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カワノベさん

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カワノベさん

1 - 第1話 深夜の学校探検

♥

181

2025年02月22日

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川野辺 喜雨

……ねえ、萩。どう思う?

太賀 萩

……何が?

川野辺 喜雨

だから幽霊のことだよ。
聞いてなかったの?

太賀 萩

すまん、聞いてなかった。
もう1回教えてくれ。

川野辺 喜雨

ここには幽霊がめっちゃ居るんだよ。
萩は分からないの?

太賀 萩

いや、俺幽霊とか知らんし。

太賀 萩

喜雨の見間違いなんじゃね?

川野辺 喜雨

いいや、そんなことない。
子供の頃から俺は幽霊が見えてたんだ。

川野辺 喜雨

今更幽霊を見間違うだなんて……。
そもそも何と見間違うの?

太賀 萩

んなもん何かに見えたんだろ何かに。

川野辺 喜雨

何かって……適当だなぁ。

川野辺 喜雨

まぁいいや。お昼食べよ、お昼。

幽霊が見えると語る青年、川野辺 喜雨。 その親友の太賀 萩は、そんな喜雨の話を本気にせず聞き流しながら弁当箱を取り出していた。

太賀 萩

喜雨は幽霊が見えるんだろ?

太賀 萩

それって基本的に見えちゃいけないもんが見えてるんだろ。

太賀 萩

なんか良くなさそうじゃねえか?

川野辺 喜雨

うん……まあそうだね。

川野辺 喜雨

でも幽霊はみんな生気が無い感じ。
まあ生きてないわけなんだけど。

川野辺 喜雨

ただ幽霊としてその場に居るだけで、攻撃も威嚇もしてこないんだ。

川野辺 喜雨

たまにちょっと危険そうなのも居るけど。

太賀 萩

うーん……。

太賀 萩

じゃあそういうのは霊が見える人間しか攻撃しないのか?

川野辺 喜雨

それは知らない。
攻撃されたことないし。

川野辺 喜雨

やけに肯定的だね。なんで?

川野辺 喜雨

幽霊は見えないんじゃなかったの?

太賀 萩

気になったんだ。

太賀 萩

……なあ、喜雨。

太賀 萩

本当に幽霊が居るのか検証してみないか?

川野辺 喜雨

検証……?

太賀 萩

ああ。夜に学校に忍び込むんだ。
そこで幽霊が居るのか検証する。

太賀 萩

夜の学校と言ったら幽霊とか七不思議とかだろ?

太賀 萩

幽霊を見るのには絶好のチャンスだと思うんだ。

川野辺 喜雨

1人でやってよ。

川野辺 喜雨

俺幽霊見すぎると体調悪くなるんだよね。

太賀 萩

なんだそれ面倒な体質だな……。

太賀 萩

それじゃあ、お前の具合が悪くなったらすぐに辞めるっていうのはどうだ?

川野辺 喜雨

ん〜……まあ考えてみるよ。

数時間後

川野辺 喜雨

やっと来た。

川野辺 喜雨

そっちから誘ったくせに遅刻とかさぁ……。

太賀 萩

すまん。母さんがなんでってうるさかったんだよ。

川野辺 喜雨

でしょうね。

川野辺 喜雨

……さ、早く行こう。

太賀 萩

おう。

1-A 教室

太賀 萩

やっぱ夜の学校って雰囲気あるよなぁ〜。

太賀 萩

マジで幽霊とか出てきそうだな……。

川野辺 喜雨

……ここに来るまで、全然幽霊が居なかった。

川野辺 喜雨

いつもなら最低でも1体は見かけるはずなのに。

太賀 萩

んじゃあ居なくなったかお前が見えなくなったんじゃねえの?

川野辺 喜雨

いや……だって朝は……

太賀 萩

ほら、さっさと次行こうぜ。

太賀 萩

学校を回りきるまでにお前が幽霊を見かけなかったらそこまでだろ。

川野辺 喜雨

分かってる。さっさと次行こう。

その後、2人は特に何も無く教室を回り、ついに3年の空き教室に到着した。

太賀 萩

特に何も無かったな。

太賀 萩

幽霊なんて本当に居るのか?

