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#妄想
memi(めみ)
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MIO🐰🍓@フォロバ絶対
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上京の日程が決まり、少しずつ時間が進んでいった。
ただ『東京に行く。』
その一言だけで終わるはずなのに、
それを口にするのは簡単ではなくて、
同期、先輩、後輩に少しずつ話していった。
それでも、最後まで話せなかった人がいた。
佐野晶哉
自分でも不思議なぐらいだった。
仕事やレッスンで顔を合わせれば いつも通り話す。
くだらない事で笑うこともあって。
後輩だけど、同い年。
ずっと私の事を気にかけてくれてた。
そして何より、
晶哉は私の事をずっと大切にしてくれたのが 伝わってたから。
感じていたから。
だからこそ 言えなかった。
上京が決まったすぐの日。
私は喫茶店に向かった。
マスター
マスター
百花 瑞希
マスター
百花 瑞希
百花 瑞希
マスターが顔を上げた。
私は少し迷って、口を開いた。
百花 瑞希
百花 瑞希
『東京』という言葉が、店の中にフッと落ちる。
マスターは少し驚き、微笑んだ。
マスター
マスター
百花 瑞希
マスター
私はその言葉に、少し目を伏せてしまった。
百花 瑞希
高校生から約5年間、
学校が終わればここに来て、
マスターとお客さんとまったり会話して、
晴れ晴れとした気持ちで帰る。
その繰り返しだった。
20歳になるまで、ずっと変わらなかった場所、
東京に行くという事は、
そういうものを1つずつ置いていくという事。
マスター
マスター
マスター
マスター
百花 瑞希
マスター
百花 瑞希
マスター
百花 瑞希
上京後の新居について、
事務所から呼び出された。
なんと、事務所側から何個か候補を上げてくれていた。
気になる物件を見つけ、 スタッフさんと内見に向かった。
ドアを開けると、
まだ誰も住んでいない、真っさらな部屋。
スタッフ
スタッフ
百花 瑞希
私は部屋をゆっくり見渡した。
何もない。
家具も家電も何も。
生活の気配すら感じない。
なのに、ここが私の家になる。
百花 瑞希
小さく呟いた。
大阪を離れる。
東京で暮らす。
頭では分かっていたけれど、
初めて現実になった気がした。
翌日、 仕事の都合で暫くホテル暮らしだった私に、
急に先輩たちからバンバンメッセージが届いた。
その内容は誰も同じで、
『家具買いに行こ』だった。
誰から聞いたのか、
どこから漏れたのか分からないけれど。
半強制的に連れていかれた。
ベッドや家電系
机やソファー、カーテンなどの細々とした家具類。
全部自分で選ぶつもりだった。
けれど気づけば、周りの先輩たちが一緒になって選んでくれていた。
『こっちの方が瑞希っぽい。』
『こっちの方が使いやすいやろ?』
『せっかくやしええもん買うとこ。』
『東京行ってもちゃんと飯食えよ。』
そんな言葉を聞く度、
東京へ行くことが、少しずつ現実的になっていった。
そして、同時に。
大阪を離れる日が近づいていた。
結局最後まで言えなかった。
佐野に伝えたのは上京する1週間前で、
ただ『ご飯行こ。』って誘った。
その日は特別な日なんかじゃなくて。
いつもと同じような時間。
いつもと同じような会話。
だからこそ、切り出すのが難しかった。
百花 瑞希
百花 瑞希
佐野晶哉
百花 瑞希
晶哉の表情が一瞬だけ止まった。
けれど、それはほんの一瞬だった。
佐野晶哉
佐野晶哉
それだけだった。
私は何も言えなかった。
本当はもっと何か言ってくれると思ってた。
寂しいとか、
嫌やとか、
大阪におって欲しいとか。
でも晶哉は言わなかった。
だから、何も聞けなかった。
ただ、
百花 瑞希
そう言う事しか出来なかった。
晶哉は笑っていた。
でもその笑顔が、いつもより寂しそうだった。
それは気付いてた。
けれど、気付かないふりをした。
上京当日。
私は両親に感謝を告げて家を出た。
そして、大きな荷物を持って駅に向かった。
駅で末澤と待ち合わせしていた。
最後に必要な物を買って、
『これ東京でも使うやろ』って言って 予定になかった物まで持たされた。
いつもと変わらない時間。
けれど、今日で大阪を離れる。
その事だけはずっと頭の隅にあった。
末澤誠也
百花 瑞希
末澤誠也
百花 瑞希
末澤誠也
末澤はずっと私を引き止めてくれてた。
『まだもうちょっとだけ』
『まだ時間あるやろ?』とか
そんな風に。
それが末澤なりの『行かんといて。』なんだと分かってた。
だから、強く振り切る事は出来なくて。
でも気付けば予定していた新幹線の時間で、
百花 瑞希
末澤誠也
末澤はすぐには動かなかった。
でも私は急かさなかった。
2人とも分かっていた。
ここで別れたら、本当に遠くへ行ってしまう。
百花 瑞希
私はポツリと呟いた。
聞かせるつもりなんてなかった。
けれど、隣にいた末澤には聞こえてた。
末澤誠也
百花 瑞希
百花 瑞希
少し作り笑いで誤魔化した。
でも、その笑顔が無理していることくらい、末澤には分かってたんだと思う。
末澤誠也
百花 瑞希
末澤誠也
百花 瑞希
末澤誠也
百花 瑞希
末澤誠也
百花 瑞希
末澤誠也
百花 瑞希
末澤誠也
末澤はこれ以上何も言わなかった。
『会いに行け』とも言わない。
『佐野を待とう』とも、
ただ、
末澤誠也
そう言った。
その言葉に私は少し目が潤んだ。
百花 瑞希
末澤誠也
私は、東京に着いたら迎えや荷解きを小瀧くんと約束していた。
だから、急いで連絡をした。
百花 瑞希
百花 瑞希
百花 瑞希
末澤誠也
百花 瑞希
その瞬間、私は思った。
もしかしたら、
最後に晶哉に会えるかもしれない。
それだけで胸の奥が少しだけ暖かくなった。
一方で、
佐野はまだ知らない。
自分が『送りに行かない為』に入れた仕事が 終わった後、
私たちが駅で待ってる事も、
そして、その時間を作ったのが、
同じグループの末澤だった事も。
コメント
1件
めっちゃ切なかった、、、😭 特に晶哉に「頑張ってください」って言われたシーン、あの一瞬の間と笑顔が寂しそうだったところが頭から離れないよ…。末澤が「瑞希が会いたい言うたから」って時間変えさせてくれるの、優しすぎるでしょ😢💕 最後に会えるのかな、ドキドキしながら続き読むね!