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涙は流れ星

第2話 - 《はじまりの予兆》②

2019年11月13日

#友情

#学園

#恋愛

#不思議

詩

雫

（頭がついていかない！！）

海

雫ちゃんでさー？

雫

え、あ、なに？

海

触るのこわい？

雫

（ストレートだな…。）

雫

そりゃぁ…
怖くてたまらないよ。

雫

（言っちゃった、ついに
人に言っちゃった。）

海

やっぱりかー。さっき
すっごい手震えてたし。

雫

あ…。

雫

（やっぱダメだな…。）

雫

（もっと堂々としと
かなきゃ…。）

雫

（今回は相手が
良かっただけ。
普通なら怪しまれる。）

雫

（相手…。）

そう思って小泉くんの方を見た

すると小泉くんもこっちを見た

海

なに？

雫

（あぁ…優しい笑顔。）

雫

ううん、過去が見えるって
どんな感じなのかなー
って思ったの。

雫

（思ったことを
そのまま口にした。）

雫

私は未来が見えるけど、
未来と過去は
正反対だからさ…。

雫

（なぜだろう…）

心が軽い

雫

（自分の意見が
言えてる…。）

雫

（“同じ”っていいなぁ。）

海

雫ちゃん…？
何かいいことでもあった？
急に笑っちゃって〜。

雫

えっ！
私、笑ってた？

海

うん、下向いてたけど
嬉しそうに。

雫

そっか…笑ってたんだ。

雫

（笑えたんだ。
無表情じゃなかった…！）

海

でもねー、
過去が見えてもいいこと
なんて一つもないよ。
全部わかっちゃうもん…。

雫

全部…？

海

そう、全部。

海

例えば、
『これは私が作ったの！』
って言って渡されても、
箱を持てば親が作ったってこと
わかっちゃうことあるし。

雫

（箱を持てば…？
人じゃなくて…？）

雫

もしかして…
“物”の未来も見えるの？

海

……そうだよ。

雫

（あ…笑顔が曇った。）

長い沈黙が続いた

雫

（地雷…だったかな？）

海

職員室ついたよ。

雫

え、ありがとう。

雫

（やばい、
この雰囲気を
早く断ち切らないと…！）

雫

と、ところでさ、
何でさっき私に
声かけてくれたの？

海

……なんとなく。

雫

………へ？

海

からかい甲斐の
ありそうな子だなぁって…
まぁ、“同類”だったのは
驚いたけど。

雫

（何よそれ…
からかいがい？それだけ？
からかうつもりだったの？）

雫

（ひどくない？）

海

ほら、入らないの？

雫

入る…。

海

じゃあ、
また教室でねー。
雫“ちゃん”。

雫

雫でいい。

海

そう、
じゃあ俺も海でいいよ。

雫

うん。
ありがと海。

海

どういたしましてー。

不思議な人だ

川内先生

如月さーん、
そろそろ教室行こうか。

川内先生が職員室からこっちへ来た

雫

（私は今校長室にいる。
さっきまでは校長先生と
話していたけど、
始業式の準備で体育館へ
行ってしまった。）

雫

分かりました。
今、行きます。

そう言って、川内先生について行く

教室は二階にあるらしい

川内先生

そーだ、如月さん、
軽く、自己紹介して
もらうから、何か
考えといてね。

雫

え、自己紹介…ですか？

川内先生

そう、自己紹介。
『どこから来た。』
とかでいいよ。

雫

はい…分かりました。

雫

（自己紹介って…
急に言われてもなぁ。）

雫

（もういいや、
なんでもドンとこい！）

雫

（４の１…着いた。）

“ガラガラガラ”

川内先生

はーい、みんな席について。
転校生を紹介する。
入っておいで。

雫

（ついに…だ。）

雫

こんにちは、
如月雫と言います。
奈良の下の方にある
月宮小学校から来ました。
よろしくお願いします。

雫

（奈良の下の方…と言ったのは
ここが並の上の方だからだ。）

雫

（大和地方あたりの…。）

川内先生

えー、何か質問ある人、
できる限りは如月さんが
答えてくれるから。

雫

え…！

雫

（そんなの聞いてない！）

？？

はい！好きな食べ物は
なんですか？

雫

あ…

雫

（早速！？）

雫

えっとー、苺が好きです。

雫

こんな感じで…
よかったかな？

？？

ありがとう、
ちなみに私は東真由です。
よろしくね。

雫

よろしくお願いします。

雫

（あぁー優しい人。）

雫

（真由ちゃんか〜。
覚えとこっと。）

海

はーい、次俺ー。
如月さんの名前って
どんな漢字で書くんですか？

雫

（あ…海だ。）

川内先生

じゃあ、如月さん、
黒板に書いてくれる？

雫

…はい、
分かりました。

雫

（海の質問、
なんだか嘘くさい。
だって海は私の名前の漢字
知ってるはずだから。）

“ｶｯｶｯｶｯ…ｶｯ”

雫

書きましたけど…。

MOB1

うわっ！字、きっれー。

MOB2

ほんまや…。

MOB3

えっ！すごーい！

MOB4

先生よりも
綺麗だったりしてね。

MOB1

それはないっしょ。

MOB2

いや、あるかも。

雫

えっとー…。

雫

（海の方を見たら、
なんかポーズして
『ナイス☆』って
言ってる気がした。）

雫

（あぁ、そうか。）

はめられた

涙は流れ星

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