ボスキ
よう。主様。帰ってきてたんだな。
主
うん。ただいま。
ボスキ
最近、朝と夜で温度差が激しいから、体調崩してやしないかと心配していたところだ。
主
大丈夫だよ。もう、元気いっぱい。
ボスキ
そうか。それならよかった。
ボスキ
ところで、こんなとこに1人できてムーは一緒じゃないのか?
主
なんかさっきの昼ごはん食べすぎたみたいで、今はお手洗いにいってるところ。
ボスキ
そうか。あいつ食い意地だけははってるからな。
主
ふふっ
ボスキ
じゃぁ、主様も来たことだし、せっかくだ。一緒にその辺でも散歩しないか?
主
うん。する。
ボスキ
そういや、来月はハロウィンだが、主様はその日空いてるか?
主
うん。毎年恒例だもん。ちゃんと休み取るよ。
ボスキ
じゃぁ、朝からいるんだな。
主
うん。また、みんなの衣装やサプライズ見れるの楽しみにしてるね。
ボスキ
もちろんだ。主様が喜ぶってんなら、どんな俺にでもなってやるよ。
主
楽しみ。
しばらく、歩くとベンチがあったので、2人で腰掛ける。
ボスキ
なぁ、主様。
主
なに?ボスキ。
ボスキ
主様は、怖くないか?辛くないか?
主
え?
ボスキ
この世界は危険と隣り合わせな世界だ。いつ、天使が襲ってくるかわからない上、貴族連中に悪魔執事は目をつけられているから、その主である主様も目をつけられている。盗賊やその他の悪も存在する。
主様はこの世界の人間じゃない。向こうの世界…あちら側の方が安全なはずだ。少なくともこの世界よりは。
主
…確かにそうかもしれないけど、何があってもみんなが私を守ってくれるって言った。それに、私もみんなの助けになりたい。少なくとも私だけは、ずっとみんなの味方でいたい。
ボスキ
そうか…。すまねぇ。らしくねぇこと聞いちまったな。そうだな。主様はそう言ってくれるよな。
なら、俺からも誓わせてくれ。
そういうと、ボスキは主の前に跪き、主の右手をとると
ボスキ
俺は、絶対に主様を危険に晒したりなんかしねぇよ。もし、主様が、危険な状況に置かれたとしたなら、俺の手が届く範囲、いや、どんな場所であろうと全力で主様を守る。だから、何かあった時は、真っ先に俺の名を呼んでくれ。必ずかけつける。
主
うん///ありがとう。
ムー
主様~!どこですかぁ~!主様~!
主
あっ、ムーが来たみたい。
ボスキ
だな。そろそろ戻るか。
主
うん。
ムー
あっ、主様!!よかった。トイレから戻ったら主様いないから心配しちゃいました。ボスキさんと一緒にいたんですね。
ボスキ
おい。ムー。トイレといえども、主様から離れる時は、近くの連中に声掛けなきゃダメだろ。主様を1人にして何かあったらどうするんだ?
ムー
すっすみません。次から気をつけます。主様も1人にしてしまい、申し訳ありません。
主
全然気にしてないよ。それに、何かあったらボスキが私を助けてくれるんでしょ?
ボスキ
当たり前だ。主様は大切な人だからな。絶対に守るに決まってるだろ。そのために俺はここにいるんだからな。
主
/////
サラッとかっこいいセリフをいうボスキに主は照れると
ムー
主様、顔が赤いですが、大丈夫ですか?もしかして、熱があるんじゃ?!
主
ちっ違うの!!なんでもないから。大丈夫だから!さぁ、部屋戻ろ!ムー
ムー
わっ、わかりました。何かあったら言ってくださいね。僕も執事ですから、主様のお役に立てるよう頑張りますから。
主
ありがとう。ムー。
そうして、部屋に戻って行く主の後ろ姿をみながらボスキはつぶやく。
ボスキ
大切な人…か。まさか、俺がこんなに心惹かれるとはな…。やっぱり主様は俺にとってそれだけ特別で何者にも変え難い存在になってたんだな。
主
(今日のボスキ…なんかいつもと違ったな。かっこよかった…ってこれじゃまるで、私、ボスキのこと好きみたいじゃない!!)
ムー
あっ、主様?急にどうしたんですか?!
主
ご、ごめん。なんでもないの。気にしないで。
ムー
そうですか。それなら良いですが、何かあったのかと思ってしまいました。
主
ほんとごめんね。ビックリさせちゃって。あはははっ。
興奮で我を忘れていたことをムーに気付かされる主。
果たして、この恋の行方は…。