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9件
今回もとても素敵でした👀 リクエストなのですが梟谷マネで赤葦をお願いしたいです💕来年の作品も楽しみにしてますね🫶❤️🔥
最っ高でした🥹💞 来年も楽しみにしてます!!🌷 リクエストお願いできるなら及川さんでお願いしたいです🙇🏻♀️ 今年もお疲れ様でした!!💫💫
夏になっていた
空気は重く
夜になっても熱を抱いたまま
街は息をしている
あれから2ヶ月
○○は変わらず
夜の巡回に出ていた
同じ道
同じ時間帯
同じ街灯の並び
〇〇
けれど二口の姿を見ることはなかった
補導記録にも
名前は上がらない
〇〇
無意識のうちに人影を探していることに気づき
○○は小さく首を振る
ーー安心、していい
そう自分に言い聞かせる
あの1週間が
確かに区切りだった証拠
それが正しい
そう思うべきだった
その夜、氷室に声をかけられた
「飲みに行きません?」
軽い調子だった
○○は断る理由もなく
駅近くの居酒屋に入った
カウンター席
店内は静かで
グラスの触れ合う音が心地いい
氷室
氷室
氷室はそういいながらグラスを傾ける
〇〇
短く返す
ひとくち飲むと
冷えた液体が喉を通る
氷室
氷室
〇〇
いつも通りの答え
氷室は分かっているような顔をした
氷室
氷室
○○は顔をあげる
〇〇
〇〇
それ以上は言わない
言わなくても
意味は伝わってる
氷室
氷室の声は優しい
○○は正直に頷いた
〇〇
氷室さんは軽く笑った
時計を見る
11時半
氷室
店を出ると
夜風が心地よかった
〇〇
氷室
氷室
氷室
〇〇
〇〇
店の前で別れる
氷室
〇〇
○○は1人帰路につく
街灯の下少し心が軽くなっていた
夜の街は
“油断”が目立つ
ある夏の日
鈍いほどの暑さが伸し掛る
夜道を歩いていると
ふと視界の端に見覚えのある影が入った
○○は足を止める
街灯の下
スマホを握りしめてたっているのは
中井柚葉だった
制服ではない
私服姿
こんな時間にこんな場所で
気付かれないように
通り過ぎようとしたその時
中井
柚葉がこちらを見る
すぐに表情が変わった
挑発するような笑み
中井
中井
○○はじっと見た
中井
中井
強気な声
○○は一瞬迷った
勤務時間外
制服でもない
関わらない方がいい
そう判断し歩き始める
それが柚葉の癪に障った
中井
語尾が強くなる
中井
○○は止まらない
すると背後から鋭い言葉が飛んできた
中井
○○の足が止まる
中井
一拍
中井
中井
空気が凍る
○○はゆっくり振り返った
怒りではない
感情を押し殺した
静かな目
柚葉はそれを見て
一瞬たじろぐ
○○は少しだけ息を吐いた
〇〇
声は低く
落ち着いている
〇〇
○○の言葉に柚葉の瞳は揺れた
中井
言葉につまる
○○は軽く笑う
バカにした笑いじゃない
どこか
達観した笑み
〇〇
〇〇
〇〇
静かに言い切る
〇〇
柚葉の顔は歪んだ
中井
声が震える
中井
次の瞬間俯き
肩を震わせた
泣いていた
○○は明らかに困った顔をする
...泣いた
私が泣かせたのかな、これ
慰め...慰め...
○○はかける言葉を考える
その時
二口
低い声が割って入った
振り向くと二口がそこはいた
状況を一瞬で理解できず
眉をひそめている
柚葉と○○を交互に見つめる
そして言葉を失う
○○は頭を抱えた
〇〇
疲れた声
〇〇
二口が目を見開く
二口
二口
○○は真っ直ぐ二口を見る
〇〇
一線をはっきり引く
〇〇
少し間を置いて続ける
二口
柚葉に視線を向ける
〇〇
〇〇
冷静で職務的な声
〇〇
〇〇
突き放すような声
逃げ場はない
二口は唇を噛む
柚葉は何も言えず
涙を拭う
○○はそれ以上何も言わない
夜風が3人の間を通り抜ける
大人でいることを
選び続けるということ
その重さだけが
静かに残っていた
翌日
○○は署内の会議室に呼ばれていた
向かいに座るのは
あの10個上の上司
腕を組み
不機嫌そうに
書類を机に置く
抑えた声
でも隠しきれない苛立ち
ーー見られていた。
○○はそれだけで理解をした
○○は何も言わない
否定しない
弁解もしない
それだけだった
処分も減点もない
注意で終わり
それが余計に胸に残った
会議室を出ると
前に氷室がいた
〇〇
氷室
○○の様子を見て
氷室はすぐに察した
氷室
○○は小さく頷く
氷室
氷室
氷室
氷室
氷室
その声は優しかった
氷室
慰めるような声
○○は歩きながら
少しだけ間を置く
〇〇
それでも足を止める
窓の外を見る
昼の光がやけに眩しい
〇〇
〇〇
氷室がこっちを見る
○○は自分でも驚くほど
素直だった
〇〇
〇〇
〇〇
いいながら
胸の奥が痛む
氷室は柔らかく笑った
氷室
氷室
○○はゆっくりと息を吐く
〇〇
いつもの距離
いつものやり取り
それなのに
○○の中ではたしかに何かがズレていた
正しかったはずの線が
1度揺れてしまった感覚
それを
まだ誰にも言葉に出来ないまま
○○はまた前を見て歩き始めた