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コメント
6件
続きが気になるるる!!!! 烏養ちゃんと結ばれるのかな...🫶🏻 楽しみ!!!
うおおおお 、❕❕ もう行くのか … 夢主ちゃんよ 🥲︎ どうか結ばれて欲しい … 🤦🏻♀️💭
一目惚れだった。
金色に染められた髪、男らしくかきあげるように前髪は上げられていて
煙草を吸いながら、流し目をするように私を見たその目は
私の同級生に怖がられていた。
烏養 繋心
そう言って煙草をグッと灰皿に押し付けた彼に
きっとこの人は優しいと、疑いもなく思った。
烏養 繋心
その苦く重苦しさのある煙草の匂いが無性に私をドキドキさせた。
恋を自覚するには十分すぎるそのときめきに私は、浮かれていたのだろうか。
里奈
烏養 繋心
素っ頓狂な声を出す烏養さん。
沙彩
沙彩
沙彩
烏養 繋心
烏養 繋心
そうだけど、そうじゃない。
焦る友人と、呆れる烏養さんを見て、もう一度伝えようとしたけれど、
烏養さんに背中を押されてしまった。
烏養 繋心
烏養 繋心
里奈
烏養 繋心
半ば追い返されるように帰った私達。
でもそれからしばらく経っても私は烏養さんのことが頭から離れなくて、
でもこの恋は叶わないんだろうな、なんて
ほとんど諦めかけていた時だった。
沙彩
沙彩
里奈
とある帰り道。
思いがけない友人の言葉に一瞬息が止まったかと思うと、
私の体は学校へ向かって踵を返していた。
沙彩
里奈
振り返らずにそう言って全力で走った。
会いに行ってどうするのだろうと思いながら、
それでも彼に向かって駆け出した足は止まらない。
里奈
もう疑いようのない。
私は、烏養さんが好きだ。
学校へ戻る途中、バレー部員とすれ違ったから
きっともう部活は終わったのだろう。
まだ烏養さんがいることを願いながら、体育館へ向かった。
里奈
烏養 繋心
私に見覚えのあるような表情を見せた烏養さんは、
何かを考え込むようにただそこにいた。
里奈
烏養 繋心
そう言って、ニカッと笑った烏養さんに、トクンと心臓が音を立てる。
次の瞬間、私は無意識に本音をこぼしていた。
里奈
烏養 繋心
里奈
烏養 繋心
外部コーチとして来ているのなら、きっと答えてはくれないだろう。
それでも、私はあなたを好きと伝え続けたら、
卒業するまで少しは私のことを考えてくれるでしょう?
烏養 繋心
現実を突きつけられようとも、簡単に変わらないのが恋心だ。
私はじっと烏養さんを見つめる。
烏養 繋心
烏養 繋心
里奈
烏養 繋心
烏養さんの言うように、人生にタイミングというものがあるのなら
それなら私は、そのタイミングを手繰り寄せる。
その日が来るまで伝え続ける。
たとえそれが今じゃなくても、いつか来るタイミングを夢見て。
そうして私の烏養さんへの恋は走り出した。
高校3年、春のことだった__
そして、卒業の日。
私は友人と抱き合い、涙を流し
今この瞬間を噛み締めている。
沙彩
里奈
沙彩
沙彩
里奈