TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
引き裂かれた友情 ♯3

一覧ページ

「引き裂かれた友情 ♯3」のメインビジュアル

引き裂かれた友情 ♯3

1 - 引き裂かれた友情 ♯3

♥

100

2018年10月24日

シェアするシェアする
報告する

カフェに行った夜のこと

奈津美、美香、莉子、真弥、美結のグループLINE

美香

それで、どうしましょう?

真弥

ふつーに渋谷駅待ち合わせでいいんじゃないかなぁ?

奈津美

(渋谷!?服買いに行くだけなのに渋谷まで行くの…!?)

莉子

そうだね、現地集合の方がなにかと楽だし

美結

私はなんでも大丈夫です

美香

なつちゃんはどうかしら?

奈津美

いいよ

奈津美

(どうしよ…渋谷に行くまでのお金も考えなきゃ…)

美香

よかった!じゃあ待ち合わせ時間はどうしましょう?

莉子

二時とかでいいんじゃない?お昼は各自食べて来てからってことでさ

真弥

さんせ~!

美結

私も賛成です

奈津美

大丈夫だよ

奈津美

(二時か…じゃあお昼代は大丈夫そうかな)

美香

じゃあ決まりね!明日はよろしくね、みんな!

真弥

んじゃあまやもう寝る~

莉子

もう寝るの?まだ九時なのに 笑

真弥

明日に備えるんだぁ、おやすみみんな~

美結

おやすみなさい

トークが終わったみたいなので、私はLINEを閉じて急いで準備をし始めた

奈津美

どうしよどうしよ…

奈津美

洋服代5000円と仮定して、渋谷まで往復800円でしょ…

奈津美

6000円はいるな…

奈津美

どうしよう…

貯めていた手持ちのお金を全部使っても足りない

だからって今更行けないなんて言えないし、お金無いからって言ってなにも買わないのも嫌だ

奈津美

…お母さん

奈津美のお母さん

…なによ

低い声で返事をしたお母さん

今お母さんは私のためにバイトを掛け持ちして朝から夜まで働いていた

お父さんとは何年か前に離婚した

お母さんは一人で私を育てているけど、桜岡に通うとなるとお金がかかってしょうがないと、いつも私に言ってくる

そんななか、遊園地行くから、お揃いで服買うからお金ちょうだいなんて言えない

奈津美

…明日友達と参考書買ってきたいの、お金ちょうだい

私は嘘をついた

奈津美のお母さん

はぁ…ただでさえ赤字なのに…

奈津美のお母さん

あんたね、桜岡に何円お金払うことになるか知ってる?

奈津美のお母さん

こっちは生活するのに目一杯なのに参考書なんか一緒に買ってなんになるのよ

奈津美のお母さん

あんたどうせ馬鹿じゃないの

奈津美

でも、もう約束しちゃったの!

奈津美のお母さん

はぁ……ほらっ!

お母さんはため息をつくと、1000円札を私に渡した

奈津美のお母さん

1000円で足りんでしょ、用が済んだらさっさとあっち行って

奈津美

うん…

1000円か…

もう少し欲しいけど、これ以上お金は要求出来ない

私はお母さんからもらった1000円と、お小遣いの5000円を財布の中に入れて、鞄の中にしまった

次の日

奈津美

やばいやばい遅刻だ!

私は渋谷駅について美香達を探していた

本当は十二時半頃に家を出る予定が、着る服がなかなか決まらなくてグズグズしてたら一時になってしまっていたのだ

結局服は赤いチェックの長めのシャツに、ジーンズの短パンを合わせた

一般的にみたら普通かもしれないけど、私に言わせればこれは目一杯のおしゃれだった

美香

なつちゃーん!

美香の呼ぶ声がした

私は声を頼りに人混みをかき分けていくと、美香達に会うことが出来た

私は美香達を見た瞬間息を飲んだ

美香達はまるでモデルのように綺麗にきまってきた

美香

なつちゃん!あら、その服可愛いわね

奈津美

え、あ、ありがと…

美結

じゃあみんな揃ったし行きましょう

真弥

いこいこ~!

私達は大きなデパートに行った

美香

あ、せっかくだしお化粧もしません?みんなで一緒に

莉子

いいね、そうしよう

奈津美

え…

つい流れで私も買うことになったけど、化粧代なんて持ってきてない

奈津美

(どうしよ…)

美香

私なつちゃんのこと化粧してあげるわ

美香

ここ座ってくださる?

美香に促されて私は座った

数分後

美香

…出来た!

美香の満足そうな声が聞こえて、私は目を開けた

美香

どうかしら?なつちゃん

美香は鏡を渡してくれたので、私はそれを見た

そこに写っている自分は今までとはまるで別人だった

奈津美

可愛い…

鏡に写っているのは自分なのについ呟いてしまった

美結

可愛い、似合ってますよ

美香

ほんと、可愛いわ、なつちゃん!

莉子

せっかくだし今使った化粧道具全部買っちゃえば?

真弥

うん!いいね!買えば~?

化粧を買っていたら服を買うお金が無くなっちゃうけど、鏡に写る自分を見ていると、そんなこと忘れてしまう

奈津美

…うん、買う!

私と美香達は化粧道具を買って、服売り場に行った

美香

…あ!

真弥

どうしたの~美香

美香

これ、なつちゃんにとっても合いそう!

美香はそう言うとピンクのレースのワンピースを私に当ててきた

美結

可愛いですね!

奈津美

で、でも…

「そんなの買うお金無いの」

言えなかった

莉子

でも…どうしたの?

奈津美

あ…っと…

奈津美

お、お母さんと決めなきゃ

奈津美

服はお母さんと一緒じゃなきゃ買えないの

美香

あら、そうなの?

奈津美

う、うん

奈津美

お母さんが私に似合わないのは着せられないってね

奈津美

困っちゃう

私はにこやかに笑った

まるで自分がお嬢様になった気分だった

真弥

残念だねぇ、かわいーのに

美結

じゃあ今日はもうお開きにしましょ

美香

あ、じゃあ私の家に来てくださる?

美香

それぞれの家まで車で送ってあげるわ

莉子

ほんと?ありがと!

美結

ありがとう、美香

真弥

やった!なつちゃんも一緒に行こ!

奈津美

あ…私は…いいよ

美香

あら、どうして?

家はアパートなのだ

美香達みたいに立派な家に住んでないのに、見せられるはずがない

奈津美

ママに車で迎えに来てもらうから

美香

そう…残念ね

真弥

じゃあバイバ~イ、なつちゃ~ん

美結

さようなら

莉子

じゃあね~

奈津美

うん、ごめんね、バイバイ

美香の家にて

美香

…はぁ

莉子

疲れたね

美香

ほんとよ、なつちゃんとお買い物に来たの初めてだったけど、あんなに貧乏だなんて、びっくりしちゃった

美結

見苦しい言い訳並べてましたよね

真弥

ほんと、バレバレなのにねぇ~、貧乏なの

美香

「ママに車で迎えに来てもらう」って、なんなの?

美結

どうせアパート住まい、車なんてないんでしょうに

莉子

ほんと、笑わせてくれるよね

美香

私達のレベルをわからせるにはもっとやらないと駄目みたいね…

この作品はいかがでしたか?

100

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