私は轢かれるのを覚悟した
目をギュッと瞑った
轢かれる
そう思ったら何だか気が楽になってしまった
ああ...このまま死ねる
何故かそう思ってしまった
私は轢かれた
はずなのに
蓮楽
ら.....いと?
どうして君が私の目の前に立っているの
雷刀
大丈夫だったな
どうやら車は早めに私に気づいてギリギリの所で止まれたらしい
蓮楽
う"っ.....
蓮楽
ごめ....なさ
雷刀
あ?
蓮楽
ごめ.....んなさ..い...
お前はそう震えた声で俺に言った
雷刀
何がだ?
蓮楽
雷刀を...傷つけて...
蓮楽
雷刀を巻き込んで...ごめ..なさ
雷刀
それ以上言うなよ
雷刀
俺こそごめんな
蓮楽
なんで雷刀が謝るの?
雷刀
俺もなんかイライラしちまっててお前に当たってたからよ
雷刀
俺もごめん
蓮楽
ううん....
そうして私は走り出そうとした
もう、これ以上誰も傷つけたくなかったから
私は走り出した
それなのに...
雷刀
どこ行くんだよ...
蓮楽
どうして...止めるの
君は怒った口調でそう聞いてきた
蓮楽
元々と言えば私が悪いのにさ、こうやって何も悪くない雷刀を巻き込んで
蓮楽
雷刀が傷付いてしまう結果になってしまった
蓮楽
だからせめて
蓮楽
蓮楽
雷刀の為にも居なくなろうって思って走ろうとした
蓮楽
なのになんで雷刀は止めるの...?
蓮楽
雷刀のためなんだよ?
雷刀
俺は一言でもお前にそうお願いしたか?
蓮楽
してない...
雷刀
なら余計な事すんじゃねぇよ"
蓮楽
ひっ....
雷刀
お前はそういう所が悪い所なんだよ
雷刀
いいかよく聞け
雷刀
お前はな
雷刀
人のためだって言ってるけど、それが本人からしたら迷惑だって事だってある
雷刀
それを考えてお前はもう少し行動しろ
雷刀
分かったか"
雷刀
これは俺を巻き込んだせめてものお礼だと思える
蓮楽
......はい...
そういえば昔にも同じような事があったよな
なぁ?あっただろ
雪奈....