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主
主
主
主
4月28日11時59分
カチカチと時計の音が静かな寝室に響く。そして時刻は4月29日0時0分を回った。
太宰
そう言って太宰は、隣でくっついて眠っている中也の額に口付けた。
中也が朝目覚めると、隣に太宰の姿が無かった。いつもはまだ寝ているはずなのにと疑問に思ってリビングに出ると、キッチンに立つ太宰の姿が見えた。
中也
太宰
中也
テンションが高いなとは思ったが自分の誕生日だからかと分かって、中也は少し照れ臭くなった。
太宰
中也
太宰
中也
休みを取った覚えも紅葉に子供達を預けた覚えも無い中也は頭に「?」が浮かんでいる。
太宰
中也
そう、中也は太宰に、今年の自分の誕生日は、太宰と2人で家で過ごしたい、と伝えていたのだ。去年までは子供がまだ心配で、一緒に誕生日を過ごしていたのだが、今年は子供達も幼稚園に入園した為、ちょっとわがままを言ってみたのだった。しかし中也は、今年の誕生日は金曜日、つまり平日と分かっていた為、叶うのは土曜日か日曜日になるだろうと思っていたのだ。
中也
太宰
太宰がそう言うと、中也が太宰に抱きついた。
中也
太宰
太宰は堪らず中也の唇に口付けた。中也は優しく微笑んでいる。
太宰
太宰と中也は子供達を幼稚園に預けてから、自宅に帰って来ていた。太宰は帰宅して早々、なにか企んでいる。
太宰
中也
そう言って戻って来た太宰は後ろで手を組んで(実際は箱を持っているのだが)なにやら楽しそうににこにこしていた。
太宰
中也
太宰
中也
太宰に言われた通りに目を瞑っていると、首筋にひんやりした物が触れ、ビクッと肩を震わせてしまった。なんだかカチャカチャと音もする。
太宰
そう言われて目を開けると、太宰に手鏡を渡されて、見てみて、と言われたのでその通りにする。すると、
中也
太宰
鏡に映る自分の首元には、ルイ・◯トンの真珠のネックレスが飾られていた。真珠の、更にネックレスを贈る意味を知らない中也では無い。
中也
そう言って幸せに頬を緩め、中也は太宰の唇に口付けた。中也のにこっと笑う顔を見て、太宰も微笑み返したのだった。
そしてその後は、2人で映画を観たり、いつもは出来ないお昼寝をしたり、ゲームを楽しんだりして1日を過ごしたのだった。そして午後の4時になる頃に、今日は早めの夕飯にしようと2人で夕飯を作り始め、その後夕飯を食べていた。
中也
太宰
中也
太宰は、サプライズするって言っちゃってるよ、と思いながらも嬉しくて微笑んだのだった。
その後、2人は夕飯を食べ終え、歯を磨き、一緒にお風呂に入り、髪を乾かしあった。まだ寝るには早いので、中也はこのあとゆっくりテレビでも見ようと思っていたのだが、太宰はどうやら違うようだった。
太宰
中也
太宰に呼びかけられ、中也が太宰の方を振り向くと、太宰の手には紅色の薔薇の花束が。
中也
太宰
そう言って太宰は改まって話し出した。
太宰
太宰
「生まれて来てくれてありがとう」 それは中也にとって、何よりも嬉しく、心に響く言葉だった。その言葉に中也は号泣してしまい、太宰はぎゅっと中也を抱きしめた。
中也
太宰
中也が大体泣き止み、落ち着いてきた為、太宰は中也の目元の涙を拭ってあげた。そして顔中に慈雨のくちづけを降らす。
太宰
中也
その言葉は中也にとって軽く言えるものじゃない。太宰はそれが分かっているからこそ、そう言ってくれたことが嬉しくて、幸せで。堪らず太宰は中也の唇に口付けた。そして太宰は中也を横抱きにし、寝室へと消え、朝まで愛し合ったのだった。
次の日、中也が起きたのは正午だった。昨日の8時から今朝の4時まで繋がっていたのだ、体の疲労が大きかったのだろう。
中也
中也が横を見ると、寝台の隣で椅子に座って本を読んでいる太宰の姿があった。太宰、と声をかけたのだが、その声はかなり掠れていた。それに、体も全身が痛む。
太宰
そう言われて、声も出すのが辛い中也は、コクンと頷いた。しかし、体の辛さとは逆に、心は満たされていて、顔は微笑んでいる。
太宰
中也
昨日は沢山の「愛してる」を貰い、沢山の「愛してる」を伝え、生まれたことを心の底から喜べた。それがとても幸せで、それを伝えたかったのだ。中也は喉が痛い為、一言しか言えなかったのだが、太宰はしっかりと意図を汲み取ってくれたようだ。
太宰
そうして、太宰は唇に優しくキスをした。
太宰
中也は喉が痛い為、コクンと頷く。
太宰
そう言って太宰が昼食を取りにキッチンに向かったあと、中也は自分の体に残る充血痕を見ていた。
