須藤 りんたろう
綾…
綾がこの世にいなくなってから数ヶ月
俺はいまだに綾のことを引きずっている
須藤 りんたろう
そういえば
須藤 りんたろう
綾のお母さんからもらった物
須藤 りんたろう
DVDだったよな…
須藤 りんたろう
見てみよ
DVDを読み込む音が静かな部屋に響く
ぱっと画面に一人の女の子と部屋が現れた。
綾だ。
その女の子は綾だった。
豊島 綾
あ、これ撮ってます?
看護師
はい。撮ってますよ
豊島 綾
ありがとう御座います
看護師
じゃあ失礼します
豊島 綾
はい!
豊島 綾
……
豊島 綾
えーと
豊島 綾
りんたへ
豊島 綾
急にいなくなってごめん。
豊島 綾
そして私の病気を教えなくてごめん。
豊島 綾
私の病気は白血病
豊島 綾
そして余命は一年だった。
豊島 綾
でも、私はもともと体が弱かったから
豊島 綾
友達が出来たとしても皆離れて行っちゃったんだ。
豊島 綾
そんなときにりんたが友達になってくれた。
豊島 綾
ありがとう。
豊島 綾
嬉しかった。
豊島 綾
最後にお出かけしたとき
豊島 綾
あれは私の余命があと僅かだったからなのかな?
豊島 綾
でも
豊島 綾
死ぬ前に…いい思い出ができたよ
豊島 綾
グスッ
豊島 綾
人はいつか死んじゃうけど
豊島 綾
グスッ
豊島 綾
私はそれが少し早かっただけだから
豊島 綾
ごめんね…
豊島 綾
最後に一つ
豊島 綾
私はりんたのことが好きだった
豊島 綾
いや
豊島 綾
大好きです。
豊島 綾
仲良くしてくれてありがとう
須藤 りんたろう
綾……
あのとき以来出てこなかった涙が
次々と溢れ出てきた
須藤 りんたろう
綾…俺も…
須藤 りんたろう
好きだったよ
この感情は今は届きはしない。
後悔した。
気持ちを伝えておけばよかった。
須藤 りんたろう
……
須藤 りんたろう
綾の様な人を助けられるような人になりたい。
それが俺の夢になった。