川野辺 喜雨

……居るよ、絶対。

川野辺 喜雨

……。

太賀 萩

なあ、お前なんかおかしくないか?

太賀 萩

さっきから口数も少ないし、声も震えてるように聞こえるぞ。

太賀 萩

大丈夫か? もしかして……

バタンッ

太賀 萩

マジでどうしたんだよ!?

太賀 萩

何かおかしなところでもあるのか?

川野辺 喜雨

ちょっと倒れただけ。大丈夫。

太賀 萩

大丈夫に見えねえよ。
保健室で休むか?

川野辺 喜雨

……じゃあそうする。

太賀 萩

体調が悪いなら早く言えよ……。

ガタ……

太賀 萩

……ん?

太賀 萩

おかしいな……。

ガタガタッ……

川野辺 喜雨

……何してるの?

太賀 萩

いや、と、扉が開かないんだ。

太賀 萩

変だな。壊れてるのか?

川野辺 喜雨

後ろの扉から出ればいいだけの話でしょ。

ガタッ……

川野辺 喜雨

……どっちも開かない? どうして?

太賀 萩

どうしてだ? 壊れてるのか?

川野辺 喜雨

いや……これは……

ガタガタガタッ!

太賀 萩

勝手にガタガタ言い出したぞ!?
どうなってんだこれ!?

川野辺 喜雨

……やっぱりそうだ。
だから具合が悪くなったんだ。

太賀 萩

どういうことだよ!!

川野辺 喜雨

……霊だよ。
それも人に危害を加える方の。

太賀 萩

……は?

太賀 萩

もしかして、ここ開けられるとヤバいやつか?

川野辺 喜雨

うん。

太賀 萩

どんな感じでヤバいんだ?

川野辺 喜雨

死ぬ。

太賀 萩

嘘だろ???

川野辺 喜雨

嘘じゃない。俺が嘘つくと思う?

太賀 萩

うーん……。

太賀 萩

まあこの状況では嘘はつかねぇか……。

川野辺 喜雨

ほら、幽霊が入ってこないようにしないと。

川野辺 喜雨

萩は後ろの方の扉ね。

太賀 萩

分かったけど……お前は大丈夫なのか?

川野辺 喜雨

……何が?

太賀 萩

体調悪いんだろ?
無理しない方がいいんじゃないか?

川野辺 喜雨

多分大丈夫。

2人がそんなことを話している内にも、空き教室の扉はガタガタと大きな音を出していた。

川野辺 喜雨

……よし、何とかして防ぐよ

太賀 萩

ああ。

ガタガタガタ……

ガタガタガタ……

ガタガタガタ……

川野辺 喜雨

…………っ

太賀 萩

おい、本当に大丈夫なのか?

川野辺 喜雨

無理……かも……。

太賀 萩

そっちの方が危なそうだな……。変わるか?

川野辺 喜雨

……頼んだ。

太賀 萩

よし。これで大丈夫だろ。

ガタガタガタ……

ガタガタガタ……

ガタガタガタ……

川野辺 喜雨

……変わってない。

太賀 萩

これ、幽霊は喜雨を狙ってるってことか?

太賀 萩

じゃあそっちを2人で押さえるか?

川野辺 喜雨

いや……

川野辺 喜雨

……もう遅いかも。

太賀 萩

それって───

ガタガタガタッ!

ガラガラガラ───

太賀 萩

あ。

川野辺 喜雨

……。

太賀 萩

……ん?

太賀 萩

誰も居ないぞ……?

この作品はいかがでしたか?

181

コメント

3

ユーザー

うわぁぁ!!楽しみにしてました!! …誰もいない…萩さんには幽霊が見えないからですかね… …ハッ…喜雨さんが危ないのでは…?いや、萩さんもですけど…。

ユーザー

予定より少し早めに第1話を公開しました! 第2話は3月1日に投稿予定です👻 (第2話の投稿日は少し前後するかもしれません)

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