中也
一度考えると、愛しさで胸がいっぱいになってしまい、とうとう涙が溢れてしまった。
太宰が昼食を持って寝室に戻ると、中也が泣いているので吃驚してしまった。
太宰
急いで駆け寄って来てくれる太宰を見て、また愛しさが溢れてしまう。
中也
太宰
中也
それを聞いて、太宰は「ぐはっ」と倒れそうになった。
太宰
その後、中也は太宰の(押し倒さないように耐える)努力の末に泣き止み、一緒に昼食を食べさせてもらい、甘い時間を過ごしたのだった。
そして、午後5時頃になり、太宰が子供達を迎えに行っている間、中也は寝室で留守番をしていた。
中也
そう、太宰は一日中ずっと中也の隣にいた。いつもは子供達のお世話もしなければならず、中也の側を離れることもあるが、太宰だってずっと中也の隣にいたいと思うし、中也を甘やかしてあげたいとも思う。
中也
その後、太宰と子供達が帰って来た。
心治
愛也
子供達は元気よくただいまを言ったのだが、中也から返事がない。
心治
愛也
太宰
心治
愛也
実際は喉が痛くて声が出ないだけなのだが、太宰のフォローにより、そういうことになった。
太宰と子供達が帰って来て、1時間ほど経ったとき、太宰が寝室に中也を呼びに来た。
太宰
中也は自力ではまだ歩けそうになかった為、首を横に振った。しかし、子供達と一緒にご飯を食べたいので、口パクでそれも伝える。
太宰
そう言って太宰は中也をひょいと横抱きした。
太宰
太宰にそう問われ、中也はコクンと頷く。そして、嬉しそうに太宰に擦り寄った。
太宰
そう言って太宰も中也の額に口付けた。
子供達は、中也が太宰に横抱きにされて運ばれて来たのを見て…全然驚いていなかった。太宰家にとっては中也が太宰に運ばれてくるのは日常茶飯事で、更に子供達は毎日両親がいちゃついているのを見ているのだ。
心治
愛也
中也は言葉で返せない代わりに、子供達に笑って見せた。太宰は慣れた手つきで中也を椅子に下ろしている。
太宰
心治
愛也
そうして「いただきます」をして、夕飯を食べ始めた。中也は太宰に食べさせてもらっていて、嬉しそうだ。これもいつも通りなので、子供達は全く動じない。
心治
愛也
中也はコクンと頷いた。
太宰
心治
愛也
心治
愛也
中也は驚きで口をパクパクさせていた。「まだ、3歳だぞ?包丁使ったのか?怪我してないか?」と、心配性な中也は、太宰に目で必死に訴える。
太宰
そう言われて、中也はほっと胸を撫で下ろしたと同時に、子供達の成長を感じてほっこりした。
そうして子供達の話を聞きながら夕飯を食べ進め、みんなが完食したとき、子供達がにやにやし始めた。
心治
愛也
太宰
心治
愛也
中也は何のことか分からず、首を傾げていた。太宰はその仕草が可愛くて、頬が緩んでしまう。その間にも子供達は何やら準備していた。
心治
太宰
愛也
太宰
一同
その掛け声と同時にクラッカーが鳴り、部屋中に色とりどりのテープがふわりと広がった。中也は驚きで声も出ない。そこに愛也が何やら紙袋を持って来た。
愛也
そう言われて紙袋の中身を見てみると、可愛らしいマグカップが入っていた。
心治
愛也
子供達が大好きと言って抱きついて来て、嬉しさの余り、中也の双眸から涙が溢れた。
心治
愛也
太宰
太宰は子供達に説明しながら、中也の背中を優しく摩っていた。子供達は、嬉し泣きというのを体験したことが無い為、説明されても如何すればいいのか分からず、「ママ大丈夫?」と中也を心配していた。
太宰
中也は小さくコクンと頷いた。
太宰
そう言って太宰はキッチンに向かい、何やら箱を持って戻って来た。
心治
愛也
太宰
箱に入っていたのは、沢山のフルーツとホイップクリームで飾られたホールケーキだった。早速切り分けてみんなで食べる。中也は、口いっぱいにクリームを頬張る子供達を見て、幸せに自然と頬が緩み、太宰の肩に頭を乗せた。
太宰
中也は太宰の顔を見て微笑んだ。その意図を汲んだ太宰も微笑み返した。
太宰
そうして中也の誕生日は幸せに溢れたものになったのだった。
主
主
主
主
主
短編
中也の誕生日の1ヶ月前、太宰は中也に「誕生日は家で2人で過ごしたい」と可愛いお願いをされ、早速次の日にポートマフィアの首領室に来ていた。
森
太宰
森
太宰
森
太宰
そう、森は太宰に借りがあるのだ。お花見のときの借りが!!
太宰
紅葉
太宰
森
太宰の手には幼稚園からのお便りが握られていた。そこには「祖父母参観」と書かれている。
太宰
森
太宰
森
太宰
そうして太宰と森の取引は無事成立したのだった。森さん、子供達に甘すぎます!ポトマいつか潰れますよ!!