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私と君の最後の病棟生活

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私と君の最後の病棟生活

3 - 退院の後の彼の寿命。

♥

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2022年01月30日

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それから毎日、勉強会が始まった

こもも

ん〜とりあえず…計算は出来ないとな…

まず、暗算やってみろ。

まず偶数+偶数は偶数。奇数+偶数は奇数
奇数+奇数は偶数って覚えとけ。

こもも

偶数…?奇数…?

奇数は、1・3・5・7・9。偶数は、それ
以外の0・2・4・6・8。これは基本。

こもも

分かった…!頑張ってみる!

そして、地獄の様な暗算勉強が 始まって半年後には…

今日は暗算のまとめテストだ。

こもも

はいっ!

189+193=?

こもも

ん〜と、382!

正解。次は…158+172=?

こもも

えっと…330!

正解。じゃあ次は…

そしてどんどん続いて行き…

こもも

終わったぁ。

そろそろ消灯だな。

こもも

じゃあ、また明日ね。おやすみ。

あぁ、おやすみ。

こんな日々が何ヶ月も続いていった…

そして月日が流れ… 退院することになった。

こもも

退院か…怜くん、親は?

親はいねえ、児童施設だ。事故で親を
無くして、親戚の所だったけど…でも
捨てられて。

こもも

…えっ…!ごめん…変なこと
聞いちゃって…

いいんだ。こももは?

こもも

私もいない。生まれた時から
児童施設だった。

そっか…

こもも

外に出るのなんて…10年ぶりくらい
だなぁ…

じゃあ、楽しみだな。

こもも

うんっ!

準備はいいか?

こもも

もちろんっ!

目つむれよ。

こもも

分かった!

こもも

いい空気…

準備はいいか?3・2・1
はい。

こもも

わぁっ!とっても新鮮な気分!

な?綺麗だろ?

こもも

うんっ!一緒に出てくる人が怜くんで、
本当に良かった…!

俺も…こももで良かった。

さぁ、案内するぞ。

こもも

お願いしますっ!

こもも

ここ…どこに行くの?

お気に入りの場所。

こもも

そうなんだ…でも、怜くんのお気に入り
なら、期待はずれでは無いよね!

当たり前だろ。

もう着くぞ。

こもも

わぁ…!

そこに広がっていたのは…

こもも

おっきな花畑…!

だろ?昔遠足で行ったんだ。

こもも

そっかぁ…いいな。こんな綺麗な場所に
行けてさ…

これから連れてってやるよ。それにさ、
医師になったらもっと色んな場所にも、
行けるだろ?

こもも

そうだねっ!早く医師になれますよーに!

こんな日々が続きますよーに!

こもも

えへへっ、やっぱり楽しいなぁ。

だな。

こんな幸せは日々は… ずっと続かなかった。

フラッ

こもも

怜…?大丈夫!?

…ドッキリでしたぁ!
引っかかったな?

こもも

も、もう〜!本当じゃないかって本当に
焦ったんだから!

ごめんって!笑

俺は気づいていた…もう、、 余り寿命がない事を。

…はぁ…はぁ…!?バタッ

こもも

怜!怜!

…こ…もも…俺のこと…気にすんな…

こもも

道端で倒れたら普通は…気にするでしょ!
何やってんの!救急車呼ぶから!

ごめんな…

こもも

怜!怜!

…こ…もも…?

こもも

怜!?先生!目覚めました!
これでいいですよね!?

医師

…最期の言葉をかけてあげてください…

こもも

そんなぁッ!怜…!怜…!
負けないでよ…!病気に
負けないでよぉッ!

ご…めんな。

あぁ…本当に俺はダメなんだと そう思った。

こもも

色んな所に連れて行ってくれるって
約束は!?怜!

…こ…もも…ごめん。

意識が遠のいて行く時…俺は、 最期の言葉を言った。

ずっと…好き…だった。

俺は、とびきりの笑顔で、 その目を閉じた。 こももの悲しい顔を見ながら。

医師

…×時×分×秒。三國怜さん、
ご臨終です…

こもも

怜ぃ!ッ…

泣いちゃダメだ、こもも! 前をむくんだ。

こもも

えっ…?

医師

どうかしましたか?

こもも

い、いえ…

今…怜の声が…

こもも

…(´˘`*)そっか。前向くよ…しっかり。

短編最終話へ。

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