ひな
ひな
ひな
ひな
ひな
⚠︎注意 ・irxs ・青桃 ・学パロ
If
If
高二の秋、初めて告白をした
俺の言葉を聞いて、彼はその淡い桃色の目を大きく見開いた
窓から差し込む夕日が、2人きりの教室をふわふわと照らす
ないこ
ちょっと間を空けて、彼…ないこが言った
If
ないこ
If
ないこ
罰ゲームだった
ないこ
ニコニコと楽しそうにデートに誘ってくるないこに若干の罪悪感を覚える
If
ないこ
行こ、と普段と同じように笑ってみせるないこに全てバレた上でからかわれているんじゃないか、なんて思わず考える
ないこ
If
ないこ
軽く拗ねたように頬をふくらませてリュックを背負うないこ
If
そんなことを考えながらリュックを持つとないこが立ち止まった
If
振り返りざまに重なった唇
柔らかいそれがそっと離れる
ないこ
ニヤ、としたり顔で笑う口元からちらと八重歯が覗いた
何も言えなくて少し赤くなった頬を隠すように顔を逸らす
ないこ
なんて前に向き直るないこはもうこちらを振り返らない
感触を思い出すように自分の唇に手を当てる
If
ないこ
教室を出たところでないこがまた振り返る
If
歩き出すないこに続いて教室を出た
ないこ
If
ぐ、とないこが俺の指に自分の指を絡めてくる
ないこ
If
ないこ
If
ないこ
If
ないこ
If
もう既に俺のケーキのいちごにフォークを刺したないこが口を尖らせる
ないこ
If
ないこ
If
ないこ
口にいちごの甘さが広がる
ないこ
に、と笑ってみせるないこ
If
ないこ
ないこ
ないこ
ないこ
If
告白してから約1ヶ月
俺は完全にないこに振り回され続けている
If
机に突っ伏して友人たちに愚痴をつぶやく
If
If
友人
友人2
If
If
友人2
大袈裟に耳を塞いで見せる友人を横目に携帯をいじる
ないこはなんであんな余裕そうな顔してられるんやろ。やっぱ経験?
友人
俺を見ながらにや、と笑ってみせる
友人
If
友人2
If
からかうように笑う友人を軽く小突く
確かに俺だってまさかこんな風になるとは思って居なかったが
ガタンッッ
If
不意に廊下から大きな音が聞こえた
友人
友人2
If
何となく嫌な予感がして、慎重にドアを開けて廊下をのぞき込む
If
教室を少し出たところで蹲る桃色
If
If
If
ポタリ、とないこの目から溢れた涙が床を濡らした
ぽた、ぽた、と大粒のそれは止まることなく、あふれつづける
If
そっと肩に置こうとした手を叩き起される
ないこ
今までに見た事が無い目
いつも弧を描いて俺を見つめる瞳は涙に揺れたまま鋭く俺を睨みつけていた
If
If
If
予想していなかった展開に思わず口篭る
まさか泣くなんて思わなかった
バレたところでちゃんと説明すればいつものように目を細めて「ふーん、俺傷ついたからアイス奢りね」なんて笑って
そんなふうになるって、思ってた
ないこ
ないこ
しゃくりあげるように泣く彼を前にどうすることも出来ず黙り込む
ないこ
ないこ
少し迷ったように止まったあと、絞り出された言葉が鋭く俺を貫く
でもそれ以上に、言われた俺以上に
ないこが傷ついた顔をしていたから
If
最低
強く目元を擦ったないこが立ち上がって踵を返す
If
伸ばした手は1歩届かず空を切った
屋上のドアを開ける。抜けるような青空が広がった。
If
当たりを見回しても人は居らず、あの桃色は見えない
If
立ち入り禁止の屋上。 いつもの真面目なないこなら絶対入らない
いつもなら
If
戻りかけて、ふとドアにかけた手を止める
If
声をかけるとびくりと肩が震えた
ないこ
僅かに震えていて、小さくて、今までに聞いたことの無い声
ないこ
If
ないこ
If
ないこ
ないこ
ないこ
ないこ
ないこ
ないこ
最後の言葉を聞いて思わず強く抱き締める
If
ないこ
俺を引き離そうとする彼の手に力が入る
If
If
If
ないこ
If
If
If
ないこ
If
If
ないこ
If
If
If
If
ずっと言い聞かせてきた
自分の恋は叶わないもので、 これは本当は抱いちゃいけない感情で
本気にしたらだめだって 傷つく前にやめなきゃって
…でも、罰ゲームってことにしたら? 例え引かれてもただの悪ふざけってことにできるんじゃないか
If
結局ないこのことを深く傷つけた
If
握りしめた手のひらに爪が食い込む
でもこんなものよりずっとないこは苦しくて、痛くて、辛い思いをしたはずだから
ないこ
沈黙を破ってないこが口を開いた
伏せられた瞳からまた1粒涙がこぼれ落ちる
If
ないこ
If
If
ないこ
ないこ
少し潤んだ桃色の瞳と目が合った
ないこ
ないこ
If
If
ないこ
If
ないこ
ふ、とないこが表情を緩める
ないこ
ないこ
If
If
嬉しそうに笑うないこが可愛くて、愛おしくて、思わず抱きしめる
If
ないこ
柔らかい唇に自分の唇を重ねる
If
ないこ
If
ないこ
少し赤くなった耳に口を寄せる
If
少し間が空いて俺も、と小さな返事が聞こえた
コメント
8件
ふぁぁぁ😇💓(尊死) 一つ一つの表現が素敵すぎてより2人の感情が伝わってきました(;∀; ) 素敵な作品ありがとうございます( * ˘ཀ˘)グハァッ