ある時代、その時代はとても発展していた。
その時代は少しずつロボットが暮らしに浸透していた。
ロボットは親のいない子供の親となり、
友人のいない人間の友人となり、
恋人のいない人間の恋人となった。
ある少女もまた、同じだった。
少女の母
ミユキ
ミユキ
少女の母
少女の母
少女の母
少女の母
サリー
ミユキ
ミユキ
サリー
サリー
ミユキ
ミユキ
サリー
身体の弱い少女は友達がいなかった。
しかしロボット違った。
ロボットの使命は少女あってこそ。
全て少女のために行動するロボットは
最高の友達となった。
ミユキ
サリー
ミユキ
サリー
ミユキ
サリー
ミユキ
サリー
ミユキ
ミユキ
ミユキ
サリー
ミユキ
サリー
ミユキ
サリー
少女とロボットはまるで最初からそうだったように
とても気が合い、とても仲が良かった。
いつしかロボットは友達から家族になった。
幼かった少女は大人となり、仕事に就いた。
少女は忙しくはなったが、それでもサリーを大切にした。
サリーもそれで満足していた。
ロボットは少女にとっては身近なものだが、
まだ世間てきにロボットはあまり身近なものではなかった。
少女とロボットはよく出かけたが、
やはり周りからの視線は好奇に満ちていた。
サリー
人間の男
人間の女
人間の男
この日、ロボットはいつも通り 買い物に出ていた。
もちろん大きくなった少女のためだ。
仕事で疲れた彼女のためのご飯の材料を買いに行くのだ。
サリー
人間のように信号待ちをするロボットを、 周りは珍しそうに見ていた。
そんな人混みのなか、小さな影が通り過ぎた。
人間の女
人間の男
サリー
人間の男
人間の女
人間の男
サリー
人間の女
「サリーが身体の弱い私の友達になってくれたみたいに」
「弱ってる人や生き物を助けてあげてね。」
サリー
サリー
人間の男
店員
ミユキ
ミユキ
ミユキ
ミユキ
「続いてのニュースです。」
「○○市○○付近の交差点で 乗用車が歩道に乗り上げる事故が起こりました。」
ミユキ
「乗用車の運転士を含め、怪我人はおらず」
ミユキ
ミユキ
ミユキ
「運転士曰く、」
「道路に飛び出したAIロボットと衝突し、 歩道に乗り上げてしまった。とのこと。」
ミユキ
ミユキ
「AIの登録番号から持ち主は『森咲美雪』さんという…」
「警察は器物破損事件として周囲の捜査を…」
ミユキ
ミユキ
ミユキ
ミユキ
ミユキ
人間の女
ミユキ
人間の男
人間の男
ミユキ
人間の女
人間の男
人間の女
ミユキ
ミユキ
ミユキ
ミユキ
ミユキ
ミユキ
ミユキ
ミユキ
人間の男
人間の女
「なんか近くで事故があったらしいねー」
「ねーでも大したやつじゃないんでしょ?」
「うん、だって」
「怪我人はいなかったから。」
「ホント、誰も怪我しなくて良かったね。」
サリーはミユキにとっては家族でした。
しかし他人から見たサリーは最後まで物でした。
例えば
ぬいぐるみを 兄弟のように大切にする子供や
花を愛しい我が子のように育てる大人と
少女とサリーは何も変わりません。
生きているかどうか、 それは誰が決められるのでしょうか。
あなたはサリーが生きているように見えましたか?
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント
2件
この話を読んでから悩みまくりましたが、私は生きてるようには見えないですかね。言動も行動も決められたことがベースになっているし、何よりミユキちゃんとの触れ合いも、私はその一部しか見てないので…。まだ生きてるかどうかの判断はブレブレもいいとこですが…。こんなに考えさせられる話を読んだのは久しぶりです。素晴らしかったです!
きのこ様、お久しぶりです。受検が終わりTELLERに戻って参りました、魑魅です。受検中の機種変更のトラブルにより、こちらの魑魅のアカウントが使えなくなってしまったことを、ここでお知らせします。詳細やその他の連絡は近日今のアカウントのストーリーに書きますので、これからもよろしくお願いします🙋♀