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いつからだっただろう。
このオリに囚われているのは。
十亀条
朝起きて、最初に目にするのはニコニコと笑う十亀の顔。
桜遥
十亀条
桜遥
十亀条
桜遥
十亀条
そう言って、十亀は微笑みながら俺を愛おしそうに見つめる。
十亀条
桜遥
十亀条
桜遥
十亀条
触れるだけのキスをして、十亀は部屋を出て行った。
一人になった部屋の中、改めて周りを見渡すとこの部屋は殺風景だ。
この部屋に来て、どのくらいの時間が経っただろうか。
もうしばらく、外には出ていない。
桜遥
もう一眠りしよう。
自分一人が寝るには大きすぎるベッドに寝転ぶと、再び目を閉じた。
『桜、好きだよ』
十亀の告白から、俺たちは付き合いはじめた。
あのタイマンのときから、十亀のことを考えると胸がドキドキする。
桐生三輝
桜遥
楡井秋彦
蘇枋隼飛
桜遥
蘇枋隼飛
楡井秋彦
桜遥
楡井秋彦
蘇枋隼飛
桐生三輝
桜遥
桐生三輝
自分の想いを自覚して、すぐに受けた告白だった。
すごく嬉しかった。
恋人になってからは、お互いのおすすめの場所を巡りながら散歩したり、いろんな話をした。
愛情というものを知らない俺にとって、十亀との時間はすごく幸せなものだった。
十亀の様子がおかしくなったのは、付き合って1年が経った頃だった。
十亀条
桜遥
十亀条
そう言う十亀は、いつものへにゃりとした笑顔だった。
ただ、その深緑の瞳は全く笑っていない。
思えばこの時から、小さな違和感を感じていた。
それから十亀は、少しずつ俺の行動について言及してくるようになった。
十亀条
十亀条
十亀条
十亀が知るはずのない、風鈴でのことまで言われた。
おかしいと思っていたけれど。
十亀の愛が重いのは知っていたし、俺もそれが心地よかったから。
ずっと、見て見ぬふりをしてきた。
桜遥
今日は完全に油断していた。
最近見回りで忙しく、十亀の家に行けていなかった。
今日やっと時間が作れて、気持ちが浮かれていたのだ。
倒しきれていなかった相手一人が、近くにいることに気づけず、殴られてしまった。
蘇枋たちにはこんぐらい平気だと言ったが、結局病院に連れて行かれて遅くなってしまった。
ガチャッ
桜遥
十亀条
合鍵でドアを開けると、いつもと変わらない笑顔の十亀が立っていた。
桜遥
十亀条
そう、いつもと変わらない笑顔。
桜遥
十亀条
十亀条
いつもと変わらないはずなのに、温度が一気に下がったように感じた。
桜遥
十亀条
そう言う十亀の瞳は、真っ黒に淀んでいた。
初めて、十亀を「怖い」と思った。
十亀条
何を言ってるのか、わからなかった。
なぜ、殴られたことを知っているのか。
あの場所に、十亀はいなかったはずだ。
十亀条
桜遥
十亀条
桜遥
口元に何か布のようなものをあてられたかと思うと、強烈な眠気が襲ってきた。
十亀条
意識を失う寸前に見た十亀は、満足そうに笑っていた。
主
主
主
主
主
主
主