テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

XのFFさんのネタ拝借部屋

一覧ページ

「XのFFさんのネタ拝借部屋」のメインビジュアル

XのFFさんのネタ拝借部屋

1 - 第1話 七夕の願い事 ※原案 しゆたさん

♥

1,052

2024年07月07日

シェアするシェアする
報告する

今回は以前にも素敵な漫画を原案としてお借りした、しゆたさんからイラストをお借りしてお話を書きます

切ないニキさんとしろせんせーのお話…… 七夕にまつわるものなので大急ぎで書いていますので、誤字脱字等ありましたらお許しください

あと数日で七夕のある日、俺は外での仕事を終えて近くの商店街を歩いていた

毎年この時期になると、商店街の人が笹飾りをする為、準備をしている

そして、道行く人に声をかけて短冊を配ってかざっている

商店街の人

すみません

商店街の人

もし良ければ、短冊を書きませんか?

毎年、こうやって声をかけられては俺は短冊を書いている

ニキ

はい

商店街の人

御協力ありがとうございます!

俺は1枚の短冊を受け取ると、近くに置いてあった台で書き始めた

毎年書く願いはいつもおなじ……

叶うはずもない、でも叶えたい願い

ニキ

……

ニキ

今年はこれ、やめとくか

自分で書いた短冊を見つめて呟いた

なぜだか鼻の奥がツンと痛んだが、気にせずにそれを乱暴にポケットへ入れた

ニキ

すみません

ニキ

間違ってしまったので

ニキ

もう1枚貰えますか?

商店街の人

あ、いいですよ

ニキ

ありがとうございます

俺は新しい短冊を受け取ると、当たり障りのない平凡な願いを書いて笹へぶら下げた

帰宅して、着替えようと思って服を脱いでいると、先程ポケットに入れた短冊がコロンと落ちてきた

それを拾ってゆっくりと広げた

『ボビーと付き合えますように』

叶うはずのない願い……

それを見ていると、段々視界が歪んで目の端から熱い涙が零れ始めた

慌てて天井を見上げ、涙が止まるようにと瞼を閉じた

ニキ

はぁ……

ニキ

こんなになるくらいなら

ニキ

好きにならなければ……

ニキ

っ……

ニキ

無理だよなぁ……

閉じた瞼の裏には、顔をクシャクシャにして笑うボビーの姿が映る

心底嫌そうに顔を歪めるボビーや、ふざけて意地悪な顔をしたボビー

真剣な顔をして前を向く綺麗な横顔

色んな顔が浮かんでは消えて浮かんでは消えてしていく

ニキ

はぁ……

ニキ

やっぱ好きだなぁ

ニキ

あいつ女好きなのに

ニキ

見込みないのになぁ

気分を変えようとスマホを見ていると、Xの中でリスナーたちがなにやら騒いでいた

ボビーのポストの内容をスクショして貼ってあるものまであった

中身を見てみると……

しろせんせー

『お前はボビちゃんって呼ぶな』

ニキ

ん?

ニキ

これのなにが……

ニキ

っ……

ニキ

はは

ニキ

そりゃ勘違いされるよボビー

りぃちょが「こーらっ!ボビちゃんすぐ匂わせないの!」と言ってるのに対して、ボビーが「お前はボビちゃんって呼ぶな」と答えている

リスナーは、このやり取りで「ボビちゃん」と、呼んでいいのが俺だけなんだと受け取り大盛り上がりしているのだ

ニキ

こんなの俺でも勘違いする

ニキ

罪作りな男だなぁ……

ニキ

はぁ……

ニキ

キッついなぁ

手に持っていたスマホを座っていたソファの隣に置いて、短冊を目の前のテーブルへと置いた

そして、俺は汗を流すために風呂へと向かった

ニキ

なんだか最近

ニキ

毎日入ってる気がする

ニキ

まぁ……外仕事多いし

ニキ

汗かくとさすがに……

風呂が面倒とはいいつつ、汗をかいたら気持ち悪くてはいる

頭からシャワーを浴びながら目を閉じていると、インターホンがなる音がした

ニキ

あれ?

ニキ

誰か来る予定あったかな?

不思議に思いながら、シャワーを止めて大急ぎでタオルで拭きながら用意してあった部屋着を着た

ニキ

はーい

ガチャ

しろせんせー

お!

しろせんせー

やっと出たかw

ニキ

ボビー?

ニキ

どうしたの?

しろせんせー

いや、ちょい近く通ったから差し入れ持ってきたww

しろせんせー

お前、今日は外仕事やったやろ?

ニキ

あーそうだねw

ニキ

よく覚えてんねww

しろせんせー

昨日言うてたやないかww

玄関を開けると、そこにはさっきまで切なく思い出していたボビーが立っていた

ボビーは、俺の濡れたままの髪を見てハッとした顔をした

しろせんせー

もしかして風呂だったか?

