クラスメイト
それじゃヒロ、バイバイ!
ヒロ
うん、また明日ね
ヒロ
(……やっと一人になれた)
ヒロ
(今日も疲れた……けど……)
たっつん
『しゃべりすぎってことはないやろ!いい物作るにはコミュニケーション取るべきやし!』
うり
『あっはっは!この感じ久しぶりだなぁ〜』
じゃぱぱ
『じゃあ___作業、始めようか』
ヒロ
…………
ヒロ
(今日は実家、帰るんだった)
ヒロ
(もう一つのパソコン、シェアハウスにもっててそれで作業しようかな。)
ヒロ家 実家 リビング
ヒロ
…………
ヒロ
___ただいま、お母さん
ヒロの母
おかえりなさい、ヒロ。今日の学校、どうだった?
ヒロ
今日は何があったかな………。あ、体育でソフトボールがはじまったよ。
ヒロの母
あら、そうなのね。 いいストレス解消になりそうだわ
ヒロ
…………うん。体を動かしたおかげかな、 午後は集中して勉強できた気がする
ヒロの母
そう、よかったわね
ヒロの母
ところで
ヒロの母
シェアハウスの方はどうなの?
ヒロ
え………。楽しみよ!みんな優しいし、勉強を教えてくれる子もいる。
ヒロ
すごく楽しいよ。
ヒロの母
そう、そっちでも勉強できてるならいいわ。
ヒロの母
お腹も減ったでしょう?今日は早めにお夕飯の用意をするから、着替えてらっしゃい。
ヒロ
うん。じゃあ上に__
ヒロの母
あ、そういえば……
ヒロ
………? どうしたの?お母さん
ヒロの母
ヒロのカメラなんだけれど_
ヒロの母
今日、捨てておいたわ
ヒロ
………え?
ヒロの母
ヒロが動画作りをやりたい気持ちは、とてもわかるんだけれど………
ヒロの母
カメラが家や、シェアハウスにあると、どうしても気になってしまうでしょう? 今は、勉強に集中できる環境にしたほうがいいと思ったの。
ヒロの母
それに、ヒロももう『動画作りはやめる』って言っていたから。早いほうがいいと思って
ヒロ
………そっ……か………
ヒロ
……大丈夫だよ。今は………必要のないものだし……
ヒロの母
ヒロそうよね。ヒロの気持ちも同じで、よかったわ
ヒロ
………うん
ヒロの母
あ………それからひとつ、謝らなくちゃいけないことがあるの
ヒロ
え……?
ヒロの母
ほら、調べ物のためにパソコンを借りていたでしょう?
ヒロの母
今日も少しだけ借りていたんだけれど、 飲み物をこぼしてしまって……
ヒロ
………!
ヒロの母
電源がつかなくなってしまったから、 お昼に修理に出してきたの
ヒロの母
本当にごめんなさい。学校で提出しなくちゃいけない課題は 入ってなかったかしら?
ヒロの母
もしそうなら、お母さんから先生に___
ヒロ
……本当、に……?
ヒロの母
え?
ヒロ
それって、本当に……
ヒロの母
___本当に?
ヒロ
あ……
ヒロ
…………なんでも…………ないよ。課題のデータは、問題ないから……
ヒロ
着替えてくる……
ヒロの部屋 実家
パタン
ヒロ
…………(ハイライト無
ヒロ
………どうすれば、いいの………?
ヒロ
噛みつく…………
ヒロ
でも……………そんなこと……
ヒロ
そんな、こと…………
翌日
桃高校 屋上
うり
………っは一。授業、めんどくさかった〜
うり
このままじゃ留年するぞーって脅されたから来たけど、 正直今はそれどころじゃないんだよねぇ
うり
…………っと、もうすぐお昼か。通話につながないとね
うり
『___やっほー!本日は桃高の屋上よりお届けしまーす!』
もふ
『あ………うり、今日は登校してたんだ』
うり
『うん。出席日数がー!って言われてさ~。 そういうわけで今日は作業っていうより おしゃべりしにきたって感じかな♪』
えと
『それで、ヒロくんは?』
ゆあん
『まだ。でも、もうちょっと待てば来るんじゃない?』
シヴァ
『ていうか、このままいくと俺達、作業が夜。じゃなくて、 作業が昼。になりそうっていうか……………』
ヒロ
『………待たせてごめん』
うり
『あ、ヒロくん!………あれ、今日はポイチャ大丈夫なの?』
ヒロ
『………うん。………人があまり来ないところに来たから』
うり
『そっか!………ていうか、ヒロくん…………』
うり
『なんか………いつもより元気なくない………?』
ヒロ
『…………』
じゃぱぱ
『……もしかして、また何かあったの?』
どぬく
『…………ヒロくん?』
ヒロ
『…………』
ヒロ
『………カメラを、捨てられて…………』
🍑🌈(ヒロ以外)
『え………?!』
ヒロ
『今はパソコンも………ない』
うり
『あ……………』
うり
(もたもたしてるとヒロくんのお母さんが、 ヒロくんとボク達をもっと引き離そうとするかもしれないし……)
うり
(___そうしたらヒロくんは、もっと苦しむことになる)
うり
(ついに……………動き出したんだ……)
ヒロ
『………今は、スマホで連絡できるし………作業もできる』
ヒロ
『でも、この先………どうなるかわからない』
ヒロ
『その……ごめん。』
のあ
『………っ。それ、ヒロさんが謝ることじゃないですよ……… !』
ヒロ
『………。ごめん』
じゃぱぱ
『……………』
うり
『でも………万が一そうなっても、その時は、いつもみたいにシェアハウスで会おう!』
うり
『今のうちに曜日と時間決めてさ。それならもし連絡取れなくなっても、話せるでしょ?』
ヒロ
『………うん』
ヒロ
『…………ありがとう』
うり
『ヒロくん…………』
ゆあん
『……っ』
ゆあん
『………本当に、それで終わらせていいの……?』
るな
『ゆあんくん……………』
ゆあん
『ヒロくんの、大事なものを捨てられたんでしょ?』
ゆあん
『それって、ヒロくんの想いが____ヒロくん自身が捨てられようとしてるのと、 ほとんど同じことでしょ…………!』
ヒロ
『…………それは…………』
ヒロ
『でもお母さんは………俺のことを___』
ゆあん
『……………っ!』
ゆあん
『もし………もし百歩譲ってそうだとしたって、 もうそんなこと言ってる場合じゃない……!』
ゆあん
『ヒロくんが母親に怒らないと……このままじゃ___ヒロくんが壊されちゃうじゃん………!
ヒロ
『………っ』
ヒロ
『で、も………』
ヒロ
『でも、それは…………できない………』
ゆあん
『っ………!それでも___』
ヒロ
『できない!!』
ヒロ
『俺には………できない……!!』
ゆあん
『………っ!』
ヒロ
『………怖いの……』
ヒロ
『理由はわからないけど………ずっと……………』
ヒロ
『怖いの……!』
うり
(ヒロくん…………)
ヒロ
『………ごめん』
ヒロ
『授業があるから、もう………戻らないと……』
うり
『…………っ、ヒロくん!』
うり
『___明日も待ってるから!』
ヒロ
『……………』
うゆ
次回
向き合えないまま