奏
じゃあ美玖は頑張ってオーダー沢山持ってきてね?

美玖
私に任して!て言いたいけど…

奏
弱音は聞かない!さぁ、行った行った

美玖
ちぇ……行ってきマース

奏
……さて。私は料理を頑張っちゃおうかな!

飛び交うオーダー。それを聞いてせっせと作る料理班。奏はその料理班のリーダー的ポジションにいた
奏
急いで作って!どんどんオーダー来てるから!

奏
次から次へと沢山くる……

奏
材料が無くなってきてる……

拓也
奏さん頑張ってますね

奏
あれ?拓也君どーしたの?

拓也
材料が無くなってる頃と思ってなにが足りないのか確認に来たんですよ

奏
ナイスタイミング!

拓也
やっぱり足りなくなってましたか

奏
家庭科の先生に言って貰ってきてくれる?

拓也
任してくださいよ!

奏
頼んだよ!

モブ
生意気なこといってんじゃねぇよ!!

奏
なんの騒ぎ!?

駆けつけると、テーブルが倒れて横になる美玖の姿があった
奏
美玖!?大丈夫?

美玖
う、うん。

奏
頬赤いよ?

美玖
いてて……口の中ちょっと切れたみたい

奏
1回教室から出ようか

美玖
うん。

教室から出るとケンカが始まった。
勝敗はすでに決まっていた。
ケンカをする前に煉の言ったその言葉がド正論すぎて、周りのみんなは煉に賛成だったからだ
奏
ケンカ強いね煉君って

美玖
ケンカもそうだけど、心も強いと私は思うな

奏
そうなの?

美玖
煉君って過保護に育てられたみたいなの

奏
それにしては荒れてる気がするけど?

美玖
それは、親の愛が強すぎたからだと思う

奏
どういうこと?

美玖
煉君過保護に育てられすぎて友達がいなくなったんだって

奏
なんで?

美玖
頭を良くし友達との遊びを行かせないで孤独という環境を作ったの

美玖
そして、頼るのを親だけにして煉君を縛りつけたんだよ

奏
そうなんだ

美玖
それで、やりたい事が出来なくなって心が歪んでグレたみたい

奏
でも、今の煉君はそんな心の歪みが見えないけど

美玖
だって今は私に奏。それに拓也君もいて楽しい学校生活が出来てるんだもん

奏
それは美玖の勝手な想像でしょ?

美玖
あ。ばれた〜?

奏
口切れてる割によく喋るわね

美玖
こんな痛みなんて私の代わりに煉君がやってくれてるから感じないよ

奏
ひょっとして美玖煉君に…

煉
美玖。ちょっと来い

美玖
え?私?

煉
いいから来い

奏
行ってきなよ

美玖
う、うん。

そして、煉はみんなの前で美玖を抱きしめ俺の女と言い張り教室を後にした
奏
……なんか、抜かされた気がする

それから文化祭は続けられなくなり片付けて、美玖に煉と一緒に後夜祭に行ってこいとアドバイスをしてその日は解散になった
奏
いいなー。私にもそんな恋愛出来たらなー

拓也
いたいた!奏さん

奏
ん?拓也君どーしたの?

拓也
材料持ってきましたよ

奏
もうお店はやってないわよ?

拓也
早くないですか!?

奏
ちょっとトラブルがあってね

拓也
そっかー……

拓也
じゃあ!この材料で僕ら2人だけで食べません?

奏
え?

拓也
この後みんな後夜祭でどっか行きますよね?

奏
そうね。みんなどっか行くわね

拓也
僕らはここで2人だけでご飯でも食べましょうよ

奏
こんな教室で?

拓也
2人だけなんてドキドキしますよー?

奏
私をからかってるのね?

拓也
ジョークですよ。

拓也
僕はただ純粋に奏さんと2人の時間を過ごしたかっただけですから

奏
な、何馬鹿なことを…

拓也
ほら!早速作りましょうよ!

拓也
今ある材料だとオムライスかな?

奏
はぁ……。分かったから。一緒に作るわよ

料理してる時間はあっという間だった
奏はそう感じた。拓也といる時は時間が
早く感じるみたいだ。
奏
はい!完成したよ!オムライス

拓也
おぉー!美味しそう!!

奏
テーブル用意しといてね。

拓也
了解です!

奏
……。拓也君は私の事を本気で好きなのかな?

奏
それが分からないから私も喜んでいいのか分からない。もしかすると……

拓也
何言ってるんですか?僕は本気で好きなんですよ?

拓也は奏を後ろからそっと抱きしめて
耳元で奏にだけ聞こえる声でそう言った
奏
!?

拓也
驚かせてしまってすみません

拓也
でも、なんか僕の事考えてくれてちょっと嬉しかったです。

奏
それは、違うって!

拓也
じゃあ、そのオムライスに描いた文字はなんですか?

オムライスにはケチャップででかでかと
【拓也好き】と書いてあった
奏
これは、その……

拓也
奏さん可愛いー

奏
う、うるさいわね!いいじゃない!!ホントの気持ちを描いてみたって!

拓也
正直に話してくれましたねー

拓也
ホントに奏さん可愛いよ

奏
……。うるさい

拓也
照れないでくださいよー

奏
早くオムライス食べよ?

拓也
その前にちょっとオムライスにひと工夫したいなー

奏
何するの?

拓也
奏さんのオムライスまだなんも書いてないですよね?

奏
まぁ、そうね

拓也
じゃあちょっとケチャップ貸してください

奏
何するの?

拓也はケチャップで
♡
/\
/ \
/ \
拓 奏
也
と書いて見せた
拓也
ちょっと不格好ですけど今の僕達はこうですよね?

奏
ホントに恥ずかしいから目に見えるようにしないで

拓也
でも、事実ですからねー

奏
いいから、早く食べるよ!

奏
冷めて美味しく無くなっちゃう

月が青く輝く寒空の下
その蒼白い光が2人の姿を映し出す