ニキ

あーそうだけど

ニキ

終わったからいいよ

ニキ

入って

しろせんせー

おう

しろせんせー

すまんな

ニキ

テキトーに座っててよ

ニキ

俺、髪乾かしてくるから

しろせんせー

おん

しろせんせー

待っとくわ

俺は、ボビーを中に入れて脱衣所へと戻った

ドライヤーをして部屋に戻ると、ボビーが置きっぱなしになっていた短冊を持って見つめていた

慌てた俺は、急いでボビーの側へ駆け寄るとそれを奪い返そうとした

でも、それをボビーに阻止されそれどころか、腕を掴まれ引き寄せられた

ニキ

あぶなっ……

しろせんせー

なぁ……

ニキ

……なんだよ

しろせんせー

ここに書いてあるん

しろせんせー

お前の字やんなぁ

ニキ

……そうだけど?

しろせんせー

これ

しろせんせー

ホンマか?

ニキ

……なにが?

緊張と焦りで喉が渇いて、掠れた声しか出せない

抱きしめられたままというのも居心地が悪かった

鼻先にはボビーがいつもつけてる香水の香りと汗が混ざった匂いがまとわりついて、思考を奪っていく

しろせんせー

ここには

しろせんせー

『ボビーと付き合えますように』って書いてあるやろ?

ニキ

……

しろせんせー

ボビーって俺の事やんな?

ニキ

……

しろせんせー

お前

しろせんせー

俺の事好きなん?

ニキ

……

ニキ

だったら……

ニキ

だったらなんだよ

しろせんせー

飾らんくてよかったん?

しろせんせー

願い事

しろせんせー

織姫と彦星が叶えてくれるかもやん

ニキ

……叶えてくれないよ

しろせんせー

なんでそう思うんや?

ニキ

叶えてくれなかったから

ニキ

毎年書いても

ニキ

叶わなかったし

ニキ

叶うわけが無いから

しろせんせー

ふはww

しろせんせー

毎年書いてたんかww

しろせんせー

お前

しろせんせー

可愛いことするんやなw

ニキ

もういいだろ

ニキ

からかいたきゃからかえよ

ニキ

で、もう離せ

しろせんせー

いやや

ニキ

なんでだよ

ニキ

まだ俺をからかいたいのか?

俺は悔しくて辛くて涙が出始めたのに気づいたが、拭うこともせずにボビーの腕の中で暴れた

ニキ

離せよ……グスッ

ニキ

せっかく……

ニキ

閉じ込めてたのに……

ニキ

なんで暴こうとするんだよ

しろせんせー

……

しろせんせー

泣くなや……

しろせんせー

それに

しろせんせー

勝手に叶わないなんて

しろせんせー

決めつけんなや

聞いたことがないほど優しい声で囁かれて、俺は抵抗するのを忘れて全身の力が抜けてしまった

ニキ

うぅぅぅ

ニキ

優しくすんなよぉ

ニキ

諦められないじゃん

しろせんせー

だから泣くなって

しろせんせー

それに

しろせんせー

叶わないって決めつけんなって

しろせんせー

お前、俺に言うてないやろ?

ニキ

え?

しろせんせー

好きやって言われてない

ニキ

いやだって……

しろせんせー

ほら、こっちむけ

顎を掴まれて至近距離で見つめられて、息が止まるかと思った

真剣な目でこちらを見るボビーからは、からかうような雰囲気はなく、バカにされている感じもしなかった

ニキ

ボビー

ニキ

俺ね

ニキ

結構前からボビーが好きなんだ

ニキ

付き合って……くれない?

しろせんせー

ええで?

ニキ

は?

しろせんせー

いやいやww

しろせんせー

その反応はおかしいやろww

ニキ

いやだって……

ニキ

え?

ニキ

は?

ニキ

ドッキリ?

しろせんせー

あんなぁwww

しろせんせー

仮にも好きなやつの言葉なら信じろよww

頭が真っ白になってボビーが何を言っているのか分からなかった

そんな俺の気持ちを察したのか、ボビーはすごく笑顔になって頬に唇を寄せてきた

しろせんせー

お前可愛すぎなんよw

ニキ

え?

しろせんせー

ふはwww

しろせんせー

まだ分からんか?

しろせんせー

俺もお前好きや

しろせんせー

付き合ってくれ

ニキ

っ……ぅぅぅ

しろせんせー

なんで泣くんww

しろせんせー

あーもうww

ニキ

だってだって……

ニキ

叶うと思わなかっ……

ニキ

ぅぅぅ

しろせんせー

泣くなやw

しろせんせー

ほら

しろせんせー

笑ってくれ

しろせんせー

俺、お前の笑ってる顔好きなんやから

ニキ

っ……

ニキ

ボビー

しろせんせー

ふふ

しろせんせー

なんや?

ニキ

大好きっ!!!

しろせんせー

おんww

しろせんせー

俺もやww

しろせんせー

ニキ……

しろせんせー

キス……してもええか?

ニキ

……ん

真剣な顔で見つめられて、俺は静かに目を閉じた

柔らかく触れるボビーの唇の感触に、俺は頭の中が甘く痺れていくのを感じた

XのFFさんのネタ拝借部屋

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1,052

コメント

10

ユーザー

最高だ~本人達のツイートも使ってるのほんと好き~‪ෆ‪

ユーザー

最高、尊い、可愛い、 莉衣那さんまじで天才…!

ユーザー

やっぱり莉衣那さんの描く小説は最高です!!!!!!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