夏
この腕時計。
笑夏
この腕時計が…
9時になれば雨乃は___
9時になれば雨乃は___